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高級レストランでワインを提供する「ソムリエ」。豊富な知識とハンサムな装いに、憧れを抱いたことがある方も多いのではないでしょうか?しかしソムリエという言葉の響きを知っていても、具体的にどのような仕事をするのか、どのようにしてソムリエになるのかをきちんと把握している方は意外と少ないものです。
そこで今回は、ワインソムリエについて仕事内容や資格の詳細を解説していきます。「ソムリエになるにはどうしたらいいの?」と気になっている方は必見です。
目次
ソムリエバッジが届きました??
大学生の頃から「ソムリエになる?」と言い続け、ようやくスタートライン?1歩ずつ前に進んで、バッジに恥じないよう日々成長していけるように努めてまいります? pic.twitter.com/4FFBndTcCs— ましゅまお?? (@mashu_wine) December 29, 2021
ソムリエは、主にレストランなどでお客さまの要望に応え、ワインを選ぶ手助けをする人のことです。いわゆるワインに特化した専門の給仕人となります。
ワインについて解説しながらワインを注ぐといったイメージが強いかと思いますが、それ以外にもお店に揃えるワインの銘柄をリストアップしたり、コース料理にマリアージュするワインをセレクトしたりと仕事内容は多岐にわたります。ワインが傷まないように適切な状況で責任をもって管理したり、仕入れの手配を行ったりすることもあります。
ソムリエには資格があり、ソムリエを名乗るためには厳しい試験に合格しなければなりません。職業の“ソムリエ”自体は、広い定義ではアルコール飲料を提供する飲食サービス従事者になりますが、それでもやはり本物だと認められるのは資格を所持し、特別なソムリエバッジを胸につけられる人たちだけです。
特に高級レストランの場合、ソムリエの資格を持った人のみに対する求人が出されていることが多いです。ソムリエ資格があれば、レストランのほかバーやホテルなどでも活躍ができます。
ソムリエの年収は、一律ではありません。どのようなレストランで働くかによって、収入は変わってきます。ただし一般的な飲食店スタッフに比べると、ほとんどのケースでソムリエ資格がある方が収入面で有利になるようです。
平均的なソムリエの年収は300〜600万円ほどです。一方で有名なソムリエ・コンクールで入賞したり、メディアなどで知名度を上げた場合は1000万円以上の年収に到達することも不可能ではありません。スキルを磨けば磨くほどキャリアアップも目指せるのが、ソムリエの大きな魅力と言えます。
ソムリエは世界的に存在していますが、“ソムリエ”と呼ばれるための方法は国によって異なります。例えばワイン大国として有名なフランスやイタリアにおいては、ソムリエは国家資格となっています。
しかし日本にはソムリエの国家資格がないため、ソムリエになるには民間団体によるソムリエ資格を取得することになります。
日本でソムリエ資格を与える団体には「日本ソムリエ協会(JSA)」と「全日本ソムリエ連盟(ANSA)」があります。それぞれが独自の団体であり、ソムリエ受験資格や合格するための条件は変わってきます。
一般的にソムリエ資格として人気が高いのは日本ソムリエ協会(JSA)の資格です。なぜならJSAの方がANSAに比べて団体設立の歴史が古く、資格取得者も多いため知名度が高いからです。ソムリエの上位ランクに当たる“シニアソムリエ”を名乗れるのも、JSAの資格となります。
しかしJSAのソムリエ資格は、ワイン関連の職に通算3年以上従事した経験が求められるなど、応募条件が厳しく定められています。そのため条件を満たした方でないと、そもそも資格を受験することすらできません。一方でANSAのソムリエ資格なら年齢条件だけをクリアすればどなたでも応募ができるので、勤務経験が満たない方でもソムリエ資格にチャレンジできます。
それぞれの団体の詳細や詳しい条件については、以下の項目で解説していきます。
2021年度JSA認定ソムリエ資格取得の新米ソムリエです?
ワインの知識を広げたいと思ってアカウント作りました?
