今回はアードベッグというウイスキーについて紹介します。スコットランドの中でも人気のある“アイラ・モルト”、その中でも一際クセのある個性派ウイスキーです。
独特なスモーキーさとピーティーさが特徴のウイスキーは、一度飲んだら病みつきになってしまうこと間違いなしです。どんなシリーズがあるのか、どのように造られているのか、早速チェックしていきましょう。
目次
アードベッグとは、ウイスキーの銘柄の一つです。ウイスキーの本場スコットランドにはさまざまなウイスキー産地がありますが、その中でも名産地として知られるのが「アイラ島」です。
アイラ島は決して面積が広いわけでもないのに、なんと8つもの蒸留所がありスコッチウイスキーのメッカとして知られています。
そんなアイラ島の中でも、もっとも有名な蒸留所がアードベッグ蒸留所です。「小さな岬」を意味するアードベッグ蒸留所は、独特だと言われるアイラ・モルトの中でも特に個性的なことで知られています。
アイラらしいスモーキーさとピーティーな香りのウイスキーで、さらにただスモーク感があるだけでなくきちんとフルーティーな甘味も隠れています。
特にピートが強く、大きなクセがあるウイスキーなので決して飲みやすいとは言い難いですが、その反面熱狂的なファンがいます。
現在は複数のシリーズが通年商品として発売されているほか、年度による限定ボトルも発売されています。限定品は発売後、即完売してしまうほどの人気があります。
アイラモルトの中でも人気のあるアードベッグ蒸留所は、1815年に創業した蒸留所で200年以上の歴史があります。スコットランド・アイラ島の南部に位置しており、海や山の自然の恵みを受けながら長年ウイスキー造りに尽力してきました。
しかし今でこそ高い人気を集めるアードベッグのウイスキーですが、決して200年間ずっと順風満帆だったわけではありません。
1980年代の世界的なウイスキー不調の時代には、蒸留所が閉鎖してしまったほど追い詰められたこともあります。アードベッグは1980年〜1989年間の間ずっと生産停止をしており、なかなか手に入らないウイスキーになってしまっていたのです。
そんな中でも、アードベッグを愛するファンはたくさんいました。そして熱狂的なファンたちの声を受け、1997年にグレンモーレンジィ社がアードベッグ蒸留所を買収し活動を再開させました。そこから安定した操業ができるようになり、アードベッグは完全復活を果たしました。
復活を果たしてからのアードベッグは、安定して出荷されることで新規ファンもたくさん獲得し、一躍人気のウイスキーになりました。2000年にはアードベッグを愛する人々たちによって「アードベッグコミッティー」も発足しており、2度と閉鎖されることのないように働きかけています。
コミッティーへの登録者はおよそ12万人にも登ると言われており、世界の130ヵ国の人々が参加しています。
またアードベッグは世界的な品評会でも賞を取るようなブランドとなり、今では有名ウイスキーの一つとして世界中で愛されています。ピート香を楽しめるようなウイスキーをお探しの方は、ぜひ飲んでみてください。
アードベッグが個性的な味わいをしている理由として、独特な製法が挙げられます。アードベッグが「ノンチルフィルタード」という製法により、他にない個性的な味わいを造り出しているのが特徴です。
基本的にウイスキーというのは、瓶詰めされる前に原酒を冷却し、沈殿物を取り除くという冷却ろ過(チルフィルタード)をします。しかしアードベッグはあえて冷却ろ過の作業を行わず、ウイスキー本来の旨味成分を残すような工夫をしています。
そのためアードベッグの味わいは、ガツンとダイレクトな旨味がくるようなものに仕上がっているのです。
さらにアードベッグ蒸留所は自然に囲まれた環境を生かしながら、仕込み水にもこだわりを持っています。
蒸留所近くにあるウーガダール湖の水を仕込み水にすることで、独特のスモーキーさやピート香を表現しています。
アードベッグ蒸留所。
発酵途中のウォッシュを飲めた唯一の蒸留所。
Warehouse tastingも最高だった。
アイラ好きなら一回は行くべし。#オンライン蒸溜所巡り #TWLC pic.twitter.com/4P13FHIBnj— ヒゲクマ (@beard_nishimura) April 26, 2020
個性あふれるアードベッグのモルトウイスキー。賛否両論とも言われる強烈な味わいは、飲んでみないことには始まらないでしょう。
アードベッグを初めて飲む、これから知りたいという方はまず定番リリースのボトルをチェックしてみましょう。
アードベッグの定番ラインナップには「アードベッグ10年」「アードベッグ ウィービースティ5年」「アードベッグ ウーガダール」「アードベッグ コリーヴレッカン」「アードベッグ アン・オー」「アードベッグ トリー・バン19年」「アードベッグ25年」などがあります。
