世の中には特別なシーンや豪華な食事とともに親しまれる、高級なお酒があります。「カミュ」は代表的な高級酒の一つであり、コニャックと呼ばれるブランデーの一種となります。
日本でもよく愛されているカミュは、一体どのようなお酒なのでしょうか?味わいの特徴や値段について、詳しく解説していきます。
目次
「カミュ」はコニャックに分類されるお酒のブランドで、有名ブランデーの一種です。1世紀以上にわたって愛されるような、世界での知名度が非常に高いお酒です。世界で最も高価なお酒と言われることもあり、日常酒というよりは特別なシーンで飲まれることが多いです。
ただし非常に敷居が高いかと聞かれると、そんなことは決してありません。実はカミュはコニャックの中でも非常に飲みやすい味わいであり、日本人にもファンが多いです。バーやレストランで提供されることも多く、「ちょっといいお酒を味わいたい」というシーンにぴったりのお酒となっています。
カミュを知るためには、そもそもコニャックがどういうものであるのかを知る必要があるでしょう。
コニャックはフランスのコニャック地方にて造られるブランデーの一種であり、白ワインを2度蒸留させて造る蒸留酒となります。
高級なブランデーの位置付けであり、「アルマニャック」「カルヴァドス」と並んで世界三大ブランデーのうちの一つとなります。
コニャックはブランデーの中でも、AOC(原産地統制呼称規定)によって製造方法や産地のルールが細かく決められています。つまりルールを守って造られたものだけが、コニャックの名を名乗ることができるのです。
こうした厳格なルールのもと製造されるコニャックは、どれも安定して品質が高いのが特徴です。そんなコニャックの中でも特に有名な「5大コニャック」と呼ばれる銘柄があり、カミュはそのうちの一つになります。
カミュ社は1863年にフランスのコニャック地域にて創業しました。150年以上の歴史を持つ、コニャックの中でも老舗のメーカーとなります。酒業界の中でも非常に珍しい、家族経営を続けているブランドとなります。
ちなみに今でこそ世界規模のカミュですが、実はスタート当初は大企業ではありませんでした。むしろはじめは細々とブランデー造りをしていた会社であり、全く売れずに倒産寸前まで追い込まれたこともあったそうです。
しかし家族一丸となり諦めずに地道な努力を続けた結果、徐々にその品質が認められるようになり、やがてカミュは成功を収めるまでになったのです。20世紀にはロシア皇帝に好まれるほどのブランドへと成長し、地元の家族経営の会社から世界的なコニャックブランドに変貌を遂げていきました。
なお大きく有名になった現在でも家族経営を守り続けているのがカミュの特徴であり、独自性の高さが人気の秘訣となっています。
カミュはコニャック地方の中でも3番目に良い土壌とされる「ボルドリー」の土壌をメインとしています。カミュ社は180ヘクタールという、東京ドーム38個分の広さにも及ぶ広大な土地をボルドリーに保有しています。ボルドリー地区は石灰を多く含む粘土質の土壌であり、ブドウが根を張りやすいのが特徴です。そして日照時間が短いため、出来上がるブドウは芳醇な香りのものが多いと言われています。
そんなボルドリーの古酒を隠し味に使うことの多いカミュの味わいは、まろやかで繊細、そして香りに深みがあります。また濃厚でしっかりとした甘さがありながらも、飲んだ時には意外なまでにフレッシュであり後味はスッキリとしています。このように口当たりがよいカミュのブランデーは、「飲みやすい」と評価されることが多く、日本人の舌にもよく合います。
コニャックは熟成年数(コント)によって等級が分かれています。カミュもコニャックであるので、どれが高級品であるのかを知りたい場合は等級を確認すると良いでしょう。コニャックの等級は以下の6通りであり、下に行くほどコントが大きく高級なものとなります。
コニャックは最低でもコント2、つまり熟成3年目以上のものしか出荷できないように定められています。そのためどれを選んでも、一定レベル以上の熟成感を楽しめます。カミュの場合もボトル・ラベルに等級が記載されているので、ぜひ確認してみてください。
高級と言われるカミュですが、実はシリーズや等級によって値段はピンからキリまであります。基本的には等級が上がるほど値段も上がります。
例えばカミュの中でも手に入りやすい「カミュVSOPエレガンス」は、コント数が低く1ボトル3000円〜5000円程度で入手可能です。
カミュの人気の秘密はボトルにもあります。カミュのブランデーは個性的なボトルを採用しており、ただ飲むためだけのお酒ではなくコレクターからも人気があります。
主な例を挙げると、先ほど紹介したバカラ社製のクリスタルボトルのほか、樽型・ゴルフボールの形・水差しの形・スペード型・本の形をしたボトルなどがあります。
