近年の日本ワイン人気を牽引している産地といえば、山梨県。日本ワインを代表する甲州ブドウの生産量、ワイン生産量日本一を誇るワイン県です。
そんな山梨県で造られる「山梨ワイン」を、より深く知りたいといった方も多いことでしょう。
ここでは、山梨ワインの魅力を徹底解説していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
目次
山梨ワインの基本情報について下記にまとめました。
それぞれ解説していきましょう。
山梨ワインとは、山梨県で造られているワインのことです。山梨県は日本を代表するワイン産地のひとつであり、現在ワイナリー数も90近くあるといった日本きっての一大産地としても知られています。
その数は日本全体にあるワイナリーの3分の1を占めているともいわれており、今もなお新規ワイナリーが増加している状況です。
さて、そんな山梨県で造られるワインですが、その全てが「山梨ワイン」を名乗れるわけではありません。
まず「GI」と呼ばれる地理的表示「山梨」への認定、さらに国税庁で定められている「山梨」の産地名をラベル記載するためには、厳しい基準をクリアしなければなりません。
あくまで山梨県で造られているワイン全体が山梨ワインですが、その中でも審査を通過した安心・安全なワインとルールに縛られない自由なワインの二種類があることを覚えておくとよいでしょう。
山梨は古くからブドウ栽培が盛んな地域として知られています。江戸時代中期には甲州ブドウがすでに江戸城に献上されていたともいわれるなど、ブドウと切っても切れない関係性であることがわかるでしょう。
そんな山梨県のワイン造りは、明治の始めである1870年頃から始まったといわれています。甲府市の山田宥教(ひろのり)と詫間憲久(のりひさ)が共同してワインを造り始め、その数量もかなりの数だったようです。
その後、「大日本山梨葡萄会社」が設立されたり土屋竜憲・高野正誠両氏がフランスへの派遣、数多くのワイナリーの誕生など山梨県のワイン産業の底上げが始まります。
一方、大日本山梨葡萄酒会社が廃止されたり、戦争による製造量の激減など、山梨ワインは厳しい状況に立たされます。
しかし、山梨県「醸造研究所」の開設により品質の向上が図られるほか、万博などの影響で食生活の欧米化からワイン消費量が増加。
その後、甲州ワインの品質向上などが図られ、日本ワインブームが訪れ現在の姿へと変貌していったのです。
山梨ワインの特徴は、主に甲州ブドウとマスカット・ベーリーA、デラウェアなど日本の固有品種からワインが造られているところです。
もちろん、ピノ・ノワールやシャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなど国際品種も数多く栽培・ワイン製造されているなど、その多様性が特徴のひとつといえるでしょう。また、山梨県は高い山々に囲まれた山間地があるほか、海洋の影響が少ないことから梅雨や台風の影響を受けにくいといった利点があります。
1日の気温差が大きい盆地、さらに花こう岩及び安山岩の崩壊土といった排水性の高さもワイン用ブドウの栽培に適しているでしょう。
山梨ワインは、主にこれら産地で製造されています。
そのほか、富士河口湖エリアでもワイン造りがおこなれているなど、県内全域でブドウ造りが行われているところも特徴です。
とくに有名な産地が勝沼町一帯であり、山梨県に位置するワイナリーのほとんどがこの地域に集結しています。
100年以上続く老舗ワイナリーもあれば、ワイン造り未経験の人たちが始める新進気鋭のワイナリーがあるなど、ひとつの産地で伝統と革新を楽しめるといった希有なブドウ産地でもあるのです。
山梨ワインの主要品種は、主にこの二つです。
それぞれ解説していきたいと思います。
甲州は、山梨県を代表する白ブドウ品種です。行基説と雨宮勘解由説といった伝説が二つ存在しますが、DNA鑑定の結果、カスピ海生まれのブドウが人類の東西交易とともにシルクロード経由で日本に上陸し、独自の進化を遂げていったといわれています。
甲州ブドウは甲州市のみならず、甲府市、笛吹市、南アルプス市と韮崎市、山梨市など幅広いエリアで栽培されており、その個性もそれぞれです。
基本的には生食用ですが、近年ワイン用として品質が高まってきており、世界的にも評価を得るワインを生み出すようになりました。
OIVに登録されて以降、海外でも販売されるなど、まさに日本を代表するブドウ品種として今もなお君臨し続けています。
マスカット・ベーリーAは、山梨県を中心に栽培されている黒ブドウです。1927年に岩の原葡萄園の川上善兵衛氏の交配によって生まれたもので、ベーリーとマスカット・ハンブルグが親とされています。
一般的なマスカット・ベーリーAのワインは、ストロベリーやチェリーなどの赤い果実の香りと、キャンディーや綿菓子など甘やかな香りが特徴です。
また、根菜、シダ植物のニュアンスも特徴でしょう。タンニンはとても穏やかで、醸造法によってはほとんど渋みを感じないレベルのものもあります。