商品 | 画像 | shop | ポイント | 価格 | リリース年 | 種類 | 熟成年数 | アルコール度数 | 内容量 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アードベッグ10年 (アードベッグTEN) |
リンクサス酒販 | 楽天市場 | Amazon | アードベッグ買取 | 「アドテン」の愛称で愛される定番ボトル。アードベッグといえばまずはこれ。スモーキーな中に甘さが漂う。 | 7,755円 | 2000年 | 定番品 | 10年以上 | 46% | 700ml | |
アードベッグ ウィービースティ5年 | リンクサス酒販 | 楽天市場 | Amazon | アードベッグ買取 | 熟成の若いアードベッグ。驚くほどスモーキーと呼ばれるボトルでアードベッグを知るのに良い1本。 | 6,545円 | 2020年 | 定番品 | 5年以上 | 47.4% | 700ml | |
アードベッグ ウーガダール | リンクサス酒販 | 楽天市場 | Amazon | アードベッグ買取 | バーボン樽原酒にオロロソ・シェリー樽熟成原酒をヴァッティング。シェリー由来のスパイシーさが魅力。 | 12,100円 | 2003年 | 定番品 | – | 54.2% | 700ml | |
アードベッグ コリーヴレッカン | リンクサス酒販 | 楽天市場 | Amazon | アードベッグ買取 | もともとコミッティー会員向けにリリースされ大反響を呼んだボトル。トップクラスの力強さ。 | 14,630円 | 2008年 | 定番品 | – | 57.2% | 700ml | |
アードベッグ アン・オー | リンクサス酒販 | 楽天市場 | Amazon | アードベッグ買取 | スモーキーさとまろやかさが調和したアードベッグ。日本では終売のため並行輸入品が狙い目。 | 約10,000円 | 2017年 | 日本終売 | – | 46.6% | 700ml | |
アードベッグ トリー・バン 19年 | リンクサス酒販 | 楽天市場 | Amazon | アードベッグ買取 | スモールバッチでリリースされる希少なアードベッグ。角の取れたピートフレーバーと塩気のある味わい。 | 41,800円 | 2019年 | 定番品 | 19年以上 | 46.2% | 700ml | |
アードベッグ 25年 | リンクサス酒販 | 楽天市場 | Amazon | アードベッグ買取 | 年1リリースの希少なアードベッグ。1990年代に蒸留されたというレアな原酒が含まれている。 | 161,700円 | 2021年 | 定番品 | 25年以上 | 46% | 700ml | |
アードベッグ スペクタキュラー | リンクサス酒販 | 楽天市場 | Amazon | アードベッグ買取 | 「アードベッグ・デー」の限定ボトル。2024年はダークサーカスがテーマに。コミッティー向けの高アルコール版も。 | 19,800円 | 2024年 | 限定品 | – | 46% | 700ml | |
アードベッグ アリゲーター | リンクサス酒販 | 楽天市場 | Amazon | アードベッグ買取 | 内側を焦がした樽を使用し作られる。ベーコンのような煙たさに、強いバニラのような甘み。入手困難なレア品。 | 10,500円 | 2011年 | 限定品 | – | 51.2% | 700ml |
アードベッグのシリーズの中でも、もっとも定番とされる1本です。通称“アドテン”とも呼ばれます。
2000年に発売されてから圧倒的な人気を誇るシリーズで、初めてアードベッグを飲む方にもおすすめです。
アイラモルトらしいスモーキーさを持ちながらも、繊細な甘味があります。
アードベッグの中でも、熟成が若い5年もののボトルです。オロロソシェリー樽とバーボン樽の原酒がヴァッティングされています。
驚くほどスモーキーと表現されており、アードベッグの入門編にもおすすめです。比較的手に入りやすいところも魅力と言えるでしょう。
ウーガダールは仕込み水の水源であるウーガダール湖から付けられた名前です。2003年に発売開始されたボトルで、アードベッグの定番シリーズのうちの1本です。
バーボン樽で熟成した原酒に加え、オロロソ・シェリー樽で熟成した原酒も使っており、シェリー樽由来のスパイシーさ・甘い風味を堪能できます。
コリーヴレッカンはアイラの渦潮の名前です。ラベルにも渦潮の絵が描かれているのがわかります。
世界で2番目の渦潮から名を取ってつけられたこのウイスキーは、名前の表す通りの力強さが魅力です。アルコール度数も高く、刺激の強いウイスキーを求めている方におすすめです。
