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ブランデーとウイスキーは琥珀色の見た目で、雰囲気が非常に似ています。そのため名前は知っていても、「両者の違いがよくわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実はブランデーとウイスキーは、飲んでみるとかなり違う飲み物であることがわかります。それぞれの特徴を知ることで、自分に向いたお酒がどれかわかり、お酒選びで失敗しにくくなるでしょう。
そこで今回の記事では、ブランデーとウイスキーの違いを詳しく解説していきます。ぜひお酒選びの参考にしてみてください。
目次
ブランデーとウイスキーは、アルコール度数の高い蒸留酒という点では似ています。しかし両者は、そもそも「原料」が異なっています。具体的にはブランデーがぶどうなどの果実を原料とするのに対し、ウイスキーは大麦などの穀物を原料に作られています。
なおブランデーの原料である果実には、豊富な糖分が含まれています。そのため糖化という過程を経ることなく、そのまま醸造し蒸留ができます。
果実から作られるブランデーは、非常にフルーティで香り高いという特徴を持ちます。そのためブランデーは味を楽しむというよりは、香りを楽しむというニュアンスが強いです。一方でウイスキーは、穀物由来のしっかりとした味を堪能するのに向いています。原料にどんな穀物が使われているかで、味がはっきり分かれるのもウイスキーの特徴と言えるでしょう。
口に含むとブランデーはほのかに甘く、高いアルコールを感じさせないような飲みやすさがあります。一方でウイスキーは燻製のようなスモーキーさがあるなど、甘味が少なくスマートな印象を受けます。そのため甘いニュアンスが好きな方は、ブランデーの方が飲みやすいと感じるかもしれません。一方でウイスキーは甘さに寄りすぎないため、食中酒としても取り入れやすいといった側面があります。またウイスキーは割って飲むのにも適しているので、ハイボールや水割りが好きな方には非常に向いています。
細かな違いのあるブランデーとウイスキーですが、見た目が似ていることから分かるように共通点も多いです。ここからはブランデーとウイスキーの共通点について述べていきます。
ブランデーとウイスキーはどちらもアルコール度数40度前後です。いわゆる蒸留酒であり、アルコール度数はかなり高めとなっています。ワインのアルコールが約12度、日本酒が約16度なので、比べるとかなり強いお酒であることがわかります。
ただしボトルによって、正確なアルコール度数は異なるので気を付けておきましょう。なぜならブランデー・ウイスキーはどちらもボトル詰めされる前に“加水”という工程が加えられ、アルコール度数が調整されているからです。そして中には加水をわずかにしか行わないものや、加水せずそのままボトル詰めしているような銘柄も存在しています。そのため正確なアルコール度数が知りたい場合はブランデー・ウイスキーの違いで比較するのではなく、ボトルごとに書かれた度数表記を調べるようにしておきましょう。
お酒を蒸留して作られる“蒸留酒”は、ブランデーやウイスキーの他にもたくさんあります。例えば焼酎やジン、ウォッカなどのスピリッツも蒸留酒に当てはまります。しかしブランデーとウイスキーには、蒸留の後に必ず樽熟成が行われるという特徴があります。この樽熟成こそが、ブランデーやウイスキーの個性を生み出すのに繋がっています。
木樽で熟成されるブランデーやウイスキーは、蒸留したてのアルコールに比べて角の取れたまろやかな味になるのが特徴です。とろみのある飲み心地になり、色も無色透明ではなく琥珀色になります。なお熟成期間が長ければ長くなるほど、味の深さや色の濃さも増していきます。ブランデーもウイスキーも、熟成期間が長ければ長いほど高級品として扱われることが多いです。
蒸留酒であるブランデーやウイスキーには、糖質が含まれていません。そのため「太りにくいお酒」と言われることが多く、ヘルシー志向の方に人気があります。
近年はビールの代わりにブランデーやウイスキーを選ぶ方も増えています。ただしどちらもカロリーはゼロではないので、飲み過ぎには注意です。
ブランデーとウイスキーは、蒸留酒であり劣化しにくいという特徴があります。賞味期限がそもそも存在しておらず、未開封で正しく保管してさえいれば何十年と長期保存が可能です。実際に30年前のブランデーやウイスキーも、美味しく飲めると言われています。
また保存方法もさほど難しくないので自宅保管ができます。ブランデー・ウイスキーはワインや日本酒のように保管時に専用のセラーや特別な環境を必要としないので、コレクションやギフトにも向いています。
ブランデーやウイスキーは、世界中で作られているお酒です。そのため生産地ごとに、細かな特徴や味わいが異なっています。例えばブランデーの中には「コニャック」や「アルマニャック」、ウイスキーの中には「バーボン」や「スコッチ」などがあります。
ここからはブランデーとウイスキーの細かな種類を解説していきます。
名称
|
主な原料
|
特徴
|
---|---|---|
コニャック | ブドウ |
|
アルマニャック | ブドウ |
|
カルヴァドス | りんご |
|