ライトでカジュアルなワインばかりを造る品種と思われていましたが、近年栽培技術やさまざまな醸造法が見直され、フルボディタイプ、長期熟成タイプ、ヴァン・ナチュールタイプなど、多種多様なスタイルのワインを生み出すようになっています。
甲州と同様に、そのスタイルの幅広さがマスカット・ベーリーAの魅力です。
山梨ワイナリーズフェア開催中@小石川テラス、20 社が参加。今回は地理的表示「山梨」(GI Yamanashi)がテーマ、ラベルを拡大していただくとGI Yamanashiの記載がわかります。地理的表示とは原産地の特徴と結びついた特有の品質や高い評価を備えている産品について、その原産地を特定した表示のこと pic.twitter.com/9KqLrS1cN3
— 青木 冨美子/ Fumiko AOKI (@vin_fumiko) December 8, 2017
山梨県では、ワインの地理的表示「GI Yamanashi」を取り入れています。地理的表示制度とは、ワインの出自を明確にするものであり、その基準を満たしたものだけがその産地名を独占的に名乗ることができる制度です。
例えば、フランスのAOCがそれに当たります。一例として、「ブルゴーニュ」の名を使うことは、ブルゴーニュ産ワイン以外の産地では認められていません。さらに、同じブルゴーニュであっても、その基準に満たないワインはブルゴーニュの名でワインを販売することができないといった仕組みになっています。
「GI Yamanashi」の基準を満たしたワインは、「GI Yamanashi」を名乗ることができるためワインをブランド化できるほか、消費者も安心してワインを選ぶことができるといった構造なのです。
GI Yamanashiの基準について簡単に下記にまとめました。
内容は非常に細かく規定されているものの、主にこれら基準をクリアしたワインのみがGI Yamanashiを名乗ることができるとされています。
もちろん、GI Yamanashiを名乗っていないからといって紛いものの山梨ワインというわけではありません。
あくまで、山梨らしいワインの基準を満たしているワインといった意味であり、ワイン選びの一助としてこの認定を活用してみるとよいでしょう。
山梨ワインの楽しみ方を下記にまとめました。
それぞれ解説していきましょう。
上記でもお伝えしましたが、山梨県は古い歴史を持つワイン産地です。他県もワイン造りは古くからおこなわれていますが、県をあげてワインを産業としていた場所はほかにありません。
また、日本ワインの歴史は山梨県から始まったといっても過言ではなく、山梨ワインを知ることが日本ワインを知るきっかけにもなるはずです。
山梨ワインを楽しむ際、海外産に比べて味がこうだとか美味しいか否か、日本ワインのひとつとして飲むだけではその真価を味わうことはできません。
山梨ワインの歴史を知ることで、山梨のワインがどういった進化を遂げてきたのか理解できるのではないでしょうか。
今日の #青峰園 🍇
10月5日は、第66回甲州市かつぬまぶどう🍇まつり🎊✨🤹に青峰園も出店しました🎉
長崎知事も来てくださいました😉そして、 甲州青年会議所 主催の
『ぶどうの皮飛ばし世界大会』
案内役の『グレーっぷ伯爵3世』は、息子でした😲😨😱しっかり真面目にやりなさい👓🎩💬 pic.twitter.com/jobiKsbk77— 古墳のある青峰園 (@seihouen_stshun) October 5, 2019
山梨ワインを楽しむ際、ワインショップや通販で1本ずつ購入するといった楽しみ方もあるでしょう。しかし、山梨ワインは数多くのイベントを開催しているため、そこでさまざまなワインに触れるのも楽しみ方のひとつです。
山梨ワインの主なイベントを下記にまとめました。
基本的には現地で開催されているイベントですが、山梨ワインは東京都内などでも積極的に大規模なワインイベントを開催しています。
それらに積極的に参加することで、一挙に数多くのワイナリーのワインを楽しむことができるでしょう。
ワイン王国の山梨には…ワイナリー併設のお宿がいくつも…ぶどう畑やワイナリーの見学…ティスティングができるアクティビティもあり…昼から夜までワインづくしの休日…最&高…… pic.twitter.com/S6A8jIUb2Z
— 【公式・紫ワイン】ShizukuJapan㍿ (@Shizuku__Japan) January 15, 2021
山梨ワイン最大の強みは、日本国内の産地であるといったところです。また、東京など首都圏からも気軽にアクセスできる位置にあることから、週末などに気軽にワイナリーへ立ち寄ることができます。
山梨県には90近くのワイナリーがありますが、勝沼周辺のワイナリーはワイナリーツアーに力を入れており、さまざまな施設を見学することができます。
ブドウ畑はもちろん、醸造施設、貯蔵庫などの見学も可能であり、そこで造られている特別ワインの試飲なども可能です。
また、醸造の時期になるとブドウを潰す体験ができたり、併設のレストランで特別なセミナーなどを受けることも可能になります。
