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中国酒にはとにかく多くのバリエーションがあります。飲んでみたいけれど、種類の違いや飲み方がわからない・・・という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は中国酒にはどのようなものがあるのかを解説していきます。「黄酒」や「白酒」の違い、そのほか紹興酒や茅台酒など人気のお酒の特徴や飲み方について述べているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
醸造酒
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蒸留酒
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中国酒とは中華人民共和国で作られるお酒全般を指します。面積が広く人口も非常に多い中国では、さまざまな種類のお酒が作られています。
日本のお酒は日本酒ならお米が原料、焼酎ならお米や芋、麦が原料といったように種類がはっきりと限られている印象です。しかし中国のお酒はお米や穀物から作られるお酒のほか、漢方薬の入ったお酒やお茶の入ったお酒、醤油を原料に作られるお酒など原材料がとにかく多岐にわたることが特徴に挙げられます。
さまざまな原料が使われ、さまざまな製法で作られる中国のお酒は、味わいも非常に豊かです。日本に流通しているお酒もいくつかあるのでぜひ試してみましょう。
中国のお酒も、大きくジャンル分けすると「醸造酒」と「蒸留酒」に分けることができます。
醸造酒は原料を酵母によってアルコール醗酵させて作るお酒のことで、日本の場合はお米を醗酵させて作る日本酒が代表的です。中国の場合はさまざまな原料のものが作られていますが、やはりお米から作られるお酒は有名であり、麹で糖化して作られるお酒は黄酒(ホアンチュウ)と呼ばれます。
黄酒は中国の中でも主に東部や南部にて製造されています。上海や浙江省、江蘇省、福建省、江西省といったエリアにて製造されています。
一方で蒸留酒は一度醸造して作ったアルコールをさらに蒸留して作るお酒のことを指します。日本の場合は焼酎が有名で、このほかウイスキーやブランデーなども蒸留酒に該当します。
中国の蒸留酒といえば白酒(バイチュウ)が有名であり、北部や西部を中心に作られています。蒸留という工程を経て作られるため、アルコール度が高く刺激たっぷりのものが多いです。
日本の商標法で定める範囲では、商品類の中に「中国酒」というカテゴリーが設定されています。中国酒のカテゴリーの中では、「白酒」「老酒」「高粱酒」「五加皮酒」が具体例として定められています。
なお酒税法の範囲内には中国酒というカテゴリーはなく、例えば黄酒なら醸造酒類の中の“その他の醸造酒”という分類になります。
この通り中国酒はジャンルが多くカテゴリー分けするのが難しいです。一気に全てを覚えるのはなかなか困難なので、まずは「黄酒」や「白酒」など代表的なお酒を覚えておくと良いでしょう。
ここからは中国酒の中でも覚えておきたいお酒を紹介していきます。
黄酒は先ほども述べたようにお米から作られる蒸留酒のことを指します。中国のお米を原料としていて、アルコール度数は14〜18%となっています。アルコール度数を見ると日本酒と同程度となっていますが、酒母になる原料が多岐に渡り、また糖化のために用いる麹の種類が異なるため日本酒とはかなり違った独特の香りと味わいになります。
日本でも有名な黄酒の代表には「紹興酒」があります。このほか黄酒を長期熟成させた「老酒(ラオチュウ)」も有名です。
紹興酒の原料にはもち米のほか、浙江省紹興市にある鑑湖の湧水が使われます。醸造ののち3年以上の貯蔵熟成がなされるのがポイントで、見た目は黄酒というよりももっと濃い色をしています。なお紹興酒の製造には、麦にクモノスカビという特殊なカビを繁殖させた“麦麹”が使われます。そして糖化の過程で、酒薬と呼ばれるものが加えられ醗酵が進められていきます。
