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ジャパニーズウイスキーの人気が高まるいま、改めて古い時代のウイスキーが見直されています。日本にかつて存在していた「オーシャンウイスキー」という銘柄も、今になってそのレア度に注目が集まっています。
ここでは今はなき“オーシャンウイスキー”の歴史やどのような銘柄であるのかを解説します。買取査定で人気のレアボトルもあるので、ぜひチェックしてみてください。
目次
オーシャンウイスキーは、昭和の時代に販売されていた日本のウイスキーです。老舗のワイン会社として知られる大黒葡萄酒が、戦後にウイスキー事業を始め、そこで誕生した銘柄が「オーシャン」でした。
オーシャンウイスキーは現在は販売されていませんが、確かに昭和のウイスキーブームを牽引した存在であり、当時はサントリーやニッカウヰスキーと並ぶ日本の有名ウイスキーでした。昭和のウイスキーブームの波にのり本格ウイスキーを多く手掛け、高級志向の方に広く好まれていたことでも知られています。
そんなオーシャンウイスキーを知る上で欠かせないのが「軽井沢蒸溜所」のモルト原酒です。もともとオーシャンという名前は戦後すぐから登場していましたが、本格ウイスキーとなってからは軽井沢のモルトが使われるようになり、味わいが本格的なものへと進化しています。
軽井沢蒸溜所では、マッカランと同様の“ゴールデンプロミスの麦芽”を使用。さらに熟成はシェリー樽で行うといったこだわりの蒸溜所で、小規模な蒸溜所ながらも質の高いモルトを作り上げていました。
なお今では軽井沢蒸溜所は廃止となり、オーシャンウイスキーも作られていません。そのためコレクター向けのアイテムというような位置付けで、オールドボトルに人気が集まっています。
1877年 | 大黒葡萄酒の前身となる“大日本山梨葡萄酒会社”が設立される ブドウ栽培・ワイン醸造をスタート |
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1886年 | 大日本山梨葡萄酒会社は解散となるが、一員であった宮崎光太郎氏により“甲斐産葡萄酒醸造場”が開設される 「大黒」というブランドが誕生 |
1892年 | 「大黒天印ブランデー」が製造・販売される |
1919年 | ぶどう酒工場が開設される |
1922年 | M.K印スイートホームウイスキーが製造・販売される また国産シャンペン酒である「オーシャン」が生まれ、オーシャンの名が誕生 |
1934年 | “大黒葡萄酒”(株式会社)に改組 |
1945年 | 終戦、占領軍の駐留が影響し国内でウイスキー需要が増加 |
1946年 | 「オーシャン・ウイスキー」が発売される |
1952年 | 1938年にできた塩尻工場にてモルトウイスキー製造が開始される |
1954年 | 本格ウイスキーである「オーシャン・ウイスキー」が発売される |
1955年 | 軽井沢蒸溜所が建設される |
1961年 | 社名が“オーシャン”へと変更になる ウイスキーのトレードマークも大黒天印から「シップ印」に変わる |
1962年 | メルシャンとともに三楽酒造に買収される 「三楽オーシャン」に社名変更 |
1969年 | 三楽酒造時代からあった川崎工場にてグレーンウイスキー製造が開始される |
1976年 | 国産初のシングルモルトウイスキー「オーシャン軽井沢」が発売される |
1983年 | 日本のウイスキー消費量がピークを迎える (以降、減少になる) |
1985年 | “三楽”に社名変更となる |
1990年 | “メルシャン”に社名変更となる |
2000年 | ウイスキー販売不振を受け軽井沢蒸溜所の生産が停止となる |
2006年 | メルシャンがキリンホールディングスの傘下となる メルシャンのウイスキー事業はキリンビールへ移管される |
2011年 | 軽井沢蒸溜所が閉鎖される |
オーシャンのウイスキーの歴史は上表のようになります。やや複雑ですが、複数回の社名変更や吸収合併などを経ていることがわかります。
本格ウイスキーとして発売されたのは、1954年のことです。そこから国内の高級志向に合わせ、シングルモルトである軽井沢が生まれるなどの進化も遂げていきます。
そんなオーシャンウイスキーですが、残念ながら1983年以降は昭和のウイスキーブームが低迷したことで、徐々に廃れてしまうこととなります。2000年には軽井沢蒸溜所でのモルトウイスキー作りが停止され、やがてキリンホールディングスの傘下となってからは軽井沢蒸溜所が完全に閉鎖されています。
オーシャンウイスキー
ビクトリー優しいオークの甘み
砂糖水