海外のワイナリーを訪れることが難しいといった方でも、山梨のワイナリーであれば手軽に楽しむことができるのではないでしょうか。
山梨ワインは、ぜひ食事とのペアリングで楽しんでほしいと考えます。山梨県のワインは全体的に海外産のそれよりも繊細であり、香りやパンチも強くありません。
しかし、その分奥ゆかしい複雑性があったり、ワイン初心者でも飲みやすいなどメリットが存在しています。
山梨ワインはその味わいの繊細さから和食との相性がよく、お寿司や刺身、お吸い物、魚の焼き物などと合わせても喧嘩することがありません。
また、山梨県の郷土料理である「ほうとう」と合わせることもできますし、その守備範囲の広さは日本酒以上と考えてもよいでしょう。
もちろん、フレンチやイタリアンとの相性は間違いありませんし、多種多様なペアリングを楽しむのに最適なワインといえます。
山梨ワインを手に入れたあかつきには、ぜひ料理とのペアリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ここからは、おすすめの山梨ワインを紹介していきます。山梨ワインと一口にいってもその数は膨大であり、どれを選べばよいか悩んでしまう方も多いでしょう。
ここでは、ワイン初心者でも楽しむことができる山梨ワインを揃えてみました。
ぜひ、気になる1本がある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
シャトー・メルシャン | マスカット・ベーリーA | 2017 | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
シャトー勝沼 | 甲州 | NV | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
マンズワイン | マスカット ベーリーA | NV | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
蒼龍葡萄酒 | 国産ブドウと輸入ブドウ果汁 | NV | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
キスヴィンワイナリー | ピノ・ノワール | 2019 | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
シャトー・マルス | 甲州 | 2018 | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
くらむぼんワイン | マスカット・ベーリーA | NV | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
盛田甲州ワイナリー | マスカット・ベーリーA | NV | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
サドヤワイナリー | ソーヴィニヨンブラン主体 | NV | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
原茂ワイン | 甲州 | NV | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
ルミエール | マスカット・ベーリーA | NV | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
グランポレール | 甲州 | NV | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
三養醸造 | メルロ、ピノ・ノワール | NV | 山梨県 |
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
駒園ヴィンヤード | シラー | NV | 山梨県 |
穏やかで優しくて過剰なところがなくて、でも主張はしっかりしてる。ゆっくりゆっくり飲みたい。日本固有のぶどう品種、ますかっとべーりーAはこんなに美味しい pic.twitter.com/htkHwMf18e
— けんちゃんは摂酒したい (@kf_liquor) January 7, 2022
マスカット・ベーリーAにこだわる人気のワイナリー、ダイヤモンド酒造。高地の保坂地区で収穫されたマスカット・ベーリーAのみを使用し、24ヶ月熟成させた贅沢な1本。
「ブルゴーニュ帰りの男」と称される醸造家が手塩にかけて製造した、魅力溢れる1本を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ブランド | ブドウ品種 | ヴィンテージ | 生産地 |
ダイヤモンド酒造 | マスカット・ベーリーA | 2016 | 山梨県 |
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