今回はカナダのウイスキーである「クラウンローヤル」について解説します。
ウイスキーというと、どうしてもスコッチやバーボンを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかしカナディアンウイスキーも5大ウイスキーの一つに数えられており、スコッチやバーボンとはまた違った魅力があります。
そんなカンディアンウイスキーでもNo.1の味と言われるクラウンローヤルにはどのような特徴があるのか、ほかの5大ウイスキーとは何が違うのかを述べていきます。
目次
クラウンローヤルは、王冠の形をしたボトルが特徴のウイスキーです。歴史の始まりは1857年のことで、創設者のジョセフ・E・シーグラム氏がカナダのウォータールー蒸留所を設立したのが始まりです。そして1939年にカナダを初めて訪問した、イギリス国王であるジョージ6世に献上されるお酒としてクラウンローヤルが誕生しました。
もともとが王室用の献上酒として造られたというだけあり、見た目にも味にも高級感があるのがクラウンローヤルの特徴です。とはいえ決して手の届かないようなウイスキーではなく、実は2,000円台で購入できるボトルもあるほど身近なウイスキーでもあります。日本でもキリンが販売を行っていたため、現在は比較的簡単に入手ができます。
ただしキリンは2021年4月をもってクラウンローヤルの出荷を終了しており、もしかしたら今後入手がしにくくなる可能性もあるので注意です。特に終売となってしまったボトルや日本に出回っていないボトルなどは、定番ボトルよりも高めの価格で取引されています。
クラウンローヤルはライ麦を主原料にしたカナディアンウイスキーです。そのため数あるウイスキーの中でも、比較的ライトな酒質です。ライ麦ベースのウイスキー原酒の中に、トウモロコシベースの原酒をブレンドさせることで非常にバランスの良い味わいを作り出しています。
コクと香りのバランスが非常に良いクラウンローヤルは、クセが少ないため飲みやすく、初心者でもチャレンジしやすい銘柄です。穀物由来の香りと蜂蜜のような甘い香りがマッチしていて、カナディアンウイスキーを初めて飲む方には特に挑戦して欲しい味わいです。
クラウンローヤルはカナディアンウイスキーらしい、ライトで軽やか・スッキリとした味わいが特徴とお伝えしました。ではそもそも、他のウイスキーはどのような味わいなのでしょうか?
ここからは世界的に有名な5大ウイスキーについて、味の違いを解説していきます。
カナダで作られるウイスキーは、「カナディアンウイスキー」と呼ばれます。今回紹介するクラウンローヤルのほか、「カナディアンクラブ(C.C)」なども有名です。
ライ麦を原料とすることで、深い穀物の香りが生まれています。口当たりは非常にスムーズで軽く、5大ウイスキーの中では最もライトなタイプです。日本人の口にも合いやすく、日本食などと合わせて楽しむ方もいるほどです。
「スコッチ」と呼ばれるウイスキーで、世界のウイスキーの中でも特に有名、生産量もNo.1です。現在の日本のウイスキーの見本になったとも言われています。
麦芽を乾燥させる際にピート(泥炭)を使用しているため、ピーティーでスモーキーな風味がします。香りが強いものが多く、深い味わいを楽しめます。「ジョニーウォーカー」や「グレンリベット」「ボウモア」「ザ・マッカラン」など、有名な銘柄も多いです。
アイルランドはウイスキー発祥の地と言われています。アイルランドで造られるウイスキーは「アイリッシュウイスキー」と呼ばれています。麦芽にピート香はつけず、複数回蒸留を行うことで滑らかで軽快な飲み口となっています。
スコッチに比べクセが少なく、初心者でも飲みやすいです。コーヒーと合わせたカクテルも人気です。銘柄でいうと「ブッシュミルズ」や「タラモア デュー」などが有名です。
アメリカでは原料・製法により様々なタイプのウイスキーが作られています。特に有名なのがケンタッキー州発祥の「バーボン」です。アメリカの厳しい自然が生む、トウモロコシ由来の独特な甘さが特徴で飲みごたえがあります。
アメリカンウイスキーは製造時にオーク樽の内側を焦がした新樽を使用しているため、個性が濃く強い味わいのものが多いです。
「ジャックダニエル」や「ジムビーム」、「メーカーズマーク」などの銘柄があります。
スコットランドのウイスキーを参考にしながら、日本人の味覚や文化に合わせてスモーキーさを抑えた造りとなっています。日本のウイスキーは「ジャパニーズウイスキー」と呼ばれ、ここ数十年で爆発的な人気を見せています。
サントリーやニッカウヰスキーの銘柄が特に有名で、「山崎」や「白州」、「響」、「余市」などがあります。年代物のジャパニーズウイスキーは現在入手が難しく、価格が跳ね上がっています。
ひとことでクラウンローヤルと言っても、さまざまなシリーズがありボトルごとに味わいが変わります。ここからはクラウンローヤルのシリーズについて、一つずつ解説していきます。
クラウンローヤル メープルフィニッシュド。香りは凄くメープルシロップですが、味は甘めのウイスキー。甘くて飲みやすくて美味しい美味しいです! pic.twitter.com/wERQNJ3uMe
— 伊豆 (@josakuraizu) April 26, 2019
