日本を代表するお酒の一つとして人気の高い「米焼酎」。数あるアルコールの中でも比較的手の届きやすい存在で、毎日の食卓にマッチしてくれるお酒です。しかし米焼酎という名前は聞いたことがあっても、実はどんなお酒のことを指すのか、どのように造られているのかよく知らないという方も意外と多いです。
そこで今回は、今更聞けない「米焼酎とは何なのか」について解説していきたいと思います。米焼酎の人気銘柄についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
米焼酎とは、その名の通りお米から造られる焼酎のことです。お米を発酵させてお酒を造り、さらに蒸留の工程を加えてアルコール度を凝縮したものになります。焼酎の中でも芋焼酎や麦焼酎に次いで有名であり、日本の各地で親しまれています。
米焼酎の歴史は古く、一説によると戦国時代から造られていたと言われています。しかし米焼酎の人気が高まったのは比較的近代です。なぜなら昔は、お米は生産量が足りずに貴重品とされていたため、主食用・清酒用に使われることが多かったためです。
近代ではお米の生産量が増え、さらに技術の向上とともに美味しいお米の品種が増えたため、米焼酎のクオリティも一気に上がりました。さらに低温発酵などの技術が進んだことで日本酒の吟醸酒に匹敵するような香りを持つ銘柄も現れ始めています。技術の向上とともに美味しい銘柄が増えており、愛飲者が増えているお酒だと言えます。
お米から造られるお酒というと、まずは日本酒を思い浮かべる方が多いかもしれません。米焼酎と日本酒は同じようにお米から造られるお酒なので、混同してしまっている方もいるでしょう。
しかし両者には、製法や味わいなどに明確な違いがあります。ここからは米焼酎と日本酒の違いについて解説していきます。
米焼酎と日本酒は、そもそも製法が違います。具体的には米焼酎が「蒸留酒」であるのに対し、日本酒は「醸造酒」となります。
日本酒は、原料となるお米を発酵して造る醸造酒に当たりますが、米焼酎はさらに醸造されたお酒に蒸留という工程を加えています。蒸留とはアルコールを気化させ、さらに冷やして液体に戻すという工程です。この工程を経ていることで、米焼酎の方がアルコール度数が高くなっています。
実際にアルコール度数を比べてみると、日本酒のアルコール度数が一般的に15度〜16度前後であるのに対し、米焼酎は25度から高いものだと40度を超えるようなものまであります。つまり日本酒に比べて米焼酎のほうが、より強いアルコール感を堪能できるという特徴があります。
精米歩合とは、原料となるお米をどれだけ削っているかを表す数値となります。
日本酒造りの工程では、酒米の表面をよく磨き、表面にあるタンパク質をしっかりと削ることが大切だと言われています。精米によってタンパク質成分を削ることで、雑味が少なくクリアなお酒に仕上がるのです。基本的に日本酒ではよく磨いたお米を使ったものの方が高級酒として扱われることが多く、大吟醸酒ともなると精米歩合は50%以下になります。
一方で米焼酎造りにおいては、あえてお米を磨きすぎないことも大切です。なぜならお米表面に残るタンパク質や脂質が、米焼酎の味わいをよくすると重要視されているためです。精米歩合でみると、85%〜90%程度のものが多く、ここが日本酒との違いと言えます。
ただし近年では、精米歩合を低くしてお米をよく磨き、吟醸酒のような香りを目指した米焼酎も存在します。どちらが良いのかは飲み手の好みにもよるので、米焼酎選びの際には精米歩合に注目してみるのも良いでしょう。
日本酒造りで使われるお米は、「酒造好適米」と呼ばれるお酒造りに適したものが選ばれます。代表的なものでいうと「山田錦」や「美山錦」、「五百万石」、「雄町」あたりが有名です。
一方で米焼酎に使われるお米は、特に日本酒用・焼酎用のものが決まっているわけではありません。そのため山田錦などの銘柄が使われることがあれば、「コシヒカリ」や「ヒノヒカリ」といった食用米が使われることもあります。