お酒好きな方、美味しい食べ物すきな方、繋がってくれたら嬉しいです?♀️#ワイン好き#ワイン好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/semOSs8X1B— さき (@saki_wine1024) January 1, 2022
日本ソムリエ協会は、1969年に発足した一般社団法人です。「J.S.A.」の略称で呼ばれることもある団体で、1986年には国際ソムリエ協会にも加盟しています。
ソムリエ資格のほか、上位ランクである「シニアソムリエ」「マスターソムリエ」といった資格まで用意していて、有資格者になるとそれぞれの資格に合った規定デザインのバッヂを身につけることができるようになります。
なお前述した通り、JSAのソムリエ資格を受験するためには一定期間ワインに関わるような仕事に携わっている必要があります。シニアソムリエなどキャリアアップを目指す場合は、さらにソムリエとして一定期間活躍しておかなければなりません。
なお日本ソムリエ協会は、ソムリエ資格のほか「ワインエキスパート」など経験不問のワイン資格も用意しています。またワインのほか、「SAKE DIPLOMA」という日本酒関連の資格もあります。
JSAのソムリエ資格は、飲食業に関わる職務経験が3年以上必要になります。さらに現役でも従事していないと、受験資格を得ることができません。ただしいわゆる“ソムリエ”をイメージするようなワインをサーブする仕事だけでなく、製造業やコンサル業での関わりも経験として認められるのがポイントです。
ソムリエを目指す多くの方は現場で経験を積みながらソムリエに関する勉強を並行し、時期が訪れてから受験をするといったケースが多いです。ソムリエ資格を得たいなら、まずは何かしらお酒に携わる仕事に挑戦することから始めましょう。
なお酒類に関わる仕事でありテイスティングなども必要であることから、満20歳以上の方しか受験ができないので注意です。
JSAのソムリエ資格試験は、三段階の試験で構成されています。
一次試験はCBT方式と呼ばれるコンピューターを使用した試験であり、産地や栽培・仕入れ・管理方法などワインやお酒に関する非常に幅広い知識を問われます。試験内容は「日本ソムリエ協会教本」というテキストの中から出題されます。一次試験だけでも通過者が5割を切るレベルであり、非常に難易度が高いため対策は必須です。
二次試験はテイスティングの試験で、ブラインドテイスティングにより特徴を解答するというものになります。ワインの銘柄だけでなく、ブドウの品種やヴィンテージについても詳しく問われます。テキストからの知識だけでなく、センスや経験まで必要になってくるのが二次試験のポイントです。
三次試験はサービス実技の試験であり、ワインを抜栓しデキャンタージュ、そこからゲストにサービスするまでの動作を実際に行います。すでに飲食店での経験がある方で、さらに試験日まできちんと対策をしておけば、三次試験そのものは決して難しい試験ではありません。
ソムリエ2次試験落ちた人の抜栓(笑)#このあと美味しくいただきました#下手 pic.twitter.com/gOG00dpuws
— @鶴川米穀酒店 (@ninnjafood) November 21, 2020
なおJSAソムリエ資格の合格率は年度によっても異なりますが、およそ全体の3〜4割程度です。受験者はワインに詳しいと自信を持って挑んだ人ばかりなので、いかにソムリエになるのが難しいかがわかるかと思います。一方で難易度が高いぶん、ワイン専門家としての信頼度は段違いです。
近年ではソムリエを目指す方に向けたスクールや専門学校も多く開校されており、難易度の高いソムリエ試験に向けて対策強化ができます。「ソムリエを目指したいけれど何から勉強すればいいかわからない・・・」という方は、スクールなどを活用するのもおすすめです。
全日本ソムリエ連盟(ANSA)のソムリエ資格に合格しました! pic.twitter.com/rs0EPoJUSW
— 須藤元気 (@genki_sudo) November 21, 2016
全日本ソムリエ連盟はNPO法人料飲専門家団体連合会に属する組織です。ANSAの通称で呼ばれており、設立は1997年と日本ソムリエ協会に比べて歴史は浅めです。
ANSAのソムリエ資格は飲食店などの経験がなくても受験できるため、日本ソムリエ協会(JSA)認定のソムリエ受験資格がない方がANSAのソムリエ資格を受験するといったケースが多いです。
またANSAは資格取得のための講座を用意しているのも特徴です。通信教育やスクールなどを通じ勉強をしてから、試験にチャレンジすることもできます。ワインに関する実体験が少ないという方も、テイスティング力や接客力を磨きやすいのがポイントです。
