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アメリカンウイスキーとは、その名の通りアメリカにて造られるウイスキーのことです。スコッチやアイリッシュに比べると歴史は浅いものの、「世界5大ウイスキー」の一つに数えられるなど知名度は高く、日本への流通量も多いです。
自由の国アメリカで造られるというだけあり、アメリカンウイスキーは種類が豊富です。「バーボン」を筆頭に、さまざまな味わいのウイスキーが製造されています。
今回はそんな“アメリカンウイスキー”について、種類や味の特徴を解説していきます。
目次
アメリカンウイスキーが誕生したのは、17世紀ごろのことです。アメリカという国自体が新しい国であるため、スコットランドの“スコッチ”やアイルランドの“アイリッシュウイスキー”に比べて、アメリカンウイスキーの歴史はまだ浅いです。
17世紀の頃はまだアメリカという国が誕生しておらず、“新大陸”と呼ばれていました。ちょうどイギリスからの植民地化が進み始めた頃であり、国の誕生とともにウイスキー造りも発展していきました。
移民たちははじめ、現地で獲れる果物を使いブランデーやラム酒を造っていましたが、1622年に移民であるジョージ・ソープ氏がはじめてアメリカ産のトウモロコシを使い蒸留酒を造りました。このことがアメリカンウイスキーの誕生のきっかけとなったと言われています。
ただしアメリカンウイスキーは、初めから美味しかったわけではありません。当時のウイスキーは熟成をしておらず、口当たりが悪く喉が焼けるような辛さでした。少しでも味を誤魔化すために、ハーブや香料が大量に混ぜられていました。
そんなアメリカンウイスキーが美味しくなったのは、18世紀のことです。この頃になると、スコットランドからの移民がアメリカに移りはじめ、本場のウイスキーの蒸留技術がアメリカに伝えられました。つまりアメリカのウイスキーの成長は、スコットランドの技術を元にして生まれたのです。そして1776年にアメリカが独立してからは、著名な実業家たちが本格的にウイスキー造りに取り組んでいきました。
その後も“南北戦争”や“禁酒法”、“世界大戦”などさまざまな苦難がありました。しかし苦難の中でも、ウイスキー造りの技術は失われることがありませんでした。時代の流れに合わせながら、その時々に合わせて進化していき、アメリカンウイスキーは現代のレベルまで成長していきました。
そんなアメリカンウイスキーの大きな特徴として、「トウモロコシなどの穀物を原料にしたものが多い」そして「バリエーションが非常に多い」という点が挙げられます。アメリカの寒暖差の激しい気候を乗り越えてできたウイスキーは、スコッチやアイリッシュとはまた違った独特のものに仕上がっています。
先ほど述べたように、アメリカンウイスキーにはさまざまなウイスキーがあります。「バーボンウイスキー」を中心に、それぞれどのような特徴があるのかを解説していきます。
アメリカンウイスキーでもっとも有名なのが「バーボン」です。ケンタッキー州で製造されるウイスキーであり、世界への輸出量も多いです。
バーボンはトウモロコシの量が多く、甘味があるのが特徴です。また内側を焦がしたオークの新樽で熟成させることにより、独特の香りとコクが生まれます。
コーンウイスキーはトウモロコシが8割以上使われたウイスキーです。ウイスキーという名ですが、熟成期間を必要としないため、無色透明のものも多く香りやコクは少なめです。コーンの甘味をほのかに感じる味で、スッキリとした印象のものが多く、ストレートよりも割もので飲んだ方が美味しいことが多いです。
大麦麦芽を主な原料とするウイスキーです。スコッチなどでもよく造られているウイスキーであり、蒸留に用いる器具やピートの使用量、水質などで味わいが大きく変化します。蒸留所ごとの個性が出やすいウイスキーでもあります。
ライ麦を主原料として造るウイスキーです。コーンをベースにした甘味のあるバーボンに比べ、ほんのり苦味がありスパイシーな味わいをしているのが特徴です。現在では生産量が減っていますが、根強いファンのいるウイスキーでもあります。
小麦をベースにしたウイスキーで、アメリカンウイスキーの中でも非常に珍しいです。口当たりがまろやかであり、刺激が少なく初心者でも飲みやすい味をしています。
上記で述べたストレートウイスキーをベースに、複数のウイスキーやスピリッツをブレンドしたタイプのウイスキーとなります。ブレンドによってさまざまな味わいが生まれますが、どれもバランスが良いものが多く、飲みやすい味わいをしています。
バーボンの一種で原料は同じですが、樽熟成の際に「チャコールメローイング製法」を使用しているのがポイントです。チャコールメローイング製法とは、サトウカエデの炭を使ってウイスキーをろ過する方法です。この製法を取ることで、甘くクリアな味わいに仕上がるのが特徴です。
アメリカンウイスキーは、バーボンを中心に独特の甘味やコクをもつものが多いです。これはトウモロコシが原料となっているためです。ただし甘ったるいという印象ではなく、口に含むと力強く男性的な印象を受けます。
なぜなら熟成の際に焦がした木樽を使うことが多いためです。焦がした木樽からの色素やタンニンを取り込むことで、バーボンなどのアメリカンウイスキーは深くウッディーで、荒々しい印象に仕上がります。カラメルやバニラのような風味を感じることも多いです。
一方でスコッチの場合は、アルコールの刺激を感じるような味わいのものが多いです。バーボンのようなガツンとした甘味ではなく、アルコール感の奥にほんのりとした甘さを感じる印象です。またスコッチはピート香の強いものが多く、スモーキーな印象も感じます。
アメリカンウイスキーは個性豊かな味わいであり、“この飲み方が正しい”という方法はありません。そのため好みや銘柄によって、飲み方を自由に変化させてみると良いでしょう。
基本の味わいを楽しむのであれば「ストレート」がおすすめです。ただし中には刺激が強いお酒ものもあるので、ストレートが苦手な方は氷を入れた「ロック」、や「水割り」で楽しむのもおすすめです。インパクトの強い荒々しいアメリカンウイスキーは、ロックや水割りでも風味が失われにくいのがメリットです。
また味わいは甘くコクがあるものが多いので、あえて炭酸で割る「ハイボール」なども美味しいです。ハイボールなら食中酒としても合わせやすく、乾杯シーンにもうまく馴染んでくれます。
今回はバーボンを中心とするアメリカンウイスキーについて紹介しました。
アメリカンウイスキーは、色々な銘柄と味わいがあり一言で述べるのが難しい個性があります。アメリカンウイスキーを理解するためには、まずは飲み比べてみることが一番です。
ジャックダニエルなど日本にもたくさんの銘柄が流通しているので、ぜひ気になった方は飲み比べてみてください。
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