マダム・ルロワ個人所有のドメーヌ
ドーヴネは、ブルゴーニュでもっとも有名な女性醸造家と言われるマダム・ルロワのドメーヌです。ルロワといえばドメーヌ・ルロワが有名ですが、こちらのドーヴネは
マダム・ルロワが個人所有しているドメーヌとなります。
マダム・ルロワは元々、父が経営するネゴシアンである
メゾン・ルロワで働いていました。やがて1971年にはDRC社の経営に関わることとなり、その手腕を余すことなく発揮していました。
そして1988年には自らが経営する「ドメーヌ・ルロワ」を立ち上げます。その際に夫であるマルセル・ビーズ氏と共に「ドーヴネ」を同時購入し、こちらのドメーヌでのワイン造りもスタートさせることとなりました。
ドメーヌ・ルロワにはファミリーや高島屋など複数の所有者がいるため、いわゆる共同所有という扱いになります。その一方で
ドーヴネは、あくまでもマダム・ルロワが100%所有しているということになります。そのためドーヴネは、マダム・ルロワのやりたいこと、再現したいことがすべて表現されていると言われています。彼女の理想とするワイン造りを味わえるのが、ドメーヌ・ドーヴネの大きなポイントとなるでしょう。
<ルロワの3種のブランドの違い>
- ・メゾン・ルロワ・・・契約農家から買い付けたブドウからワイン造りをする、もしくはルロワ女史が買い付けたワインを提供するというネゴシアンのブランド。キャップ・シールが白色であることが目印で、飲み頃を迎える頃にリリースされる。
- ・ドメーヌ・ルロワ・・・1988年に立ち上げられたメゾンで、自社所有畑のブドウのみを使う。ヴォーヌ・ロマネに拠点があり、赤色のキャップでリリースされるのが特徴。
- ・ドメーヌ・ドーヴネ・・・ここで紹介している「ドーヴネ」は、前述した通りマダム・ルロワの個人所有。サン・マロンの高台に位置するドメーヌで、ラベルに描かれた館はマダムの住む家でもある。
白ワイン造りも得意としている
ドメーヌ・ルロワといえば赤ワインがとにかく有名です。ドメーヌ・ルロワのワインはコルトン・シャルルマーニュ以外、すべて赤ワインで構成されています。しかし一方で
ドーヴネのワインは、白ワインが多いことが特徴に挙げられます。「マジ・シャンベルタン」や「ボンヌ・マール」といった赤も作られていますが、それ以外は多くが白ワインとなっています。
なお作られるワインはドメーヌ・ルロワと同様に
ビオディナミによるブドウ栽培を採用していて、いずれも高い品質を誇っています。低収量によるブドウからワインが作られているため、凝縮されたおいしさと緻密さを感じることができます。またテロワールを感じられる作りでもあり、パワフルな果実香を発揮してくれます。余韻も長く、とにかくスペシャルな仕上がりとなっています。
世界で最も偉大なワインのリスト入り
ルロワ女史の作るワインは、とにかく世界的な評価が高いことでも知られています。ワインサーチャーが2022年に発表した
「世界で最も偉大なワイントップ10」にも、ルロワ女史のワインが多くリスト入りしています。ドメーヌ・ルロワのワインはもちろん
ドーヴネのワインもランク入りしていて、ドーヴネでは「シュヴァリエ・モンラッシェ」や「マジ・シャンベルタン」といったグラン・クリュのワインが98点の評価を獲得しています。
ドーヴネのワインは長期熟成に耐えうるポテンシャルがあり、いずれのボトル・ヴィンテージも甲乙つけ難いものとなっています。なお作られる本数が僅かであるため、「幻のワイン」とも言われます。1本に数百万という価格がつけられているような状況で、当然ですが簡単に飲むことはできません。ワインのコレクターも見つけたら即購入するという、非常に人気のワインとなっています。
ドーヴネの所有畑と特徴!グラン・クリュやプルミエ・クリュが中心
ドーヴネとしてマダム・ルロワが個人所有する畑には、以下のようなものがあります。
特級畑(グラン・クリュ)や一級畑(プルミエ・クリュ)が中心で、マダム・ルロワの手腕が最大限に発揮されています。
- ・マジ・シャンベルタン・・・ドーヴネが所有する希少な赤のグラン・クリュ。年間の生産本数はわずか600本弱程度で、とにかく希少である。ブルゴーニュワインの王様と言われる品質で、非常に芳醇で力強さと品格を備えている。「ドーヴネ・マジ・シャンベルタン・グラン・クリュ1994」などが有名。
- ・ボンヌ・マール・・・こちらもドーヴネの赤ワインで、グラン・クリュのもの。年間生産本数はわずか800本程度。ボンヌ・マールは元々“良いお母さん”という意味であり、言葉が表すように豊かなボディと包み込むようなおおらかで愛ある香りが魅力的。
- ・クリオ・バタール・モンラッシェ・・・白ワインのグラン・クリュで、モンラッシェ系の中ではシャサーニュ側にある。繊細でエレガントな白ワインで、造られる量はごくわずか。ドメーヌ・ドーヴネのものは特に高級で、1本に300〜400万円という価格がつけられることも。
- ・シュヴァリエ・モンラッシェ・・・こちらもシャルドネ種による白ワインのグラン・クリュであり、世界に認められる評価を誇る。ワインマニアたちの憧れであり、ミネラルと酸味が豊富で緻密かつエレガントな仕上がり。
- ・ピュリニー・モンラッシェ・フォラティエール・・・ピュリニーに広がるプルミエ・クリュで、日照時間が長いエリアのためブドウが芳醇な味わいとなる。引き締まった酸味とミネラルを感じる厳格な白ワイン。
- ・ピュリニー・モンラッシェ・アン・ラ・リシャルド・・・シュヴァリエ・モンラッシェに近い位置のプルミエ・クリュで、ドライなミネラルを持つ非常にエレガントな味わい。ドーヴネのものはプルミエ・クリュでも200万円越えの価格で取引されることも。
- ・ピュリニー・モンラッシェ・レ・ザン・セニエール・・・グラン・クリュのすぐそばにある白ワインのプルミエ・クリュ。フィネスを携えた仕上がりで人気が高い。
- ・ムルソー・グット・ドール・・・ムルソー村のプルミエ・クリュで、“黄金の雫”を意味する。ムルソーの中でも非常に人気が高く、果実のニュアンスをしっかりと感じられるワインに仕上がっている。
- ・ムルソー・レ・ナルヴォー・・・こちらもムルソーにある白ワインのプルミエ・クリュ。ナッツやはちみつをおもわせるニュアンスに、ミネラルを感じられるスケールの大きな1本。
ドーヴネが高価買取になるのはなぜ?1本数十万〜3桁越えも可能に
ドーヴネは有名なルロワ女史のドメーヌであること、世界的に高い評価を受け続けていること、そして希少価値が高いことから買取でも高額査定になります。ルロワ女史のワインは今では
ロマネコンティよりも高級と言われるほどで、グラン・クリュのものであれば数十万〜百万円越えの価格がつくケースがあります。またグラン・クリュだけでなく、プルミエ・クリュのワインも希少なので超高額となります。
なお
ドーヴネの評価額は、畑の種類やヴィンテージ、そしてワインの保存状態によっても変わってきます。査定に出す際は、きちんと細かなポイントを見極められる業者に依頼するようにしましょう。
リンクサスのワイン査定なら、ドーヴネの人気度や詳細を見極めた上での高価買取が可能です。買取や査定をご希望の方、また相談がしたいという方はお気軽にお問い合わせください。