特にバカラ社製のボトルのカミュは価値が高く、中身をすでに飲んでしまった後の“空き瓶”であっても査定に出せば値段が付くほどです。そのため未開封のカミュはもちろんですが、空き瓶を余らせている方は買取専門店の査定に出してみると良いでしょう。
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カミュをストレートで! pic.twitter.com/I7GZnLqdLI
— なおにい (@naoney) December 27, 2020
カミュで一番おすすめの飲み方はストレートのまま飲むことです。常温のままグラスに注ぎ、香りを堪能しながらゆっくり口に含みましょう。
カミュの上質な味わいや熟成感を一番楽しめるので、初めて飲む場合などはぜひストレートでチャレンジしてみてください。
強いアルコールが苦手な方は、ブランデーを水で割って飲んでもOKです。氷を注いだグラスにカミュを入れ、上から静かに水を注いで混ぜましょう。
まずカミュ1971のソーダ割り。シャンパンみたいだが、リンゴ的甘みと酸味もある。
ヘネシーVSOPを紅茶に2tsp.入れたやつ。コクとブドウ由来の濃厚な甘みが足されて良い。
カミュ1971を紅茶にいれたやつ。こっちはやはりリンゴ感がなぜかある。コクは少ないが、その分上品。#ブランデー #コニャック pic.twitter.com/AHTZUK4A30— Saito@沼 (@viotaca) March 28, 2020
芳醇な香りと爽やかな口当たりで雑味の少ないカミュは、ソーダで割ってもバランスが良いです。氷を詰めたグラスに20mlほどのブランデーを入れた後、ソーダ水を上から注いでゆっくり混ぜましょう。酸味が好きな方は、レモンスライスを加えるのもおすすめです。
クルボアジェVSOP
さて実力は如何ほどか?
トワイスアップで頂きます(*´∀`) pic.twitter.com/XkInru2vf1— 玉響立夏さん (@tamayuraricca) November 5, 2020
トワイスアップは常温のブランデーに常温の水を注いで飲む方法です。水割りと違い、グラスに氷は入れません。程よい加水のおかげで、ブランデーの香りや甘みがより楽しめるようになります。
なおブランデー:水は1:1までが理想で、それ以上の水を入れないようにしましょう。水が多すぎると薄く感じてしまうので注意です。
カミュはお湯で割るホットブランデーにしても美味しいです。温度が高くなるので、華やかな香りが増し、身体を温めてくれる効果があります。
作り方は温めたグラスにカミュを注ぎ、カミュ:お湯=1:2程度になるようにお湯を足します。好みによってレモンや蜂蜜を加えるのもおすすめです。
カフェ・ロワイヤル(café royal)☕? pic.twitter.com/zxYspRuEpB
— ぼく、シマエナガ。 (@daily_simaenaga) October 24, 2020
カフェ・ロワイヤルはナポレオンが愛した飲み方で有名です。まず角砂糖を乗せたスプーンにブランデーを注ぎ、砂糖に染み込ませ、着火して青い炎を灯します。見た目を楽しんだ後は、コーヒーの中に入れて飲みましょう。非常に面白い飲み方なので、特別なシーンで喜ばれること間違いなしです。
ブランデーの一種であるカミュには、チョコレートやドライフルーツが定番とされています。程よい甘みがブランデーを引き立て、さらに歯応えのおかげで満足感が得られます。特にチョコならビターな味のもの、ドライフルーツならレーズンやアプリコットなどがおすすめです。
またナッツや胡桃、ピスタチオなど塩気のあるおつまみも相性がいいです。これらは塩分でブランデーの甘みを強調してくれる上、香りが強すぎないのでカミュの華やかな香りを堪能できます。
食事に合わせる場合は、バターやオイルをたくさん使った味付けの濃い料理と相性がいいです。ただし香りの強すぎる食べ物やクセの強い食べ物は、カミュの綺麗な香りを邪魔してしまう可能性があるので注意しましょう。
人気ブランデー「カミュ」について解説しましたが、いかがでしたか?
少し敷居の高い印象のカミュですが、実は飲みやすい味わいであり、ボトルによっては比較的手に入りやすいものもあります。一方でブランデーファンの方に向けた高価なボトルや、思わずコレクションしたくなるような珍しい見た目のボトルまで揃っています。
このようにカミュは初心者から上級者まで多くの方が楽しめるブランデーなので、気になった方はぜひ挑戦してみてください。
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