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東北に属する県の一つで、広大な土地を有する岩手県。海にも山にも囲まれた自然豊かなエリアでは、日本酒をはじめ多彩なお酒が作られています。
豪雪地帯で激しい寒さにも見舞われる岩手県ですが、そこで作られるお酒にはどのような特徴があるのでしょうか?今回は日本酒をはじめとする岩手のお酒にフォーカスしていきます。
南部杜氏は日本三大杜氏の一つに数えられる杜氏集団です。
1678年(延宝6年)に近江商人の村井権兵衛が酒造りを始めた岩手県紫波町は「南部杜氏の発祥の地」と言わています。 pic.twitter.com/k3PKR1BX8G— 浦里酒造店【霧筑波/浦里】醸造元 (@kiritsukuba1877) July 27, 2022
岩手県といえば、南部杜氏発祥の土地として有名です。南部杜氏(なんぶとうじ)は岩手県石鳥谷町を拠点とする杜氏集団で、兵庫の丹波杜氏や新潟の越後杜氏と並び日本三代杜氏に数えられています。
杜氏は酒蔵で日本酒造りの全てを取り仕切る、いわば責任者のような存在です。お米や水などを原料に作られる日本酒は、毎年のお米の出来栄えや水質などに味わいが大きく左右されるため、それを見極め適切なお酒造りに導く杜氏の存在が欠かせません。受け継がれてきた日本酒造りの技をしっかりと発揮し、複雑な工程を管理しそれを日本酒として仕上げる、さらに新たな技の開発や研究を行うというのが杜氏の大きな仕事になります。
なお杜氏はもともと一年中酒蔵にいるのではなく、普段は農業などを営み冬の間だけ日本酒造りを行うという”季節労働者”の働き方をしているのが特徴です。複数の蔵人を部下として従え、契約した酒蔵で働くというのが基本的なスタンスでした。やがてこの杜氏の文化は広まっていき、全国にいくつもの杜氏集団が現れ散らばっていきました。そんな杜氏集団の中でも、日本最大といわれたのが岩手県の南部杜氏となります。
南部杜氏は東北の硬いお米の扱いに長けています。お米を上手に使い、柔らかな味わいに変えていくというのを得意としています。そんな岩手のお酒は、老若男女を問わずに愛されるような甘みを持つ味わいのものが多いです。東北地方はどちらかというと淡麗な味わいのお酒が多いですが、岩手のお酒は濃醇甘口であると言えるでしょう。
ただし甘口一辺倒ではなく、様々なタイプのお酒が作られているのも今の岩手県の特徴です。岩手は県土が広くさまざまな自然に囲まれているため、お酒の味もバラエティに富んでおり辛口やあっさりな味わいの日本酒も探すことができます。
南部杜氏の日本酒が有名な岩手県ですが、それ以外にワインやクラフトビールなども製造されています。冷涼な気候風土が生み出す岩手のワインやビールには、いきいきとした味わいのものが多いことが特徴に挙げられます。大手メーカーでは生み出せない“自然由来の味”にこだわりを持つようなブルワリーなども多く注目を集めています。
特にワインに関しては、生産量で全国5位になる程です。ワイン専用の品種であるぶどうも岩手県内で育てられており、本格派の味わいを楽しむことができます。
南部美人は幅広い料理に合うことを目指して作られた日本酒で、すっきりとしたクセのない味が特徴です。岩手オリジナルの酒米や酒酵母を使った酒造りも得意としていて、岩手の地酒をお探しの方にまず推したいブランドの一つです。
そんな南部美人の純米大吟醸酒は、JALファーストクラスの機内酒にも選ばれる実力派です、低温熟成を行うことで生まれるフルーティーな甘みが印象的で、スムーズで飲みやすいです。
赤武酒造は“復活の蔵”とも呼ばれる酒造です。かつて岩手県大槌町に蔵を構えていましたが、2011年3月11日の東日本大震災で蔵が流失してしまったという歴史があります。そこからゼロからの出発をし、2013年に盛岡市に蔵が移転となり復活を遂げました。
赤武(AKABU)は復活後に生まれた新しいブランドで、2014年デビューのお酒です。デビューしてすぐに高い評価を受ける実力派のお酒でもあります。そんなAKABUのFは「気軽に飲むことの出来る晩酌酒」を目指して作られたお酒で、お手頃価格でありながら吟醸酒らしいキレ味とお米の旨味がバランスを保っています。
菊の司は創業1772年の、伝統ある岩手の酒造です。そんな菊の司の純米酒 吟ぎんが仕込は、お米・酵母・麹・水全て岩手のものを使ったオール岩手の地酒です。南部杜氏が生み出すお酒でもあり、お米らしい美味しさをしっかりと味わうことができます。
「吟ぎんが」は岩手で誕生した酒造好適米で、寒さの厳しい岩手でもしっかりと旨味を生み出せる耐冷性のあるお米です。きれいですっきりとした味わいに定評があります。
あさ開は全国新酒鑑評会で12年連続金賞受賞中の、岩手を代表する酒造です。岩手のお米を使ったお酒造りで、海外からも評価を受けています。濃醇甘口のお酒が多い岩手の中でも辛口の味わいで、すっきりしていて飲みやすく食中酒にもピッタリです。
冷やでも熱燗でも飲める万能タイプのお酒なので、晩酌のお供におすすめです。
