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おしゃれなお酒というイメージが強い「シェリー酒」。名前を聞いたことがあっても、実際にはどのようなお酒なのかを理解している人は少ないかもしれません。実はシェリー酒はワインの一種であり、世界各地で愛されているお酒でもあるんです。
今回はそんなシェリー酒について解説していきます。有名なシェリー酒の銘柄や飲み方についても触れていくので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
シェリー酒は、いわゆる酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)に分類されるアルコールです。ワインの一種であり、ワインを作る過程でアルコールが添加されているのが特徴です。製造工程でアルコールが加えられるため度数が15〜22%ほどと高く、強めの刺激があります。しかしアルコールが高くともスピリッツのような蒸留酒ではなく、いわゆる白ワインの一つとなります。
なおシェリーはスペイン・アンダルシア地方周辺のみで作られます。原産地呼称制度に基づいたワインで、その品質は確かなものです。ポート・マディラと並んで世界三大酒精強化ワインと言われており、全世界にファンが存在しています。ちなみに本場スペインではシェリーと呼ばれて追わず、ヘレスと呼ばれています。
シェリー酒はヘレス・デ・ラ・フロンテラ、サンルカール・デ・バラメーダ、エル・プエルト・デ・サンタ・マリアという3つの街を中心とした限られたエリアで作られます。この3つの街を繋いだエリアは“シェリー・トライアングル”と呼ばれます。
この辺りは日照時間が長いのが特徴で、雨が少なく乾燥した気候です。しかし「アルバリサ」と呼ばれる保水力に優れた土壌があり、良質なブドウが育つことで知られています。
シェリー酒のペドロ・ヒメネスは同名の葡萄品種を干し葡萄にして仕込みます。 pic.twitter.com/wDHqODPkFS
— 中瀬航也 (@diogenes_cask) October 11, 2015
シェリー酒の原料となるブドウには「パロミノ」「ペドロ・ヒメネス」「モスカテル」といった品種があります。特にパロミノは栽培量が多く、作られるシェリーの大半を占めています。パロミノは皮が薄めの穏やかな品質のブドウであり、ニュートラルな味わいを生み出すことができます。
一方でペドロ・ヒメネスやモスカテルのブドウから作られるシェリーは、甘口に仕上がります。シェリー酒は基本的にブドウ品種を混ぜずに単一ワインとして仕上げるのも特徴で、品種による味の違いを大きく感じることができます。
シェリー酒の特徴として、「ソレラ・システム」と呼ばれる方法で熟成を行っていることが挙げられます。ソレラ・システムはつぎ足し作業を行いながらワインを熟成させていく方法のことです。古いワインの樽から若いワインの樽を重ね、下からボトリングしていき、無くなった分を若いワイン樽からつぎ足すという手法です。これにより若いワインにも熟成ワインの香りや味わいがつきやすくなります。
またソレラシステムは、ワインの劣化を防ぎ、ワインに独特の風味を与える役割を果たす“フロール”という産膜酵母を活性化する役割を果たしています。ソレラシステムを採用して作られるシェリーは、毎年安定した酒質になりやすいです。
シェリー酒には辛口タイプから甘口タイプまでさまざまなものがあります。シェリー酒を見極めるためには、どのようなタイプがあるのかを知っておくと良いでしょう。
シェリー酒はブドウ品種や熟成方法などにより、以下のような種類に分けられています。
種類
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特徴
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フィノ |
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マンサニーリャ |
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アモンティリャド |
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オロロソ |
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パロ・コルタド |
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シェリー酒の中でも近年人気が高いのが辛口タイプのシェリーです。辛口のシェリーは食前酒だけでなく、食事にも合わせやすいため万能な味です。パロミノ種から作られますが、製法で種類が大きく変わります。
ポイントは酵母とともに熟成されるか、酸化熟成されるかです。中には酵母と共に熟成されたのち、さらに酸化熟成されるようなシェリーもあります。酵母を使うとパンのようなニュアンスになり、酸化熟成の場合だと香ばしい香りになりやすいです。両方の熟成を経て作られるシェリーは、複雑な香りを持つようになります。それぞれの製法でアルコール度数も違ってくるので、ぜひ比べてみましょう。
種類
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特徴
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ドライ |
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ミデュアム |
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クリーム |
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中口タイプのシェリーは、辛口シェリーをベースに甘さを加えられて作られます。酵母で作られたシェリーがベースになるのか、それとも酸化熟成されたシェリーがベースになるのかで味わいが分かれていきます。
中口といっても甘さには差があり、ドライは辛口に近く、クリームは甘口に近いほどの糖があります。ベースになるシェリーの熟成方法の違いで、香りにも違いが生まれています。
種類