呑み口はとろりとしてるけど
トワイスアップにすると美味しいな
やっぱり昔のジャパニーズは水割りが美味しい pic.twitter.com/I3HDFH6mcE— くらいん (@cleinsan11) February 1, 2024
オーシャンウイスキーは、時代に合わせてブレンデッドモルトやシングルモルトなどさまざまなボトルが作られてきました。そのため一言で味わいを表現することはかなり難しいです。
なぜなら“特級”表記のクオリティが高いものもあれば、そうでないものも存在するためです。また販売されていた時代からかなりの年月が経ってしまっているので、ボトルの状態によっても味の感じ方は変わってきます。
そんなオーシャンウイスキーですが、実際に飲んだ方の口コミを見ると「優しい甘みがある」「シロップのような甘み」と表現されていることが多いです。甘口のウイスキーが好きな方に好まれる味わいであると言えます。
なお昭和の時代には、今の時代とはまた違ったウイスキーブームが訪れていました。昭和のウイスキーブームは“ウイスキーの水割り”が代表的であり、ビールで乾杯した後、ゆっくりと味わうように飲むというのが好まれていました。
オーシャンウイスキーも水割りで贅沢に飲むことが想定された作りだったと考えることができます。当時はウイスキーの高級ボトルを注文したり、キープしたりというのもステータスになっていて、バーやスナックの流行から、やがて家庭でもウイスキーが飲まれるようになっていきました。
なお現存するボトルは数十年前のものであるため、香りが飛んでしまっていることもあるようです。また現代はウイスキー製造の技術が発展しており、「山崎」「白州」といった評価の高い銘柄も多くあるため、これらの高級ウイスキーを想像している方には物足りない味わいと感じてしまうこともあるかもしれません。
しかしウイスキーには賞味期限がなく、古いウイスキーでも飲むことは可能であり、香りが飛んだボトルや味わいが物足りないと感じるボトルもハイボールなどにして楽しむことができます。
「オーシャン」のブランド・銘柄名で発売されていたものには、さまざまなボトルがあります。実際にどんなボトルがあるのか、一部の例を紹介します。
なおここで紹介するボトルは、あくまでもオーシャンウイスキーの一部になります。紹介するボトル以外にも「オーシャンウイスキー」と表記され販売されていたものは多く存在するので、ボトルがあり、価値が気になる方はリンクサスまでご相談ください。
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一般の「グロリアオーシャンウイスキー」はオーシャンウイスキーの中で特級ウイスキーとして発売されていたものです。
シェリー酒樽で熟成されたモルト原酒とグレーン原酒をブレンドした特級ウイスキーが陶器に収められたオーシャンウイスキーの頒布会専用のボトルです。冬季に描かれたオーシャンのトレードマークである帆船のイラストがマニアには評判のいい少量限定の希少商品です。
香りと味わいはシェリー樽で熟成されているため甘い果実の香りが立ち爽やかなイメージです。味わいは甘みだけでなくピートのえぐみやコクが感じられます。
貰い物ウイスキーで凄いの来たよ
グロリアオーシャンのシップボトル
等級表示があるってことは結構古いよね pic.twitter.com/tSndrBJj2U— フィーロやん(Firo (@firotw) July 12, 2014
グロリアオーシャンウイスキーには、船のような形の“シップボトル”も存在していました。飾っているだけで魅力を感じるウイスキーは、希少性が高く、今では非常に高い価値があります。
未開封のボトルは現存する数が少ないとされているので、特に高い価値がつきます。オークションや買取査定でも評価が高くなります。
ヴァンダー・グラーフ・ジェネレーター
オーシャンウイスキー・ステータス
三楽オーシャンはあまり美味くないという記憶しかないけど、これは美味い。
当時はローヤルやキングスランドと同じような価格帯で売られていた。
味はキングスランドより好きかも。 pic.twitter.com/HR5ODGWtxK— ピンククリムゾン (@pinkcrimson50) September 4, 2024
ボトルの形状に特徴があるウイスキーで、昭和の時代はサントリーの「ローヤル」やニッカウイスキーの「キングスランド」といったボトルと同じような高級志向のボトルであったそうです。
オーシャンウイスキーの味わいが得意でない方にも、評価の高いボトルになっています。オールドウイスキーによくある水っぽさを感じにくく、シェリー感も堪能できる贅沢な仕上がりです。
素敵な出会い!
