アンリ・ジャイエ氏の後継者として知られる
エマニュエル・ルジェはブルゴーニュのドメーヌのひとつです。エマニュエル ルジェ氏は
“ブルゴーニュの神様”と呼ばれたアンリ・ジャイエ氏の甥に当たる人物で、彼の真の後継者としてその名を轟かせています。1976年からジャイエ氏の元でワイン造りを学んでおり、ジャイエ氏の死後には大部分の畑を受け継いで、ワイン作りを行なっています。
ジャイエ氏の弟子、後継者と呼ばれる人物は他にも多くいますが、エマニュエル・ルジェ氏は最も代表的な人物となります。
ジャイエ氏の弟子として教えを受けていた時間は、どの弟子よりも長いと言われています。実際にジャイエ氏が引退した際には、
畑の管理から醸造、瓶詰めまですべての工程の責任を担っていました。やがて弟子ではなく一人前のドメーヌとなり、今では絶大な人気を博しています。
ブドウのポテンシャルを最大限に引き出すワイン
そんなエマニュエル・ルジェのワインは、とにかくクオリティが高いことで知られています。ブドウ作りに強いこだわりを持っており、ジャイエ氏の教えを元に
ブドウを自然な方法で育て、適切な時期に収穫を行なっているのが特徴です。収穫したブドウは100%除梗し、低温で1週間ほどかけてアロマや色素を抽出する
「マセラシオン・ア・フロワ」の手法で醸造していきます。
このようにエマニュエル・ルジェは、自然由来の土壌が生み出すブドウのポテンシャルを引き出すことを非常に得意としており、素材の良さを活かしたピュアな味わいを作り上げています。高い樹齢のブドウ、そして剪定を丁寧に行なったブドウを使うことで、
濃厚でエレガントな味わいを持つワインを生み出しています。
幻の畑「クロ・パラントゥ」を引き継ぐ
エマニュエル・ルジェといえば、アンリ・ジャイエ氏から
「クロ・パラントゥ」の畑を引き継いだことでも知られています。
クロ・パラントゥを引き継いだのは、エマニュエル・ルジェとメオ・カミュゼの2大生産者のみです。
クロ・パラントゥは特級畑であるリシュブールに隣接する
一級畑(プルミエ・クリュ)であり、
ヴォーヌ・ロマネ村の一級畑の中でも別格扱いをされてきた場所です。
総面積1.1ヘクタールと小さな区画で、冷涼かつ石灰岩の多い土壌であることが特徴です。
なおクロ・パラントゥですが、元々は19世紀末にフィロキセラ禍となった後には、ブドウの栽培がろくになされていない廃れていた畑でした。しかしアンリ・ジャイエ氏がその優れた土壌を見出し、復活させたことで大きく有名となりました。クロ・パラントゥは非常に高いポテンシャルを持った畑であり、ここで作られるジャイエ氏のワインはかの有名なロマネ・コンティを凌ぐ価値があるとまで言われてきました。
格付けとしては特級畑よりも下の一級畑であるものの、その実力と人気は特級畑を上回るレベルとなっています。
エマニュエル・ルジェ氏の作るクロ・パラントゥも当然ながら非常に評価が高く、多くのワイン評論家から高い賞賛を受けています。
豊かなミネラル感としっかりした酸味が特徴で、非常に複雑で優雅な味わいが表現されています。
なおエマニュエル・ルジェ氏のクロ・パラントゥは厳しい剪定でブドウの収穫量を減らしているため、出来上がるワインは
ごく僅かで非常にレアリティが高いです。希少価値が高く入手がしづらいため、“幻のワイン”と呼ばれることもあります。
特級畑エシェゾーなども所有している
クロ・パラントゥを受け継いだことで有名なエマニュエル・ルジェですが、他にも特級畑エシェゾーをはじめとするいくつかの畑を所有しています。そんなドメーヌ・エマニュエル・ルジェの作る人気ワインには、クロ・パラントゥのほかにも以下のようなラインナップが存在しています。
- ・エシェゾー・・・特級畑であるエシェゾーの、ピノ・ノワール種を100%使用したワインです。新樽100%の熟成で、非常にボリューミーですが透明感もあります。
- ・レ・ボーモン・・・レ・ボーモンはエシェゾーの近くにある非常に好立地な一級畑です。繊細かつ緻密な味わいで、ブルゴーニュファンからの評価が高いです。
- ・ブルゴーニュ アリゴテ・・・アリゴテという品種を使った白ワインで、シャルドネの次によく栽培されている白ブドウ品種です。一般的にはリーズナブルな早飲み用として知られますが、エマニュエル・ルジェはアリゴテのクオリティまで高いことで知られています。
- ・クレマン・ド・ブルゴーニュ・・・クレマン・ド・ブルゴーニュは微発泡性の辛口白ワインです。シャンパンと同じ方式で瓶内熟成がなされています。
- ・コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ・・・いわゆる村名クラスのワインです。平均樹齢40年の古樹から採れるブドウを使用したワインで、凝縮感を堪能できます。
- ・ニュイ・サン・ジョルジュ・・・ニュイ・サン・ジョルジュの村名ワインは、村名と思えないほどの華やかなアロマが印象的です。
ここで紹介したのは一部であり、この他にも様々なワインが存在しています。どの区画で作られるワインも樹齢を重ねたブドウのものが多く、複雑なアロマを持ち合わせています。
次世代のニコラ・ルジェ氏にも注目
アンリ・ジャイエの教えを引き継いだドメーヌであるエマニュエル・ルジェは、現在次世代への世代交代も進めています。エマニュエル・ルジェ氏もまだまだ現役ではありますが、
2005年からは彼の息子であるニコラ・ルジェ氏が自分の名前を使ったラベルのワインをリリースしています。2009年には次男であるギョーム氏もワイン作りに加わっており、これから更なる進化が期待されています。ニコラ氏のワインも、神の遺伝子が作るワインとして高い評価を受けています。
なお2018年以降は会社組織が改変されたことにより、
2017ヴィンテージ以降のニコラ氏のワインはすべて「エマニュエル・ルジェ」に統合されています。ヴィンテージにより作り手が違い、異なる個性が楽しめるというのもエマニュエル・ルジェの魅力と言えるでしょう。
なおニコラ・ルジェ氏が台頭してきたことにより、エマニュエル・ルジェ氏は引退間近だとも囁かれています。彼の作るワインは、今後希少なヴィンテージとしてさらに価値が上がっていくかもしれません。
エマニュエル ルジェのワインは相場いくら?
エマニュエル・ルジェのワインは、種類によって価格帯が変わってきます。もっとも高額取引されているのはプルミエ・クリュの「クロ・パラントゥ」で、
60〜70万円近い価格で売られていることが多いです。
次に高額取引になるのが特級畑のエシェゾーになります。ヴィンテージによっても価格は変わりますが、20万はくだらないことがほとんどで、
人気ヴィンテージのものであれば40万円以上する場合もあります。
このほかエマニュエル ルジェのワインは
村名クラスでも数万円〜10万円超えの価格がつけられています。つまりいずれもワインも高級で、当然ながらお酒買取では高額査定となります。
なおエマニュエル・ルジェのワインの買取価格は、種類やヴィンテージ、状態によっても大きく変わります。数万円以上の価格になるケースが多く、クロ・パラントゥのような希少ワインなら数十万の値段になるケースも考えられます。売って現金化したいという方はもちろん、今の価値を知りたいという方もお酒買取の査定がおすすめです。プロ目線の買取査定なら、相場に見合った価格で取引ができます。