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特徴
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モステカル |
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ペドロ・ヒメネス |
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甘口タイプのシェリーはパロミノ種ではなくモステカル種もしくはペドロヒメネス種から作られるのが特徴です。ブドウはそのまま使うのではなく、干しぶどう状にしてから使われるのがポイントです。
とろみのある甘口になり、辛口シェリーとはガラッと違ったデザートのようなニュアンスを感じられます。
スマートな辛口のフィノタイプのシェリー酒です。クセが少なく飲みやすいため初心者にもおすすめです。様々なレストランで食前酒として採用されており、どのような料理にも合わせやすい味わいをしています。
日本でもキリンが正規輸入元となり販売を行っています。入手のしやすいお馴染みシェリー酒でもあります。
ナッツのような香ばしさを感じられる、中口・ドライタイプのシェリーです。ふくよかな甘みと酸味が調和されていて、飲みごたえもあります。
低価格のシェリー酒なので、コスパに優れた1本をお探しの方にもおすすめです。
ペドロヒメネス種を100%使用した極甘口のシェリー酒です。レーズンやドライイチジクのようなニュアンスを感じられる華やかな香りで、口当たりはとろみがありなめらかです。
シェリー酒として単体で楽しむほか、アイスクリームやコーヒーに加えデザート感覚で楽しむのもおすすめです。
平均熟成年数15年のリッチな辛口シェリーです。酵母熟成ののちに酸化熟成されたパロ・コルタドのシェリー酒で、複雑な旨みを持ち合わせています。繊細だが印象的なオレンジピールのニュアンスもあり、ブランデーの香りもしっかりと感じられます。食前から食後まで、いつでも楽しみたいタイプのシェリー酒です。
エミリオ・ルスタウはシェリーの名門生産者です。インターナショナル・ワイン・チャレンジで何度も受賞経験がある実力派で、多くのシェリー酒を手掛けています。
そんなエミリオ・ルスタウのペドロヒメネスは、飲むレーズンと呼ばれるほどの濃厚な甘口で特別感に溢れています。デザートシェリーをお探しの方にふさわしい1本です。
港町で作られるシェリーで、ソフトな口当たりとほのかに感じる塩気がポイントです。魚介類との相性が特に良く、マリアージュを楽しむことができます。
フレッシュなリンゴのような香りもあり、すっきりとした辛口の仕上がりです。
フィノをさらに熟成させて作られるアモンティリャドのシェリー酒です。複雑味・豊かさに優れた味わいでリッチな印象を受けます。ナッツを思わせる香ばしさは、肉料理などの力強い味わいにも負けません。しっかりとした味わいの辛口シェリー酒をお求めの方におすすめです。
シェリー酒はさまざまな飲み方で楽しむことができます。ここからはシェリーの飲み方や飲むタイミング、そしておすすめのおつまみについて述べていきます。
シェリー酒はワインなので、基本的にはストレートで飲んでみるのがおすすめです。ただし一般的なワインよりもアルコール度が高く香りも高いので、ゆっくりと飲み進めるのが良いでしょう。
温度も重要で、辛口なら10〜12℃、中口なら7〜10℃、甘口なら5〜6℃前後に冷やして飲むと良いでしょう。白ワイン用のグラスに注ぎ、漂う香りを堪能しながら味わってみましょう。
シェリー酒はワインでありながら、リキュールのように使うこともできるというお酒です。特にライトな飲み口であるフィノのシェリーは、様々なカクテルのベースに使うことができます。
複雑なカクテルだけでなく、例えばオレンジジュースを混ぜてみたり、トニックウォーターを加えるだけでも美味しいカクテルに仕上がります。カクテルがお好きな方はぜひ試してみてください。
シェリー酒はもしかすると食前酒のイメージが強いかもしれません。しかし実は食前以外のタイミングでも飲むことができます。なお、おすすめのタイミングもシェリーの味わいによって変わります。飲みたいシーンに合わせてシェリー酒の種類を選んでみるのも良いかもしれません。
基本的に辛口酒は食前酒〜食中酒に向いています。例えばライトな辛口のフィノは生ハムとの相性が良いので、前菜とともに味わうことができます。肉料理なら複雑なアモンティリャド、魚料理なら塩気のあるマンサニーニャなどがおすすめできます。
一方で甘口のシェリーは食後酒・デザートに向いています。チョコやナッツをおつまみにして飲んだり、バニラアイスに直接かけて楽しんだりと工夫もできます。
シェリー酒に合うおつまみは味わいでも変わりますが、どんなシェリーにも比較的合わせやすいのが生ハムです。またナッツや熟成チーズ、フォアグラ・レバーパテなども相性がよく合わせやすいです。
基本的にはライトな酒質のものにはライトなおつまみを、ボディ感強めのシェリーには味わいの濃いものを合わせるのが良いでしょう。
またシェリー酒自体でフランベした料理なども、シェリーに合わせるのにはもってこいです。
シェリー酒は世界中で愛されている酒精強化ワインで、食中酒から食後酒まで様々な場面で飲まれています。ファンが多く、レストランなどでも採用されています。
そのため未開封で余ってしまったシェリー酒も、お酒買取査定に出せば価値がつくことが多くあります。シェリー酒の中には1本数千円という値段がつくボトルも存在するので、もし飲まないのであればぜひ買取査定を利用してみましょう。
シェリー酒の買取査定でお悩みなら、ぜひ一度「お酒買取専門店リンクサス」にご相談ください。リンクサスはあらゆるお酒に精通した買取専門店で、シェリー酒を含めワインなどの買取を得意としています。店頭買取だけでなく出張買取や宅配買取りにも対応しているので、売りたいお酒がある方はぜひ一度ご連絡ください。
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今回はシェリー酒について解説しました。
シェリー酒には辛口から甘口まで様々なタイプがあり、味わいによって楽しめるシーンも異なります。ぜひ飲み比べながら、お気に入りの1本を探してみてはいかがでしょうか。
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