オーシャンウイスキー
1988年中日ドラゴンズ優勝ボトル
を購入する事が出来ました
酒屋さんいつもありがとうございます pic.twitter.com/tpwJ7CcecD— のむあきパパ (@nomuakipapa) October 23, 2023
オーシャンウイスキーが1988年に中日ドラゴンズのセ・リーグ優勝を記念して作ったボトルになります。
ドラゴンズのロゴに、大きく「優勝」と書かれているのが目印です。野球ファンからも注目されるようなボトルで、箱付きであればさらに価値が高まると予想されます。
本日はオーシャンウイスキー ホワイト(2級)のハイボールで✨?? pic.twitter.com/j2sRHb3q7m
— たすた (@tasuta1st) May 9, 2023
古いウイスキーには「特級」「2級」といった区分がありました。こちらのオーシャンウイスキーホワイトは、当時の2級に該当するボトルになります。
特級はアルコール度数43%以上、1級は40%以上43%未満、2級は39%以下とされていました。つまり2級であるこのウイスキーは、アルコール度数がやや控えめになったカジュアルなウイスキーとなります。
このルールは1989年の酒税法改正にて廃止されています。2級は当時からすると高級ウイスキーではないかもしれませんが、今となっては珍しく、コレクター需要があるボトルになります。
残念ながらオーシャンウイスキーはすでに生産停止となってしまいましたが、今でもその系譜をつぐウイスキーは残っています。現在はキリンのウイスキーとして、以下のようなボトルが登場しています。
大容量ペットボトルも発売されるなど、デイリー向けのウイスキーになります。オーシャンの軽井沢蒸溜所はもうありませんが、こちらにはキリンの富士御殿場蒸溜所にて作られた原酒が使われています。
ほのかな甘みや原酒の厚みは、オーシャンウイスキーを思わせる仕上がりです。ロックやハイボールなど、色々な飲み方で味わえるボトルです。
すでに希少なウイスキーとなった「オーシャンウイスキー」。今ではコレクター需要の高さから、かつてよりも高値で買取される傾向にあります。
もし自宅にオーシャンウイスキーの未開封ボトルが眠っているという方は、ぜひリンクサスへご相談ください。
リンクサスのウイスキー買取査定なら、オーシャンウイスキーのようなオールドボトルにも高い価値をつけることができます。当時の値段だけでなく、市場での希少性や人気ぶりも合わせた上での高額査定を行なっています。
なおオーシャンウイスキーの査定額については、ウイスキーの種類や状態によっても大きく変わってきます。状態に不安があるという方も、買取可能な場合がありますのでまずはご連絡くださいませ。
また今はなき軽井沢蒸溜所のウイスキーとしては「シングルモルト軽井沢17年」「ピュアモルト軽井沢12年」といったボトルも高値になります。これらのボトルをお持ちの方も、ぜひリンクサスまでお問い合わせください。
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今は無き軽井沢蒸溜所の名品がオーシャンウイスキーです。オーシャンウイスキーは、かつてはサントリー、ニッカと並ぶ日本の3大ウイスキーでした。
このお酒は、終売で市中にデッドストックされているだけのお酒のため、コレクターだけでなく世界中のウイスキーマニアの中にも探している人が多い商品です。
このようにすでに無くなってしまった蒸溜所のウイスキーは世界中が注目しています。もしお宅の酒庫にお持ちで飲む予定がない場合は是非一度ご相談ください。お客様の思いもしない高額の査定が出るかもしれません。
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