何百年続くブドウ栽培の歴史を背景に持つドメーヌ
ドメーヌ・ビゾは、フランス・ブルゴーニュの偉大なる生産者の一つです。
ドメーヌが誕生したのは1995年と比較的近年のことですが、その歴史を辿ると非常に長く、さまざまな出来事があります。
ビゾのルーツは、1595年にジュヴレにてブドウの栽培を行っていたジュアン・ビゾ氏にまで遡ります。フランス革命以前の時期から行われていたブドウ栽培は、革命を経て畑が拡大し、規模を増していきます。その後、フィロキセラなどの災害にも見舞われますが、その後も特級畑を所有するなど一族でブドウの栽培を発展させていきます。
そしてビゾとして設立された1995年には、小作契約からドメーヌとしての活動をスタートさせます。
ジャン・イヴ・ビゾ氏が当主となり、1997年には自然ブドウ栽培へと切り替え更なる発展を遂げていきます。
そんなビゾのワイン造りは、非常にこだわりが詰まっています。
減農薬栽培である「リュット・レゾネ」を基本とし、除草剤を使用せず、低収量を守りながらブドウを丁寧に作り上げていくのが特徴に挙げられます。
ちなみにジャン・イヴ・ビゾ氏は、ブルゴーニュの神と謳われたアンリ・ジャイエ氏の隣人でもありました。「彼から多くのことを学んだ」と言われていますが、ジャイエ氏のスタイルを再現したワインではなく、他の生産者にはない味わいを作り出しています。
シンプルなワイン造りに定評がある
ビゾのワインといえば、
シンプルなワイン造りに定評があります。常識と言われていたブドウ栽培や醸造のテクニックにこだわらず、ただスマートにワインを造るという手法を採用しています。現代の知識と言われたワイン醸造学を信じすぎるのではなく、化学的な要素をなるべく排除し、シンプルにワインを造ることを貫いています。
例えば一般的なブルゴーニュの高級ワインは、ブドウ栽培の際に新しい蔓の先端が定期的にカットされています。しかしビゾでは、
先端のカットをあえて行わず、ブドウそのものの成長エネルギーを保ったままで良質なワイン造りにつなげています。
またブドウを発酵する際にも、無理な温度コントロールを行ったりはしません。ワインを樽詰めする際もタンクに一度詰め替えるといった作業は行わず、ワインが酸化してしまうリスクを極力除き、酸化防止剤SO2の添加なども抑えるように心がけています。哲学としては、ルロワ女子のそれに近いものがあるでしょう。
ブルゴーニュのワインといえば、色素がしっかりと抽出される、濃厚な味わいが表現されるなどの“テクニック”が駆使されたものが流行っていました。
1990〜2000年代ごろは特に、強く濃い味わいのワインが好まれる傾向にありました。
確かに濃厚でうまく造られたワインはクオリティが高く、パワフルでスペシャルです。しかし力強い味わいのワインは、飲み頃を迎えるまでに10年以上の時が必要であることも確かです。
ここ最近のブルゴーニュは、テクニカルなワイン造りから、そうではない“シンプルの追求”へと流れが変わってきています。
ドメーヌ・ビゾはまさにその最先端をいくような存在で、高い評価と信頼を集めている生産者の立場となっています。2020年には、世界のトップソムリエたちが選ぶワインリスト
「スター・ワイン・リスト」に最も多く掲載された生産者にもなっています。
スムーズで上品な香りを持つと人気だが生産量はごく僅か
過剰なテクニックに頼らず造られたビゾのワインは、
非常にスムーズで飲み心地が良いです。香りが高く、すみれや天草のような優しいニュアンス、そしてフランボワーズのような赤い果実の魅力が入り混じっています。
なおビゾのワインは
ヴォーヌ・ロマネの村名ワイン以外は樽ごとのブレンドなども行われないため、一つ一つのワインが個性豊かな味に仕上がっています。まさにテロワールが表現された、偉大なワインであると言えるでしょう。
ただし収量を抑えて手作業で作られるビゾのワインは、
生産量そのものが少なく入手が非常に困難なことでも知られています。2.5ヘクタールの畑から約7,000本のワインが作られているのみで、日本に輸入されるボトルは非常に少なく、1本に何十万以上という値段が付けられているような状況でもあります。
トップ・キュヴェは「エシェゾー」
ビゾ氏は畑を受け継いだ際に、村名クラスを中心に引き継いでいます。そんなドメーヌ・ビゾですが、最高級と言われるワインに
グラン・クリュの「エシェゾー」があります。
グラン・クリュは特級畑のことで、ブルゴーニュの格付けでもトップクラスに入る人気があります。ドメーヌ・ビゾのエシェゾーは平均樹齢80歳のブドウから生まれるピノ・ノワール100%の赤ワインで、新樽率100%にて造られています。
最良の畑で収量を減らし作られるエシェゾーは、とにかく官能的な香りにあふれています。果実由来のあまみと艶のあるタンニンが魅力的で、舌触りが非常に滑らかです。
ドメーヌ・ビゾのワインには何がある?
ドメーヌ・ビゾのワインには、エシェゾーを含め以下のようなラインナップがあります。
いずれのボトルも日本では非常に希少なものなので、見かけた方や持っている方は非常にラッキーと言えるでしょう。
- ・エシェゾー・・・ドメーヌ・ビゾの誇る特級畑で、面積は僅か0.72ヘクタール。作られるワインは年間およそ350本のみで、百万超えの価値がある。
- ・ヴォーヌ・ロマネ・プルミエ・クリュ・・・ヴォーヌ・ロマネ村の一級畑のブドウを使って作られるワイン。エシェゾーとしてリリースするには納得いかないというビゾ氏のこだわりで、クオリティとしては非常に高いもの。
- ・ヴォーヌ・ロマネ・レ・ジャッシェ・・・ビゾ氏の自宅裏にある畑で作られるワイン。非常にピュアな味わいで、村名ワイン(ヴィラージュ)だが上級ワインクラスの味わい。
- ・ヴォーヌ・ロマネ・レ・レア・・・こちらもヴィラージュの赤ワイン。果実と酸味のバランスに優れた凝縮感のある味わい。
- ・ヴォーヌ・ロマネ・・・村名クラスのワインで、2010年以降は以前別キュヴェであったヴィエーユ・ヴィーニュもブレンドされている。
- ・ブルゴーニュ・ルージュ・ル・シャピトル・・・レジオナルだがプルミエ・クリュクラスのポテンシャルをもつ。程よいスパイス感を味わえるワインで、1万円以上の値がつく。
超希少なビゾのワインは高価買取の対象に
ビゾのワインは、何度もお伝えしているように
いずれのボトルもとにかく希少です。エシェゾーのような有名ワインはもちろん、
村名クラスですら万超えの価格で取引されているような状況です。これほどまでに価格が高いのは、そもそもの生産量が少ないことに加え、専門家からの評価が高く、ワインマニアからの人気が高いことが関係しています。これまでの人気具合を見ると、今後さらに入手困難になり、高騰化するということも十分に考えられます。
そんなビゾの人気ワインは、ワイン買取でも高価買取の対象になります。もし未開封ボトルをお持ちであれば、ぜひお酒買取の利用を検討してみてください。リンクサスのワイン買取なら、人気のビゾに業界最高水準の価格をお付けすることが可能です。
「エシェゾー」「ヴォーヌ・ロマネ」「ブルゴーニュ・ルージュ」といったさまざまなワインが高価買取の対象になるので、まずはご相談ください。