ウイスキーをカエデの木の樽で後熟させたのち、さらにメープルで風味をつけた“フレーバード・ウイスキー”です。名前の通りメープルの香りや味を楽しめるウイスキーで、非常に甘いです。そのため水割りにしたり、ジュースと共にカクテルとして堪能するのに人気があります。
アルコール度数:40度
クラウンローヤル ブラック pic.twitter.com/22urKLMo6q
— トマトクン (@bara_tomato) November 15, 2022
ブラックという名の通り、濃い色の見た目をしているのが特徴のウイスキーです。内側を焦がしたオーク樽で熟成することで、凝縮された濃い風味を詰め込んでいます。
クラウンローヤルらしいオレンジピールやバニラ、そしてはちみつのような味が詰まっており、カナディアンウイスキーながら力強い味わいを楽しめます。
アルコール度数:45度
カナディアンウイスキーであるクラウンローヤルは、爽やかな味わいで飲みやすく、比較的さまざまな飲み方で楽しむことが可能です。飲み方の例を以下にて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
さて、2杯目は楽しみにしていた『クラウンローヤル』をストレートで。
まずびっくりしたのは香り。ブランデーのような香りがする。
味もクセがなくまろやかで、果実酒を飲んでいるような柔らかさ。
りんごや洋梨みたいなフレッシュな甘さも。色んな意味で凄くブランデーっぽいウイスキー。#TWLC pic.twitter.com/BP0NOmzoFh
— 白石英和 (@hide_kazu0106) August 20, 2019
ウイスキーはアルコール度が高い飲み物です。そのため水割りにしたり、ハイボールにするのが主流と考えている方も多いでしょう。しかしクラウンローヤルはカナディアンウイスキーであり、比較的ライトな口当たりと味わいです。そのためストレートのままでも刺激が強すぎず、飲みやすいのが魅力です。
特に上位ランクのクラウンローヤルを飲む際は、ぜひ最初はそのままストレートで飲んでみるのがおすすめです。素材のそのままの香りや味わいを堪能でき、リッチさを感じられるでしょう。
トゥワイスアップ(トワイスアップ)とは、ウイスキー:水を1:1で割って飲む方法です。品評会などでも飲まれる飲み方で、ウイスキーの芳香をじっくりと堪能できます。
作り方は簡単で、まずはグラスにウイスキーを注ぎ、常温の水を同量注げば完成です。
今日はクラウンローヤルのロックを飲んでみる
ライムの香りにバニラの味
ただ甘さが強いわけじゃなくて苦味のあるビターな感じがある pic.twitter.com/4bGjJYRXd2— AYASAKA / ゴリラクダ (@sourumeitdovua) June 18, 2018
ウイスキーに氷を入れる飲み方です。味はもちろん、氷とグラスのカラカラという音を耳でも楽しめる、清涼感のある飲み方です。グラスに大きめの氷を入れて、ウイスキーを注いでマドラーで混ぜれば完成です。
なおロックで飲む場合は、しっかりと冷えていることが重要です。使うグラスもなるべく冷やしておくと、より美味しく飲むことができます。
氷を入れたグラスに、ウイスキーと水を注ぐ方法です。アルコール度が薄まるので、ストレートのままだと刺激が強すぎると感じる方におすすめです。
濃さは自分の好きな配分でOKですが、ウイスキー:水=1:2〜2.5程度だとバランス良くなります。食事とウイスキーを楽しむ際にもおすすめです。
クラウンローヤルをハイボールで飲みきり
メロンとキャラメル感が良くてハイボールで重宝してたね
おいしかった pic.twitter.com/hwSC1gYRJi— AYASAKA / ゴリラクダ (@sourumeitdovua) July 18, 2021
言わずと知れたウイスキーの炭酸割りです。クラウンローヤルの爽やかで軽やかな味わいは、炭酸との相性も良くハイボールにするのもおすすめです。氷を入れたグラスに、ウイスキー:炭酸水=1:3程度になるように注いでマドラーで混ぜましょう。なお炭酸系のドリンクなので、あくまでもマドラーを使う際はゆっくり混ぜるようにしましょう。
お好みでレモンの皮などで香り付けをしても良いでしょう。
カナディアンウイスキーは程よい爽やかさと甘味のあるウイスキーなので、比較的色々なおつまみと相性が良いです。
その中でも特におすすめなのが、「ビーフジャーキー」との組み合わせです。ジャーキーの塩気と噛みごたえが、カナディアンウイスキーの麦のコクを引き立ててくれます。またレーズンのような、甘酸っぱいものと合わせても良いでしょう。
さらにハイボールにする際は、からあげやソーセージなどの油のあるコッテリとした肉料理を合わせても良いです。水割りにする時には、カルパッチョなどの海鮮系もおすすめです。
今回はカナディアンウイスキーの代表銘柄である「クラウンローヤル」を紹介しました。カナディアンウイスキーらしい飲みやすさがあり、「カナディアンクラブ(C.C)」と並んで人気のあるウイスキーです。
飲みやすいフレーバード・ウイスキータイプもあり、初心者向けのウイスキーとも言えます。気になった方は、ぜひチェックしてみてください。
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