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お正月に飲む特別なお酒である「お屠蘇」。なんとなくその文化に触れたことはあっても、正しい意味や由来を知っている人は意外と少ないものです。そこで今回は、お屠蘇とは一体どのようなものなのかを解説していきます。
記事の中ではお屠蘇の作法や作り方も紹介していきます。お屠蘇におすすめの日本酒銘柄もご案内するので、ぜひお正月などに参考にしてみてください。
お屠蘇(とそ)は正月の初めに、一年の無病長寿を願って飲むお酒のことを指しています。いわゆる縁起物のお酒であり、風習の一つでもあります。
お屠蘇の由来にはいくつかの説があり、「蘇」と呼ばれる悪鬼を屠る、邪気を腹い魂を蘇らせるといったような意味があるとされています。地域によって伝わり方や解釈の仕方には若干の違いがありますが、一年の初めに悪いものを屠り、良いものを迎え入れるといった意味は同じです。
現在では日本酒をそのまま「お屠蘇」として飲むことが多いですが、実は正確なお屠蘇は日本酒とは異なるお酒です。正しいお屠蘇は薬草酒の一種であり、屠蘇散と呼ばれる5〜10種類ほどの生薬を、日本酒やみりんに漬け込んで作られます。
お屠蘇に含まれる生薬には、さまざまなものがあります。代表的なものは上記となっています。お屠蘇には健胃の効能があるとされており、風邪にも効果が期待できます。これらが混ぜられたものが「屠蘇散」として販売されていて、市販でも簡単に購入ができます。
お屠蘇の誕生や発祥は、正確にはわかっていません。元々は中国の三国時代に生まれたとされていて、唐より伝わったと言われています。中国の名医である華陀(かだ)が考案し、皇帝に厄除けや長寿のために献上されていたそうです。そのためお屠蘇には、健康に効果が期待できるような生薬が豊富に含まれているのです。
お屠蘇の文化が日本に伝わったのは平安時代の頃で、当時は宮中で行われる元旦の儀式のためのお酒とされていました。そこから徐々に一般に広がり、庶民の正月行事として定着するようになったといいます。
生薬を使ったお屠蘇を作るのは、実は難しいことではありません。自宅でも簡単に作れるので、ぜひ皆さんも試してみてください。
さ、今年もお屠蘇作るよ! pic.twitter.com/LqCgN30JG1
— そうP@アイマスP春香派 (@sou_p_haruka) December 30, 2022
お屠蘇は先ほども紹介した「屠蘇散」と「日本酒」「みりん」さえあれば作ることができます。生薬を全て自分で用意するのはなかなか困難ですが、ブレンド済みの屠蘇散が薬局やスーパーなどで売られているのでぜひチェックしてみましょう。なおお正月前に日本酒やみりんを買うと、屠蘇散をおまけでもらえることもあります。
日本酒は好みの味わいのものでOKです。お正月の特別なお酒なので、いつもよりもちょっとリッチな銘柄を用意してもいいかもしれません。お屠蘇として実際に飲むのはわずか少量なので、できればその後も飲みたくなるようなお酒を選ぶのがおすすめです。
なおみりんは「本みりん」と書かれたものを選ぶようにしてください。みりん調味料と書かれたものには砂糖や塩などが添加されていることが多く、雑味が多いのでお屠蘇作りには向きません。
市販の屠蘇散はティーバッグのような形状で、お酒に漬けることができます。お酒とみりんを同量程度にブレンドし、屠蘇散をしばらく漬けておきましょう。