なおANSAのソムリエ資格に合格した場合は、ソムリエのほか「ワインコーディネーター」を選んで名乗ることもできます。
参考:全日本ソムリエ連盟
ANSAのソムリエ資格は、満20歳以上であれば経験不問で申し込みができます。
なおANSAソムリエになるためには、定められたコースを受講したのち、認定試験に合格する必要があります。そのため自身が選んだコースの申し込み内容に同意することが条件となります。
ANSAでソムリエまたはワインコーディネーターになるためのコースは5種類あります。それぞれ学習環境や期間が異なるので、自身の学びたい内容や希望に合わせて申し込みをするようにしましょう。各コースの内容は以下の通りです。
コース名
|
期間
|
特徴
|
---|---|---|
eラーニングコース | 1.5ヶ月間 |
|
通信コース | 3ヶ月間 |
|
2日間集中コース | 2日間のみ |
|
在宅コース | 自由/1日 |
|
3日間特別コース | 3日間のみ |
|
例えば他業種での仕事が忙しく、なかなかテイスティングを練習する時間が確保できないという方には、実際に会場で受講ができる「2日間集中コース」「3日間特別コース」が適しています。一方でワイン関連の仕事に従事しながら、並行して知識を深めていきたいという方は一定期間自宅でしっかりと学べる「通信コース」「eラーニングコース」などが適しているでしょう。すでに知識や経験にある程度自信がある方は、「在宅コース」を選び自宅で復習したのち、会場ですぐに受験する方法がスムーズです。
なおコースによって受講費用や申し込み可能な期間が異なる点には注意です。ANSAのソムリエ資格を受験してみたいという方は、必ず公式サイトなどで詳細を確認しておくようにしましょう。
ここまで「ソムリエ」という資格に関して説明してきました。しかしワインに関する資格には、ソムリエ以外にもさまざまなものがあります。
あくまでも仕事のためでなく自分でワインを楽しむという目的なら、「ワインエキスパート」や「ワイン検定」といった資格を目指してみるのもありです。
ワインエキスパート合格証、やっと届いた!
ちゃんと受かってた! pic.twitter.com/DCornVVQLC— かぢや (@kadiyask) December 2, 2021
ワインエキスパートは、ソムリエ資格を認定している一般社団法人日本ソムリエ協会(JSA)が1996年より認定している民間資格です。ソムリエがワインの専門家資格であるのに対し、ワインエキスパートはワイン愛好家向けの資格となります。
JSAのソムリエ資格と違いワインに直接関係ない仕事に就いている方でも受験が可能で、愛好家向けの資格の中では最も知名度が高いです。ただし求められるレベルはソムリエ資格の受験と同程度であるため、決して簡単ではありません。ソムリエ試験と使用するテキストが同じ、さらに一次試験・二次試験の内容もほぼ同じものになります。
つまりワインエキスパートは、ソムリエとはバックグラウンドの違いこそあるものの、ソムリエと同程度の格と認められる資格となります。ワイン好きで箔をつけたいという方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
J.S.A.ソムリエ・J.S.A.ワインエキスパート呼称資格認定試験
そういえば今更ですがワイン検定合格してました☺️
次はシルバーがんばろ? pic.twitter.com/Bci7eGAGJy— 水樹たま (@mizukitama) April 7, 2022
ワイン検定はJSAの主催する検定試験です。ワインに興味を持っている方を対象とした、ワインの普及を目的としたものになります。ソムリエやワインエキスパートに比べるとあくまでもベーシックな内容になるため、プロほどの専門知識がない方でも勉強すれば十分に目指すことができます。
なおワイン検定にはブロンズクラス・シルバークラスの2段階があり、それぞれ難易度が変わります。家庭やレストランなどでよりワインを楽しめるよう知識をつけたいという方にピッタリの検定です。
一般社団法人日本ソムリエ協会 ワイン検定
今回は「ソムリエ」という職業や資格にフォーカスを当て、仕事内容や資格取得の方法を解説しました。
ソムリエになるのは決して簡単な道のりではありませんが、もしソムリエ資格に合格し認められることができれば、一生ものの価値があると言えます。ワインの仕事に携わりたい、ソムリエに興味があるという方は、ぜひチェックしてみてください。
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