なお沖縄で有名な泡盛も、お米を原料にした米焼酎の一種になります。泡盛の場合は国産米ではなく、インディカ米(タイ米)を使っています。
焼酎はさまざまなものを原料に造られます。そして造られる原料の種類によって、味わいに大きな差が生まれます。米焼酎のほかには芋焼酎や麦焼酎が有名です。
それぞれ以下のような違いがあります。
【米焼酎】
銀の氷筍(ぎんのひょうじゅん)
銀盤酒造 富山県
まろやかな飲み口と、綿菓子のような甘味が特徴的。お湯割にすると、米の芯白の味わいが口の中でふんわり広がる。
久しぶりに米焼酎を飲んで感動した。 pic.twitter.com/0IVOIfTUkC— ちゃんすー? (@dsue_0824) June 28, 2018
米のほのかな甘味を感じやすく、日本酒に近いフルーティーな味わいを堪能できます。芋焼酎や麦焼酎と比較すると、スッキリしていて口当たりが良く飲みやすいです。また芋焼酎・麦焼酎が主に九州で造られているのに対し、米焼酎は比較的全国各地で造られています。中には日本酒の酒造が手がけている米焼酎もあります。
芋焼酎を簡単に説明すると、さつま芋を使った焼酎となります。ただし最初から芋だけを使うのではなく、二次仕込の際にさつま芋が投入されるのが特徴です。そのため原料は芋だけではなく、実は米麹も使っています。
芋焼酎は芋らしい独特の香りがあり、クセが強いと言われています。コクのある焼酎なので、飲みごたえがあります。
幻の麦焼酎、百年の孤独。試しに呑んでみる。口当たり、後味、心地良い苦味に包まれるわ。喉越しでウォッカやウィスキーの様な焼ける感覚が新鮮。非常に美味だ。 pic.twitter.com/Zxh6BYevNI
— 霧咲 luciphantom 零邪 (@LuciphantomFPR) March 6, 2017
麦焼酎は大麦をベースに造られます。芋焼酎では米麹を使っていますが、麦焼酎の場合は麹も麦から造られたものを使用することが多いです。ただし銘柄によっては、米麹をベースに二次仕込み段階で麦を投入するものもあります。
なお大麦を用いた蒸留酒にはウイスキーがありますが、ウイスキーとは違い樽による長期熟成は基本的に行いません。そのためウイスキーとも違った味になります。
麦焼酎の特徴は、シンプルであっさりしており、喉越しが良いことです。サワーのベースに使われることも多いです。
米焼酎の産地としてもっとも有名なのは熊本県です。熊本県の人吉・球磨地方がルーツとされており、この地域で造られる米焼酎は「球磨焼酎」という産地呼称が認められたブランドとなります。
ただし米焼酎を作っているのは熊本県だけではありません。米どころである東北地方などでも、米焼酎は良く造られています。先ほども述べたように日本酒の酒造が米焼酎を作っていることも多く、たとえば「八海山」や「獺祭」などの日本酒で有名な銘柄の焼酎もあります。
地方により味わいが少しずつ異なるので、米焼酎に興味がある方はぜひ各地の米焼酎を比べてみてください。
米焼酎造りでは、「麹」が必ず使われます。麹には黄麹・黒麹・白麹といった種類があり、使われる麹の種類によって焼酎の味が大きく異なります。
それぞれの麹の違いは以下の通りです。
日本酒造りで使われる麹であり、黒麹・白麹よりも歴史が古いです。クエン酸を作らないため、出来上がる焼酎は爽快でフルーティーな味わいになります。温度管理や衛生管理が難しいものの、近年は技術の向上により黄麹を取り入れる蔵が増えてきています。
もともと沖縄の泡盛に使われていた麹菌です。黄麹に比べてクエン酸を分泌するのが特徴で、味わいが安定しやすいです。
芳醇な香りとどっしりしたコクが生まれやすく、黒麹からできた焼酎は飲みごたえがあります。
黒麹から変異してできた麹です。黒麹同様にクエン酸を分泌しますが、黒麹に比べ軽快でマイルドな味わいに仕上がります。キレが良く爽やかな焼酎になるため、飲みやすいです。
米焼酎が大きく流行した昭和時代は、白麹を使った焼酎がもっとも人気でした。現在も白麹を使った米焼酎は多数造られています。