なおブレンドの割合には明確な決まりはないので、自分好みに調節してしまって構いません。例えば辛口のお酒らしい味が好きなら、みりんの量を減らしお酒の量を増やすのもありです。
お屠蘇の入ったティーバッグを漬けて置く時間は5〜8時間程度です。お屠蘇のパッケージに目安の時間が書かれていることが多いので、参考にしてみましょう。なおそれ以上放置してしまうと、風味が濃くなり過ぎてしまう場合があるので気をつけておきましょう。
お屠蘇には地域差もあります。例えば関東より北のエリアでは、お酒がそのままお屠蘇として飲まれるケースが多いです。そのほか九州地方では、熊本の赤酒や鹿児島の黒酒など地元ならではのお酒がお屠蘇に使われることもあります。
お屠蘇は縁起物なので、作法やマナーがいくつかあります。ここからは酒器や飲むタイミング、作法などお屠蘇を実際に飲むときに知っておきたいことを紹介していきます。
御屠蘇器。#日本の正月 #おとそ pic.twitter.com/TahDfLWDIJ
— komorinookite (@kazu01now) January 1, 2018
お屠蘇は「屠蘇器(とそき)」を使って飲むのが本来の飲み方です。屠蘇器は薬酒を飲むための道具が一式セットになったもののことを指します。
持ち手が長いやかんのような酒器は「銚子」といいます。銚子に入れたお屠蘇を「盃」に注いで飲みます。盃は3枚など複数がセットになっていて、重ねた盃を置く「盃台」や、これら全てを載せる「屠蘇台」も全て屠蘇器に含まれます。
なお屠蘇器は漆器製のもの、金属製のもの、陶磁器でできたものなどがあります。華やかな見た目をしているのが特徴で、お屠蘇のほか結納の際や結婚式でも使うことができます。
ただし普段からお屠蘇という文化に触れていない方は、専用の屠蘇器を持っていないかもしれません。その場合は手持ちの中で上質な酒器など、できるだけ雰囲気に合ったものを選んでみてください。
お屠蘇は元旦に飲むのが一般的です。元旦の午前中、お節料理やお雑煮を食べる前にお屠蘇を飲むようにしましょう。
お屠蘇は飲む順番も決まっていて、年少者から年長者へと順に飲んでいきます。ただし厄年の人は、最後に飲むことになっています。これには年少者から年長者に活発な正気を渡すという意味合いがあるそうです。そして飲む際は、家族全員が東の方角を向くようにしましょう。
なお本来の作法では、三段重ねの盃で1杯ずつ、合計3回飲むのが正式とされています。「一人これ飲めば一家苦しみなく、一家これ飲めば一里病なし」と唱えながら飲みます。
ただしこのあたりは地方や家庭によって違いがあります。身近な人に教わりながら、作法を覚えていきましょう。
お屠蘇には基本的にアルコールが含まれています。そのため未成年は飲むことができません。また妊娠中や授乳中の方、そして車を運転する予定がある方も飲まないようにしましょう。
お屠蘇は“飲んだふり”をするのでもOKです。事情があり飲めない方は、飲んだふりだけして雰囲気を味わいましょう。
ここからはお屠蘇用やお屠蘇がわりにおすすめのお酒や日本酒を紹介していきます。メーカーによってはお屠蘇向けとして専用商品をリリースしているところもあるので必見です。
あけましておめでとうございます。
元旦はやはり奈良市民としましては春鹿の屠蘇酒一択でございます。
今年は渾身の作との事。うまし!
