ジュヴレ・シャンベルタンを代表する作り手
アルマン・ルソーは20世紀の初めに設立されたドメーヌです。フィロキセラや第一次世界大戦の影響を受けて価値が大きく下がってしまったグラン・クリュを多く買い取り、ワイン作りのベースを作ったのがドメーヌの始まりでした。アルマン・ルソー氏から2代目のシャルル氏、3代目のエリック氏と代替わりしていますが、伝統は引き継がれ、今でも上質なワインが作られ続けています。
そんなアルマン・ルソーの拠点は
ジュヴレ・シャンベルタン村にあります。このエリアにある
9つのグランクリュのうち6つを所有しており、非常に贅沢な品質のワインを生産・展開しています。加えてプルミエ・クリュや村名ワインの生産も行なっており、いずれも品質が高いです。
グラン・クリュを多く所有するドメーヌではありますが、“ブドウの出来栄えが良ければ特級などの格付けは気にしない”という考えもしっかりと持っています。そのためさまざまな価格帯・ラインナップのワインを販売しているドメーヌとしても人気があります。
機械や除草剤に頼らない古典的なこだわりワイン
アルマン・ルソーのワイン作りは、とにかく丁寧で基本に忠実です。
機械や除草剤に頼らないブドウ作りを基本としており、土壌には20年以上肥料を与えていないといいます。ブドウは完熟しきってしまうよりも前の段階で早く収穫されるのがポイントで、香りと味わいが良い状態が保たれます。そして収穫したブドウを発酵、醸していき、ワインを作り上げていくのです。
なおブルゴーニュ地方は新樽を使って熟成するワイン作りが流行となっていますが、
アルマン・ルソーは熟成に新樽を無理には採用しません。土壌が生み出す魅力を最大限に引き出すため、人工的な工夫をあまりしないというポリシーがあります。
こうして生み出されるアルマン・ルソーのワインは、滑らかでシルキー、上質な口当たりが印象的です。香りは非常に華やかであり、口に含むと力強い濃厚さと絶妙な酸味が調和していきます。
代表作はシャンベルタン
アルマン・ルソーのワインの中でも特に有名なのが、特級畑の「シャンベルタン」です。
アルマン・ルソー シャンベルタンはドメーヌの代表作・フラッグシップボトルとして人気が高いです。
王のワインと称されるクオリティで、
1本に50万円以上、当たり年のワインであれば100万円に近い価格が付けられているような状況となります。
アルマン・ルソーが所有するシャンベルタンの畑は、わずか2.55ヘクタールしかありません。わずかなエリアで少量のみ丁寧に育てられるブドウのワインだからこそ、品質が保たれているとも言えるでしょう。
当然ワインは希少価値の高さから入手も困難であり、時期が経てば経つほどその価値は上がっています。
グランクリュをはじめとするアルマン・ルソーのワインたち
またアルマン・ルソーのワインは、シャンベルタン以外の畑についても評価が高いです。アルマン・ルソーは合計で
およそ15ヘクタールの畑を所有しています。所有する主な畑とワインの特徴は以下の通りです。
- ・シャンベルタン・・・特級畑の一つでアルマンルソーの代表作。厳格な印象を感じられる高級ワイン
- ・シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ・・・こちらも特級畑のものでドメーヌ自慢の一作。穏やかなタンニンと黒い果実の香りで非常にエレガント
- ・リュショット・シャンベルタン・・・豊かな果実味とスパイスの余韻で長く楽しめるワイン。特級畑であり、数十万円の価格がつく
- ・シャルム・シャンベルタン・・・特級畑の割には他に比べ飲み頃が早めなワインで、丸みを帯びたタンニンが感じられる
- ・マジ・シャンベルタン・・・カシス、ブラックベリーを思わせる力強さ。こちらも特級畑のワインで人気が高い
- ・クロ・ド・ラ・ロシュ・・・アルマン・ルソーが所有する特級畑のうち、唯一ジュヴレ・シャンベルタンとは別の場所にある。ミネラルに富んだ味わい
- ・ジュヴレ・シャンベルタン・クロ・サン・ジャック・・・一級畑だが特級並みのポテンシャルがある。ワインは力強い
- ・ジュヴレ・シャンベルタン・ラヴォー・サン・ジャック・・・チェリーのような赤い果実のニュアンスが強い一級畑
- ・ジュヴレ・シャンベルタン・カズティエ・・・一級畑で上質なタンニンとパワフルな味を感じられる
- ・ジュヴレ・シャンベルタン・・・いわゆる村名ワインと呼ばれるもので、フレッシュ。
15ヘクタールのうち特級畑、いわゆるグランクリュは8ヘクタールを占めています。プルミエクリュは4ヘクタール程度、村名ワインは3ヘクタールとわずかであり、しかも特級畑に匹敵するほどの実力があると言われています。
このように、アルマン・ルソーはリリースされるワインのほとんどが高級品であるということが見て取れます。
パーカー・ポイント95点以上の常連!当たり年はいつ?
アルマン・ルソーのワインといえば、評論家からの評価が高いことでも有名です。
辛口の批評家として知られるロバート・パーカー氏も、アルマン・ルソーのワインには90点台後半の高い評価を付けています。たとえ借金地獄になってもアルマン・ルソーのワインを買い続けると宣言したほどで、いかにお気に入りであったかが伺えます。
もちろん評価をしているのは、パーカー氏だけではありません。著名なワイン雑誌や品評会でも高評価がなされており、
2005年にはデカンタ紙の100点評価も獲得しています。
なおワインには当たり年と呼ばれるものが存在します。ブドウは天候や気温の影響を大きく受けやすいので、年度によって育ち方が変わります。当然作られるワインの味わいも変わることとなり、特にブドウの出来栄えが優れている年は「当たり年」と呼ばれます。例えば
アルマン・ルソー シャンベルタンの場合、2005年、2009年、2010年、2015年あたりがここ最近の当たり年として知られています。当たり年のワインは特に高得点になりやすく、それだけ価格も高騰し入手が困難になることが多いです。
アルマン・ルソーの買取相場は?1本30万円以上の査定額がつく場合も
アルマン・ルソーのワインは1本数十万円以上の値がつけられ売られています。最近は値段がより一層上がっていますが、これは世の中の経済の変化やワインの品薄なども関係しています。
当然買取査定価格もここ数年間で上昇している傾向にあります。ボトルの状態やヴィンテージにもよりますが、
アルマン・ルソー シャンベルタンは買取査定に出すと30万円近い査定額が付くケースもあります。
アルマン・ルソーのような上質なワインは、買取市場での価値が下がりにくいです。なぜなら
ポテンシャルを秘めたワインであり、飲み頃も5〜30年後と先のものが多いからです。長期の熟成にも耐えうるというワインなので、コレクションで取っておいたボトルなどが高額買取につながるという仕組みになっています。アルマン・ルソーのワインを飲まずに余らせてしまっている方は、ぜひ買取査定の利用を検討してみましょう。
もちろん買取査定の対象となるのは、シャンベルタンだけではありません。他のグランクリュやプルミエクリュ、そして村名ワインも高額買取の対象になります。買取査定に出していただいた大切なワインは、別のルートで再販されていきワインを求めている方の手に届きます。