ブランデーは生産地ごとに定義が異なっています。特に有名なブランデーには、3大ブランデーと呼ばれるコニャック・アルマニャック・カルヴァドスがあります。これらはフランスの法律AOC(原産地呼称統制)で細かなルールが定められており、条件を満たしたものしかこの名を名乗ることができません。特にエリアに関しては厳しく、定められた生産地域外で生産されたものはどんなに品質が良くてもコニャックやアルマニャックという名称が使えません。
なお3大ブランデーの生産地域は全てフランス内にあり、フランスがブランデーの名産地であることがわかります。ただしフランス外でも、当然ブランデーは作られています。例えばイタリア産でぶどうの搾りかすを原料とする“グラッパ”や、ドイツ産のチェリーブランデー“キルシュヴァッサー”などがあります。
名称
|
主な原料
|
特徴
|
---|---|---|
バーボン | とうもろこしなど |
|
スコッチ | 大麦麦芽(モルト)など |
|
アイリッシュウイスキー | 大麦など |
|
ジャパニーズウイスキー | 大麦麦芽(モルト)など |
|
カナディアンウイスキー | ライ麦など |
|
ブランデーの名産地はフランスでしたが、ウイスキーの産地で有名なのはアメリカ・スコットランド・アイルランド・日本・カナダです。これら5カ国のウイスキーは「世界5大ウイスキー」と呼ばれます。
なおウイスキーは産地によって原料に大きな差があり、味も大幅に変わってきます。例えばアメリカ・ケンタッキー州で作られるバーボンはとうもろこし由来の甘味が強いウイスキーで、スコッチはピーティーでスモーキーな個性を持つものが多いです。
ちなみにウイスキーに関しても、AOC(原産地呼称統制)による細かなルールが存在しています。
アルコール度数の高いブランデーやウイスキーは、ストレートをはじめさまざまな飲み方ができます。ここからはブランデーやウイスキーにおすすめの飲み方を紹介します。
ストレートはブランデーやウイスキーを割らずにそのまま飲むという楽しみ方です。素材由来の旨味をダイレクトに感じられるのが特徴です。濃厚で香り高いブランデーはストレートで飲むのがおすすめです。またウイスキーの中でも熟成年数が長いものは、ストレートで飲むのに適しています。
なおストレートでブランデーやウイスキーを飲む際は、常温が基本で冷やしすぎないことが大切です。
ハイボールはウイスキーの炭酸割りのことです。居酒屋メニューでも人気が高く、カジュアルに飲めることから定評があります。基本はウイスキー:炭酸水=1:3〜4程度で作ります。氷を入れたグラスに注ぎ、マドラーで混ぜれば完成です。
なおウイスキーが定番のハイボールですが、実はブランデーもハイボールにして飲むことができます。ブランデーによるハイボールは、コニャックをソーダで割った「フレンチハイボール」が人気です。また炭酸水ではなく、ジンジャエールで割るのもおすすめです。
トワイスアップはブランデーやウイスキーを水で割って飲む方法です。ブランデーまたはウイスキー:水=1:1の割合で割って作ります。なおこの際に使う水はミネラルウォーターが最適です。冷やしすぎた水は相性が悪いので、常温の水を使うこともポイントになってきます。
トワイスアップにすると、ブランデーやウイスキーの香りがより一層感じやすくなります。アルコール度数も薄まるので、飲みやすさが増します。
ブランデーとウイスキーの違いを理解できたら、実際に飲み比べながら自分好みの味を探してみましょう。ここからは初心者にもおすすめの人気ブランデー・ウイスキーを紹介していきます。
カミュはコニャックと呼ばれるブランデーの銘柄の一つです。コニャックの中でも“5大コニャック”と呼ばれ、高い知名度と人気を誇ります。
人気高級ブランデーでありながら流通価格は5,000円程度と、親しみやすいのがカミュVSOPエレガンスの魅力です。ストレートでも割ってもバランスが良いブランデーなので、オールマイティーな楽しみ方ができます。
ヘネシーも有名コニャックの一つです。XOは“eXtra Old”のことでブランデーの中でも長熟タイプのボトルであり、高級品となります。ヘネシーXOはボトル1本で約2万円と高額ですが、パワフルでリッチな味わいは一度飲んでみる価値があります。
バランタイン ファイネストはスコットランドで作られるブレンデッドウイスキーです。モルト原酒にグレーン原酒が混ぜられているため、味わいのバランスが非常に優れています。
700mlボトルが1,000円台で買えるというコスパの良さも魅力です。デイリー向けのウイスキーをお探しの方にピッタリな1本です。
甘めでガツンとした味わいのウイスキーがお好みなら、バーボンの中からお気に入り銘柄を探してみましょう。ここで紹介するI.W.ハーパーゴールドメダルは、蜂蜜のようなニュアンスと甘味を感じられるウイスキーです。香りは甘めですが味わいは過剰な甘ったるさはなく、適度なドライ感もあり飲みやすいです。
I.W.ハーパー ゴールドメダルで作るハイボールはシャープでさっぱりと飲めます。
ブランデーとウイスキーは原料そのものが異なり、味と香りに大きな違いがあります。またブランデーやウイスキーの中に、さらにコニャックやアルマニャック、バーボン、スコッチとさまざまなタイプのお酒があります。
お酒の特徴を知ることで、日々の晩酌やバーでの時間がより楽しいものになるでしょう。まずは手頃なボトルや身近な有名銘柄から挑戦し、お気に入りを探してみてください。
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