熟成はフレンチオークの新樽にて行われており、荒々しいスパイシーさを堪能できます。
アン・オーはアイラ島南西部のオー岬から名前がつけられました。リリースは2017年の、アードベッグの定番ラインナップの中でも比較的新しい商品となります。
ただし日本では残念ながら終売になってしまっています。海外では終売していないので、海外で購入するもしくは並行輸入品を買うのが入手の手段となるでしょう。
バーボン樽・シェリー樽・新樽の3種類を使い、ゆっくりと寝かせることでスモーキーさの中にもまろやかさが生まれています。アードベッグの中では比較的クセが少なめなので、初めての方にも向いています。
アードベッグ アン・オー以来、久々に定番ラインナップに追加されたアードベッグです。最初の発売は2019年で、そこからバッチ2、バッチ3・・・とリリースされています。
定番商品でありつつも、スモールバッチで限定品の要素も持ち合わせた一本です。定番の中でもかなり長い19年熟成で、角の取れたピートフレーバーと塩気が特徴の味わいです。
アードベッグ25年には、蒸溜所が苦難の時代といわれた1990年代に蒸留された原酒が含まれます。最低25年以上熟成のウイスキーで、その味わいは格別です。
熟成により奥深さ、複雑さが生まれていますが、アードベッグらしいスモーキーさは健在です。年1回リリースの希少なボトルで、定番ラインナップの中では比較的入手が困難です。
歴代アードベッグ・デー限定ボトルを紹介
2012:ARdbEG DAY
2013:ARdbOG
2014:AURIVERDES
2015:PERPETUUM
2016:DARKCOVE
2017:KELPIE
2018:Grooves
2019:DRUM
2020:BlaaacK
2021:SCORCH
2022:ARdCORE
2023:HEAVY VAPOURS
2024:SPECTACULAR#アードベッグ #ardbeg pic.twitter.com/MsX1oTgj2F— BAR CORRYVRECKAN (@barcorryvreckan) June 19, 2024
アードベッグといえば、2012年より毎年開催されている「アードベッグ・デー」にも注目が集まっています。このアードベッグデーは、世界中のアードベッグファンとともにアードベッグで乾杯する年に1度のイベントとなっています。
アイラ島では毎年5月最終週にウイスキーと音楽の祭典である「アイラウイスキーウェスティバル」が開催されます。日替わりで蒸溜所のオープンデーが開催されており、その最終日を飾るのがアードベッグとなっています。
アードベッグデーのタイミングでは、毎年このタイミングでしか手に入らない限定ボトルがリリースされています。限定品ということもあり、希少価値は高くかなりの価格高騰も見られています。
毎年パッケージやブレンド・味わいが異なっているので、ぜひチェックしてみましょう。過去の限定ボトルには以下のようなものがあります。
リリース | ウイスキー名 | 価格 | 特徴 |
---|---|---|---|
2012 | アードベッグ デイ | 約10,000円 |
|
2013 | アードボッグ | 11,025円 |
|
2014 | アードベッグ オーリヴェルデ | 11,340円 |
|
2015 | アードベッグ パーぺチューム | 12,960円 |
|
2016 | アードベッグ ダークコーヴ | 12,960円 |
|
2017 | アードベッグ ケルピー | 12,960円 |
|
2018 | アードベッグ グルーヴス | 12,960円 |
|
2019 | アードベッグ ドラム | 12,960円 |
|
2020 | アードベッグ ブラック | 13,800円 |
|
2021 | アードベッグ スコーチ | 16,500円 |
|
2022 | アードコア | 16,500円 |
|
2023 | アードベッグ ヘビー・ヴェーパー | 19,800円 |
|
2024 | アードベッグ スペクタキュラー | 19,800円 |
|
たとえば2024年にリリースされたアードベッグ・デーの限定ボトルには「アードベッグ スペクタキュラー」があります。こちらはダークサーカスをイメージしたボトルで、バーボン樽原酒にポートワイン樽原酒がヴァッティングされていることが特徴です。
比較的新しいボトルなのでまだまだ入手はできますが、過去のボトルがプレミア化していることから、こちらのボトルもいずれ高値になることが予想されています。
ちなみに近頃のアードベッグ・デー限定ボトルには、一般流通しているボトルのほか「コミッティー限定ボトル」も存在しています。コミッティー限定のものは、度数が高くなっているなどの違いがあります。