紹興酒は熟成年数や作り方で味わいや香りの感じ方が変わってきます。一般的なお酒と同様、熟成年数が長いほど濃厚な印象になり、価値も高まります。長期熟成させたものには“陳年”の名称が付けられ、例えば5年以上の陳年原酒が使用された紹興酒には「陳五年」といった名前が付けられます。中には「陳十五年」といったレアな熟成酒もあります。
A.ストレートが基本ですが、オン・ザ・ロックやホットもおすすめです。
紹興酒本来の味わいを楽しむためには、常温のままストレートで飲むのがおすすめです。グラスに適量を注いで、香りを楽しみながらゆっくり飲むようにしましょう。ただし日本酒と違い、氷を入れるのもおすすめです。ロックにすることで強めの香りが和らぎ飲みやすくなります。
ホットにする場合は、ぬる燗程度で温め過ぎないのがポイントです。体がポカポカするので、冬や温まりたい気分の日におすすめです。
なお紹興酒は、日本では氷砂糖やザラメを入れて飲む場合もあります。ザラメを入れることで甘みが増し、酸味が和らぎ飲みやすくなります。ただし、実はこちらは本場の飲み方ではありません。高級な紹興酒を手に入れた場合は、できるだけザラメなどを入れず、まずはそのままの味わいを堪能してみる方が良いでしょう。
老酒と紹興酒はしばしば混同されますが、紹興酒は浙江省紹興市でしか作られないのに対し、老酒はどこの地域で作られても老酒と呼ばれるという違いがあります。つまり紹興酒は老酒のうちの一つ、といっても良いでしょう。
熟成期間の長い老酒は、味わいに丸みがあり深い香りがするのが特徴です。熟成期間が長ければ長いほど、その深さは増した印象になります。なお中国では“甕(かめ)”の中に入れて熟成させるのが一般的です。
2杯目はドラゴンハイボール?
老酒のハイボール?#ドラゴンハイボール #一人飲み pic.twitter.com/ZYc0aPhct6— Mormor987? (@mormor987) November 30, 2022
A.常温やぬる燗がおすすめ。若者には「ドラゴンハイボール」が流行しています。
老酒はまろやかさを楽しめるお酒なので、できればストレートのまま飲むのが理想です。常温またはぬる燗にして素材の味を堪能してみましょう。
このほか炭酸水で割って飲むのもありです。老酒のソーダ割りはドラゴンハイボールと呼ばれ、中国の若者の間でブームとなっています。ソーダで割ることで爽やかさが増し、食事にも合わせやすくなります。
黄酒が蒸留酒であるのに対し、白酒は蒸留酒となります。白酒はウイスキーやブランデーと並び、世界三大蒸留酒の一つとされています。
白酒はいわゆる日本の焼酎のような存在で、アルコール度数は50%前後と高めです。中国の白酒は日本の蒸留酒よりも度数の高いものが多く、中にはアルコール度数が60%、65%といったものも存在します。蒸留をすることで液体が透明のようになるため、黄酒に対し白酒と呼ばれます。
ちなみに日本にも白酒と呼ばれる文化がありますが、日本の白酒と中国の白酒は異なるので注意しましょう。日本での白酒はひな祭りのお供えとして飲まれるものが有名で、「みりん・焼酎などに蒸したもち米や米こうじを仕込み、1ヶ月程度熟成させたもろみを軽くすりつぶして造った酒」とされています。
中国酒の白酒はトウモロコシやじゃがいも、サツマイモといった穀物を原料に作られます。また中国の華北の穀物として有名な高粱(コウリャン)が使われることもあります。地方によってさまざまなものがあり、方言では白酒ではなく「白乾児(パイカル)」や「高粱酒(コーリャンシュ)」と呼ばれることもあります。
なお伝統的な穀物白酒はもろみを醗酵させる日本の焼酎とは違い、原料を固形のまま醗酵させるという“固形醗酵”の製法がとられているのも特徴に挙げられます。
高級な白酒としては「茅台酒」が有名で国酒にも選ばれています。日本では中国酒というと紹興酒をイメージされる方が多いかもしれませんが、実は中国では紹興酒よりも白酒の方が一般的です。