タクシードライバーは喜久盛酒造から生まれた新しいブランドのお酒です。南部杜氏の醸すお酒で、深い旨味と酸のボリュームを感じられる贅沢な仕上がりとなっています。
映画業界で活躍するデザイナーの高橋ヨシキ氏が考案したという独特なネーミング、そしてキャッチーなラベルでお土産としても人気を集めているブランドです。「タクドラ」の愛称でも親しまれています。
紫宙(しそら)は南部杜氏発祥の土地である岩手県の紫波に蔵を構える紫波酒造のお酒です。蔵の新ブランドであり、伝統を大事にしつつ進化や挑戦を続けているお酒でもあります。
そんな紫宙の純米吟醸 無濾過原酒 春酒は、名前の通り春にふさわしい味わいを目指して作られています。岩手県産酵母である「ジョバンニの調べ」を使ったその風合いは淡麗ですっきりとした味が引き出されています。
[つくば]すだく虫の音が響く夜.岩手は花巻の〈酉与右衛門〉特別純米・美山錦・直汲み・無濾過生原酒を抜栓.爽やかな炭酸ガス感が心地よし.アテはのどぐろを焼いて,キハダマグロのづけ,そしてきのこ汁. pic.twitter.com/hdtGt7A9dI
— Minaka Nobuhiro 〈みなか食堂〉店主 (@leeswijzer) September 19, 2018
酉与右衛門は川村酒造店のお酒で、「よえもん」と読みます。南部杜氏の本拠地といわれる石鳥谷にある酒造で、小さい蔵ながらも個性豊かなお酒造りを得意としています。
そんな酉与右衛門の直汲み特別純米無濾過生原酒 美山錦は、絞ってすぐに瓶詰めされた日本酒でフレッシュな味わいと酸味が特徴です。広がる旨味とボリューム感で、満足度の高い味わいに仕上がっています。
活性原酒 雪っこは酵母や酵素が生きたままのお酒で、白い見た目ととろりとした口当たりが特徴です。酔仙酒造より10月〜3月の冬季限定で発売されています。
濃厚甘口のお酒は冷やして飲んだり、牛乳やソーダで割ったりとアレンジして飲むことができます。生酒ですが適切に保管をしておけば半年程度日持ちします。
特別純米 亀の尾は岩手銘醸のお酒で2018年のIWC(インターナショナルワインチャレンジ)でも受賞経験のあるお酒です。幻の酒米と呼ばれる「亀の尾」を使用して醸されるお酒で、なめらかな旨口の味わいをしています。
さまざまな温度帯で飲める日本酒であり、冷やすとキリリとした印象、お燗につけると香りがじんわりと広がる印象になります。
エーデルワインは花巻市大迫にある岩手有数のワイナリーです。数多くのコンクールで評価されるほどの実力派で、特に白ワインのクオリティが高いです。
そんなエーデルワインの五月長根 リースリング・リオンはやや辛口で程よい酸味が心地よく、アロマが穏やかで食事にも合わせやすいです。
自園自醸ワイン紫波は盛岡市の南に位置する紫波町で“自園自醸”にこだわってワイン造りを行うワイナリーです。そんな紫波のワイナリーからリリースされるスパークリングワインは、瓶内二次発酵で作られるエレガンスな辛口味が印象的です。
岩手産生まれのフレッシュなシャルドネを使っていて、余韻もきれいで飲みやすいです。乾杯シーンや、岩手の海鮮・山菜を使った料理に合わせるのにおすすめの1本です。
くずまきワインは岩手の山ぶどうを使ったワイン作りに定評があるワイナリーです。岩手の寒冷な地で作られる山ぶどうは栄養が豊富だといわれており、ワインにすると個性的な酸味のある味わいに仕上がるのが特徴です。
そんなくずまきワインの蒼は、山ぶどう交配種である「小公子」を使用して作られるワインで、野生味溢れる力強さが魅力です。ドライフルーツのような味わいや草原のような香りがあり、大自然を感じることができます。
遠野麦酒ZUMONAは岩手県遠野市にある上閉伊酒造が手がけたクラフトビールブランドです。
遠野市は日本でも有数のホップの産地であり、遠野麦酒のビールにはそんな岩手・遠野のホップがふんだんに使われます。フレッシュな味わいと豊かな香りを楽しめるビールが多く、ヴァイツェン、アルト、ゴールデンピルスナーを筆頭にさまざまなボトルがリリースされています。
岩手県は南部杜氏のこだわりの日本酒や、大自然から生まれるワインが人気で国内外から評価されているアルコールが多数あります。そんな岩手のお酒は、お酒買取市場でも高い評価を受けています。
もし岩手のお酒で飲まないものがあるなら、無駄にしてしまうのではなくぜひ「お酒買取専門店」の利用も検討してみてください。
お酒買取専門店はお酒に特化した買取査定を行なう業者であり、不要なお酒を現金に変えることができます。お酒買取専門店リンクサスなら、高額なウイスキーやワイン、ブランデーといったお酒はもちろん日本酒や焼酎なども査定が可能なのでぜひご相談ください。
今回は岩手県のお酒事情とおすすめ銘柄をまとめてみました。いかがでしたでしょうか?
お酒・アルコールは日本全国各地で作られていますが、土地によって大きく個性が異なります。岩手は東北の中でも濃醇旨口のお酒造りが得意で、これは南部杜氏が受け継いできた伝統によるものだと言えます。
世代を問わず美味しく飲める銘柄が揃っているので、ぜひ岩手のお酒をチェックしてみてください。
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