またアードベッグには、アードベッグ・デー以外のボトルもあります。
例えばアードベッグ アリゲーターは、2011年に発売された限定ボトルです。今はやや入手が難しく、値段が上がっています。
オーク樽に原酒を入れる前に樽の内側をしっかりと焦がしており、ベーコンのような強いフレーバーとバニラのような甘味が生まれています。過去のアードベッグの限定シリーズの中でも、評価の高い1本です。
クセの強いアードベッグを楽しむためには、やはり「ストレート」が一番おすすめです。なぜならそのまま飲む方が、素材そのものの香りを味わい、刺激が楽しめるためです。アードベッグを初めて飲む人は、ぜひまずはストレートで堪能してみましょう。
また香りが豊かになる「トゥワイスアップ」もおすすめです。トゥワイスアップはウイスキーと同じ量の水で割って飲む方法で、加水をすることで香りが開きます。アルコール感も和らぐので、アードベッグの香りを楽しみたい方はぜひチャレンジしてみてください。
定番商品のアードベッグを気軽に楽しみたい方は、炭酸で割った「ハイボール」もおすすめです。アードベッグの個性のあるスモーキーさが、炭酸で割るとスッキリとした印象になります。
2015年5月30日
アイラ島アードベッグ蒸留所の設立200周年祭。
生牡蠣にレモンではなく、ウイスキーをかけて食べた。あれ以来、生牡蠣にはウイスキーを合わせるようになった。
#0メートルの旅 pic.twitter.com/W0HbmDKz0J
— Yoko (@mizu_manju) January 9, 2021
アードベッグは強烈なピート香が特徴のウイスキーです。なのでどちらかというと、食中酒ではなく“食後酒”として人気があります。強い香りが食材を邪魔しないように、「アーモンドやナッツ」、「塩気の多いビーフジャーキーやサラミ」のようなウイスキーに負けないくらいの強さがあるおつまみをおすすめします。
またアイラ島で造られるアードベッグは、どことなく潮の香りがします。そのため魚介系の食品やおつまみとも相性が良いです。「スモークサーモン」や「貝の燻製」とあわせてみると、マリアージュを楽しめます。
アードベッグとよく比較されるウイスキーです。こちらもアイラモルトを代表する銘柄です。
アードベッグよりはややスモーキーさが抑えられています。ピート香の中にも飲み進めると果実やバニラの味わいがあります。
アイラ好きに人気のある1本です。シトラスやバニラのような豊かで爽やかな香りを感じます。
アードベッグが刺激が強いのに対し、ピート香は少なめで非常に爽やかです。
冷却の際に海水を使用するという、一風変わった製法で造られるアイラウイスキーです。力強いスモーキーフレーバーの中に、フルーティーさが加わっています。
軽やかなのにどことなく華やかで、リッチな味わいを求めている方におすすめです。日本で人気の「ジョニーウォーカー」などのブレンデッドウイスキーのキーモルトとしても使われることの多い銘柄です。
アードベッグはスコッチウイスキーの中でも、熱狂的なファンがいる銘柄です。アードベッグのファンは「アードベギャン」とも呼ばれるほどであり、世界各国に存在します。
そんなアードベッグは歴代の限定品も多く、そのほとんどがプレミア化していてお酒買取でも高値が付きやすくなっています。もし未開封で飲まないアードベッグをお持ちであれば、ぜひお得なお酒買取査定をご利用ください。
アードベッグの中には定価以上の査定額になるボトルも存在します。過去に1万円前後で購入したボトルに、何万円という価値がつくことも珍しくありません。
お酒買取のプロであるリンクサスなら、アードベッグを市場に見合った高価格で買取可能です。査定だけ、相談だけの利用からでも構わないので、ぜひご連絡ください。
アードベッグ買取はこちら
アードベッグはウイスキー界の中でも非常に個性が強い銘柄です。1度飲んでみたらやみつきになるような味わいが魅力です。
限定ボトルなどは希少性が高く、特に人気があります。気になった方はぜひチェックしてみてください。
ウイスキー買取はこちら
ウイスキー買取はこちら 高級ウイスキーの代表格であるサントリーの「山崎」。店頭では簡単に買うことができず[...]
ウイスキー買取はこちら この記事ではサントリーの人気ウイスキーである「シングルモルト白州」の抽選情報につ[...]
ウイスキー買取はこちら 響はサントリーが誇る最高級のブレンデッドウイスキーです。昨今のジャパニーズウイス[...]
日本酒買取はこちら 日本酒は全国各地で作られていて、とにかくたくさんの種類があります。そのため「日本酒を[...]
ワイン買取はこちら 新世界ワインの筆頭と称される、アメリカ。今や、“新世界”といったカテゴリを超えた、世[...]