茅台酒は原酒作りから貯蔵、熟成の過程をじっくりかけて行うのが特徴で、完成するまでに5年以上もの月日がかかります。熟成により香りが高まっていて、非常にリッチな味わいです。
生産に時間がかかる茅台酒はどれも希少であり、入手困難です。そのため日本では、1本に6万円近い価値がつけられています。さらに現行品ではない旧ボトルになると、その価値が一気に跳ね上がります。過去デザインのラベルの茅台酒には、1本に数十万円という値段がつけられているような状況です。
永遠に茅台酒で乾杯し続ける宴。
5時間飲んだけど全然変に酔ってない。
やはり、いい白酒は違いますね。 pic.twitter.com/hsIOtnjGEX— 菊池一弘 / 羊齧協会・ラムバサダー・麻辣グランプリ・四川フェス (@kikuchicn) November 25, 2022
A.小さなグラスでストレートのまま楽しんでみましょう。オン・ザ・ロックもありです。
日本の蒸留酒である焼酎は、水割りやお湯割りなどで飲まれるのが一般的です。しかし中国の蒸留酒は、ストレートのままダイレクトに楽しむのが定番の飲み方とされています。小さなグラスに少量を注ぎ、鼻に抜けるような爽快感を堪能しながら味わってみましょう。
ただし茅台酒のような白酒は、アルコールが高い点に注意です。少量でも刺激が強く、酔いが回ってしまう原因になるので無理は禁物です。あくまでも少量にとどめておき、無理はしないようにしましょう。強いお酒が苦手な方は、氷を浮かべてオン・ザ・ロックのスタイルで楽しむのもおすすめです。
中国酒には、せっかくなので中華料理や中国のおつまみを合わせてみましょう。中華料理店で料理とお酒を同時に頼むのもおすすめです。
ここからは、中国酒に合わせたい定番おつまみをいくつか紹介します。
鶏ささみで棒棒鶏?
まとめ買いした鶏を使いたいので、今週はチキンウィークになりそう?
【タレ】
芝麻醤 濃口醤油 粗精糖 米酢
白葱 大蒜 生姜 胡椒 花椒 胡麻油#おうちごはん #棒棒鶏 #バンバンジー pic.twitter.com/nd1Ts0e1t4— マダガスカる (@md_gskl) October 31, 2022
バンバンジーは日本にも知れ渡っている中華料理の一つです。四川料理であり、ピリリと辛い鶏肉料理になっています。蒸した鶏肉に芝麻醤のソースがかかっているのが本場の味であり、このほか胡瓜やクラゲがトッピングされることもあります。
スパイスの効いた味わいは白酒の味にピッタリです。
醉鸡は酔っ払い鶏??お酒と塩とスパイスで今日の夜漬けたから明日美味しくなります?
食べたい人は電話予約してください、六羽漬けましたから、早い者勝ちです。 pic.twitter.com/RT8qOVVGY0
— 大沪邨(だうつん)老板 (@dahucun20140415) June 25, 2019
酔った鶏と書いて“ズイジー”と読むこのおつまみは、茹でた鶏肉を紹興酒などで味付けした鶏肉料理です。料理そのものにも紹興酒が使われているため、紹興酒との相性が特に抜群です。
浙江省の名物料理の一つで、本場では壺に入った状態で提供されることもあります。
中国酒は人気でありながら、日本への流通量がさほど多くなく、レアなお酒の位置付けになっています。そのため買取市場では高値で売れるものが多いです。「茅台酒」など、存在自体が希少で高額買取になる品もあります。
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中国酒は、日本のお酒と同様に醸造酒・蒸留酒に分けられます。原料や製法が非常に豊富であり、中国の各地でさまざまなお酒が作られています。
中でも「黄酒」の紹興酒や老酒、「白酒」は知名度が高く人気があります。茅台酒のような高級酒もあるので、中国酒が気になるという方はぜひこの機会にチェックしてみてください。
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