米焼酎は原料米の種類や麹の種類のほかに、蒸留方法でも味が変わります。蒸留方法には「常圧蒸留」と「減圧蒸留」の2通りがあり、それぞれ以下のような違いがあります。
常圧蒸留は伝統的な蒸留方法で、原料をもろみにした後、高温で熱し、発酵させて気化させた蒸気をもう一度冷やして液体に戻す方法です。原料の成分がそのまま多く残りやすくなるため、出来上がる焼酎は風味豊かなものになります。
搾った焼酎醪の濾液を蒸留釜で蒸留します。
アルコール度数によって採れる量は変わってきます。
当社では減圧蒸留で蒸留しており、
すっきり飲みやすい焼酎に仕上がります。#花の舞酒造 #焼酎 #米焼酎 pic.twitter.com/fWkPTglZEm— 花の舞酒造株式会社・蔵人【公式】 (@hananomaisyuzo2) August 26, 2018
減圧蒸留は、温度はさほど高くせずに気圧を下げることで蒸留する方法になります。低温蒸留になるので、常圧蒸留で造った焼酎よりも香りが少なくなり、雑味も減ったスッキリとした味わいになります。焼酎独特の匂いが苦手な人にも飲みやすいです。
焼酎は温度帯や割り方など、色々な方法で楽しめるお酒です。ここからは米焼酎のおすすめの飲み方について、いくつか紹介します。
しごおわ!
執筆のおともに、ちょっとだけ聖水(米焼酎の水割り)いいっすか? pic.twitter.com/ehBpFZmv8V
— 和三盆:||?小説書き/創作系フォロバ (@wasanbong) October 18, 2021
焼酎の定番として知られている方法で、その名の通り水で割って飲む方法です。冷たい氷を入れたグラスに注ぐことで、スッキリとした爽快感を楽しめます。その場で水を加える方法のほか、あらかじめ加水して1日程度寝かしておく「前割り」という方法もあります。
あったかいお布団に包まれたシェリー樽米焼酎お湯割り可愛いね pic.twitter.com/O55tfyW9cV
— 名無しのベンジー (@venzie9999) November 11, 2021
米由来の優しい香りが楽しめる米焼酎は、お湯割りとの相性が良いです。温めると、より香りや旨味が引き立つようになります。
今宵は頂き物の高橋酒造さんの白岳で始めます✨芋焼酎派ですがたまに米焼酎も飲みます、久しぶりの米焼酎は芋焼酎に比べるとマイルドで美味しいです☺容器の上についてるのはお猪口という前提で使ってます。冷やしてストレートで飲んでますが、ちょっときついから普通にロックで頂きます☺ pic.twitter.com/cLA0ilxJwA
— 胆嚢ナッシーズ1号 (@wEqDs5H80urdGbF) June 2, 2019
焼酎をストレートで飲むのは珍しく感じるかもしれませんが、特に沖縄の泡盛などはストレートでも飲まれることが多いです。米焼酎はスッキリ目の味わいのため、芋焼酎や麦焼酎に比べてストレートでも飲みやすいです。ストレートなら素材本来の香りや味を薄めずにそのまま堪能ができます。
ストレートだと少し強すぎるという方には、氷の上から注ぐロックもおすすめです。氷が溶けていくにつれて、味が変化していくのを楽しめます。
今日のお酒
地元酒蔵の米焼酎をハイボールで(*≧∀≦*) pic.twitter.com/Hc7Yf8vQZV
— ニョロ@色違い厳選 (@2IwK3r6NqilLQVp) July 10, 2020
近年人気を集めているのが、焼酎に炭酸を入れて割る「焼酎ハイボール」です。炭酸の程よい刺激でさっぱりとするので、強いアルコール感が苦手な方にもぴったりです。
氷を入れたグラスに適量の米焼酎を注いだ後、炭酸を注ぎマドラーでゆっくりかき混ぜて完成です。
米焼酎の特徴や銘柄、飲み方について紹介しました。
米焼酎は芋焼酎などと比べ、スッキリしていて非常に飲みやすいです。近年では日本酒の吟醸酒に近いほどフルーティーな銘柄もあり、若者世代を中心にまた人気を集めています。
銘柄によって味わいが異なるので、ぜひ飲み比べてお気に入りを探してみてください。
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