シャトームートン・ロートシルトの歩み
シャトームートン・ロートシルトは、ワイン銘醸地である
ボルドー・メドック地区のポイヤックに位置するシャトーです。メドック格付けの1級シャトーであり、
ボルドーの5大シャトーのひとつとして広く知られています。
今でこそシャトームートン・ロートシルトは世界最高峰のワインを醸すシャトーとして君臨していますが、
その歩みは平坦なものではありませんでした。メドックの格付けが制定されたのは1855年ですが、当時シャトームートン・ロートシルトは
2級のシャトーとして格付けされていたのです。大富豪ロートシルト家がシャトーを買収した1853年、誰もが必ずシャトームートン・ロートシルトは格付け1級に選ばれると信じていました。しかし、その結果はまさかの格付け2級。その屈辱は計り知れず、シャトームートン・ロートシルトを所有するロートシルト家は、大きな賭けに出ます。
そのきっかけが、1922年に
フィリップ・ド・ロートシルト男爵の存在です。同氏がシャトーに大きな改革をもたらし、ボルドーの常識を覆すアプローチをし続けたことにありました。
シャトーを革新的に改築したりシャトーがワインを瓶詰めを行ったり、有名画家に毎年ラベルを描かせたり、誰もが考えつかない驚くべき改革を行います。
ブドウ栽培の見直しや伝統と革新を組み合わせた醸造技術、さらに格付け1級への昇格を目指すためのロビー活動など、フィリップ・ド・ロートシルト男爵は
シャトーの地位を高めるための活動を続けました。
そして、1973年。4世代に渡るロートシルト家の努力が身を結び、シャトームートン・ロートシルトは
メドック格付け1級へと昇格することになります。
「われ1級になりぬ。かつて2級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず」。昇格時、ロートシルト氏が残したこの言葉は、ワイン業界にとって伝説的な名言として今もなお語り続けられています。
世界随一のブドウ栽培と醸造テクニック
シャトームートン・ロートシルトは、
革新的な改革を行ったことで話題となったシャトーです。しかし、1級へと昇格した理由はやはり1級に値する、“品質の高さ”にあります。
シャトームートン・ロートシルトが所有するブドウ畑は8mにも達する砂利質土壌となっており、その水はけの良さは主要品種である
カベルネ・ソーヴィニヨンにとって理想的な土壌組成です。
ブドウの平均樹齢は45年から100年といわれており、凝縮感のあるブドウを収穫することができます。シャトームートン・ロートシルトは90haという広大な畑を所有していますが、その全てが
リュットレゾネ農法であり、収穫は300人規模で手摘みされるといったこだわりよう。健全なブドウだけが選ばれた後、最新の醸造設備にて徹底した管理のもと、醸造が進められます。ワインは巨大な貯蔵庫で熟成。瓶詰めされるその時まで、
じっくりと最高の環境で過ごし続けるのです。
アートを大切にし続けるモダンなシャトー
シャトームートン・ロートシルトと言えば、
ヴィンテージごとに違うアーティストが手がけるアートラベルです。フィリップ・ド・ロートシルト男爵がシャトー・ムートン・ロートシルトを率いていた1945年、アートラベル活動がスタートします。
フランス解放を祝うために、
その年のラベルをふさわしいデザインで飾るといったコンセプトのもと開始したこのプロジェクト。初めてのラベルはポスター画家のジャン・カルリュだっと言われています。
シャトームートン・ロートシルトのアートラベルを手掛けた人物を一部、下記にまとめました。
- ・ミロ
- ・シャガール
- ・ブラック
- ・ピカソ
- ・タピエス
- ・フランシス・ベーコン
- ・ダリ
- ・バルテュス
- ・ジェフ・クーンズ
近代絵画の巨匠の名が連なっていますが、2004年のシャトームートン・ロートシルトのワインラベルを描いたのは、なんと
チャールズ皇太子。
さらにワインライベルはその時代の著名な画家によって描かれるため、1975年のシャトー・ムートン・ロスシルドはアンディ・ウォーホルが手掛けています。
シャトー内もアートで埋め尽くされているなど、
まさにアートと共に生きるシャトーとして今もな活動を続けているのです。
シャトームートン・ロートシルトの当たり年
シャトームートン・ロートシルトをはじめ、ボルドーワインには
当たり年と呼ばれるヴィンテージが多くあります。当たり年のワインは品質が高く、世界中のワイン愛好家垂涎のアイテムとして高値で取引されています。
シャトームートン・ロートシルトの当たり年を下記にまとめました。
- ・シャトームートン・ロートシルト1982年
- ・シャトームートン・ロートシルト2000年
- ・シャトームートン・ロートシルト2013年
- ・シャトームートン・ロートシルト2014年
- ・シャトームートン・ロートシルト2015年
その中でも、とくに注目されているのが、
シャトームートン・ロートシルト2000年です。
シャトームートン・ロートシルト2000年の魅力を下記にて解説しましょう。
シャトームートン・ロートシルト2000年のラベルデザイン
シャトームートン・ロートシルト2000年は、歴代のシャトームートン・ロートシルトの中でも
最高の出来栄えと称される希少な1本です。
まずは、シャトームートン・ロートシルト2000年のラベルを見ていきましょう。
シャトームートン・ロートシルトでは、フィリピーヌ・ド・ロートシルト夫人がアーティストにラベル制作を依頼していますが、なんと
2000年は例外的にアーティストへの依頼はありませんでした。
ボトルそのものがコレクションとなっており、
別のヴィンテージとは出で立ちがまるで違うところに注目が集まっています。
ボトルには、シャトームートン・ロートシルトに併設するワインミュージアムを代表する、「アウクスブルクの牡羊」が飾られています。
非常に繊細な黄金の細工彫刻が施されていますが、その作品はドイツ人細工職人ヤコブ・シュナアーによるもので、1590年頃の作品だと言われています。
ボトルはブラックをベースに黄金の牡羊、そしてシャトームートン・ロートシルト2000年の文字が刻まれる
高級感が溢れる佇まい。
この希少なボトルこそ、コレクター垂涎の品と言えるでしょう。
シャトームートン・ロートシルト2000年の味わい
シャトームートン・ロートシルト2000年は、その名の通り2000年に収穫されたブドウのみからつくられた赤ワインです。寒く乾燥した1月から始まった同ヴィンテージは、5月や6月は大変天候に恵まれ、7月初旬は涼しく多湿、後半は天候が継続したことで、
ブドウの着色が良く素晴らしい出来栄えとなったと示されています。
そして、8月中旬までに暑い日が続きフ
ェノール成分が凝縮。9月は好天とバランスの良い降雨があったことなどから、大変質の高いブドウが収穫できました。
シャトームートン・ロートシルト2000年のアッサンブラージュは、「カベルネ・ソーヴィニヨン86%、メルロ14%」といった
カベルネ・ソーヴィニヨン主体の構成。
主軸であるカベルネ・ソーヴィニヨンの質が高いからこそ成し得る、芸術的なアッサンブラージュでしょう。
深みのあるガーネット色の外観に、香りは森の下草やプルーン、砂糖に漬けられた果実、まろやかな口当たりと粘性、濃厚なタンニンを感じます。
余韻も強く、そして長く偉大。シャトームートン・ロートシルト史上、最高峰と謳われている
1986年に比肩する最高の出来栄えと絶賛されています。
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シャトームートン・ロートシルト2000年は、
お酒買取市場でも非常に人気が高いワインです。希少なボトルデザインと最高の出来栄え、そして流通量の少なさなどから、価格は高まり続けています。
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