今年も楽しくお酒が飲めますように。#奈良 #日本酒 #春鹿 #屠蘇酒 #nara #sake #harushika pic.twitter.com/Kksklwd0vL— tihome (@tihome2) January 1, 2023
奈良県奈良市にある今西清兵衛商店の“春鹿”ブランドよりリリースされている屠蘇酒です。酒に本みりん、山椒果皮、みかん皮、桔梗根、浜防風、桂皮などを加えられて作られたお酒で、酒税法上ではリキュールとして売られています。これなら自宅でわざわざ屠蘇酒を作らずともそのまま飲むことが可能です。冷やすとさらに飲みやすくなるのでおすすめです。
縁起物であるお屠蘇には、縁起の良い日本酒を選ぶのもおすすめです。そこでぴったりなのが、新潟県・朝日酒造の人気ブランド久保田のお酒です。「久保田 萬寿」は高い品質を誇る純米大吟醸酒で、お正月のお酒に相応しい1本です。
華やかな香りとコクのある味わいで、旨味や酸味のバランスも良好です。お節料理やハレの日の料理とも相性バッチリです。
赤酒は熊本県で伝統的にお屠蘇として親しまれるお酒です。こちらには米、米麹のほか各種エキスが含まれていて、慶事から料理にまで幅広く活用ができます。
一升瓶タイプのほか4号瓶や300ml瓶なども売られているので、用途に合わせて選ぶことができます。
黒龍は福井県のお酒で、北陸を代表とするブランドです。そんな黒龍が手がける「黒龍 しずく」は、大吟醸のお酒でラインナップの中でもかなり高級品に該当します。
35%精米の山田錦を使った高級酒で、香り豊かで透き通るような味わいが特徴です。生産本数の限られた特別なお酒で、ハレの日を祝うのにぴったりです。
初日正宗は、初日の出をモチーフにしたという縁起のよい日本酒銘柄です。ラベルデザインも初日の出になっており、まさにお正月の1本に相応しいです。新潟県のお酒であり、酒米には新潟県の越淡麗が使われています。淡麗ですっきりとした飲み飽きしないお酒は、お節料理やお雑煮などと合わせるのにもおすすめです。
「福祝」という見るからに縁起のよいネーミングのこのお酒は、千葉にある藤平酒造で作られています。そんな福祝の中で定番の1本とされるのが、山田錦50 純米吟醸です。
切れ味の良いお酒で、万人ウケしやすいのが印象的です。お屠蘇のタイミングはもちろん、デイリー酒としてもおすすめしやすい1本です。
十四代は、とにかく希少なことで知られるプレミア日本酒です。そんな十四代の秘蔵酒は、純米大吟醸ランクのお酒で低温貯蔵されてから出荷されています。定価は5,500円ですが入手は非常に難しく、何万円というプレ値が付けられているような状況です。
ここまでレアなお酒となると、なかなか飲むタイミングに悩むかもしれません。せっかくならお正月の特別なお酒として開けるのもありかもしれません。
京都の人気酒「月桂冠」よりリリースされている高級酒です。袋絞りという圧力をかけずに日本酒を絞る方法を採用することで、ふくよかな甘みを再現しています。山田錦を35%までよく磨くことで、雑味のないフルーティーな味わいに仕上がっています。冷やして飲むと非常に美味しく、お正月のお祝いシーンにぴったりです。
開運は静岡の日本酒銘柄です。開運 祝酒はそんな開運ブランドの定番酒で、お祝いシーンや贈答品にもよく選ばれています。おめでたい名前だけでなく、さっぱりとした辛口のお酒で非常に飲みやすいのが特徴です。冷やしてもお燗でも飲める、飲み飽きしない味わいです。
家族と近くの親戚と晩ご飯♪
今日はいいお酒で乾杯!!!
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 遠心分離 元旦届け(おりがらみ)
正式名称長い(笑)
とりあえず美味しい〜♪
最高!!!!! pic.twitter.com/QK2VdaN03f— SOBUKI (@sobuki) January 1, 2020
もはや知らない方はいないほど、有名日本酒として人気を集める獺祭シリーズ。そんな獺祭の元旦特別用のお酒になります。火入れをしないフレッシュな生酒で、獺祭のフルーティーさの中に荒く力強いニュアンスも感じ取ることができます。元旦に飲み頃を合わせた生のお酒で、見た目もお正月用にゴージャスになっています。
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今回はお屠蘇の詳しい内容や作り方、そしてお屠蘇におすすめのお酒を紹介しました。お屠蘇は本来は生薬の入ったお酒のことであり、作り方や飲み方、タイミングなどにも作法があります。
お屠蘇をお正月に飲むことで、一年の無病長寿を願うことができるでしょう。縁起物なので、ぜひ皆さんも機会があれば取り入れてみてはいかがでしょうか。
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