モンラッシェの人気ドメーヌ
ラモネはブルゴーニュ地方で活躍するドメーヌ(ワイン生産者)の一つです。シャサーニュ・モンラッシェに拠点を置いていて、トップクラスのドメーヌとして名を馳せています。シャサーニュ・モンラッシェといえばコート・ドールの南、コート・ド・ボーヌ地区に位置する生産地であり、
“世界最高峰の白ワイン”が生まれる場所でもあります。
ラモネのワインは
樹齢の高いブドウの樹を用いて作られる白ワインが多く、酸味がありつつもまろやかな風味があり気品に溢れた仕上がりです。またラモネは白ワインの有名な作り手ではありますが、
赤ワインも手掛けており、最高級のものが多いと人気を集めています。
ラモネ兄弟がドメーヌを引き継ぐ
元々ドメーヌ・ラモネは、1920年にピエール・ラモネ氏によって設立されました。最初はレ・リュショットという一級畑を1.5ヘクタールほど所有していて、ブドウの栽培を行っていました。
比較的早い段階からドメーヌ元詰のワインを製造していて、ピエール氏が自らカーヴに立ち続けていたことでも知られています。そんなラモネのワインは、
アメリカの市場へと紹介されたことをきっかけに、一気に有名なワインへと成長していきます。
ピエール・ラモネ氏の引退後は、息子である2代目アンドレ氏にドメーヌが引き継がれます。さらにアンドレ氏が他界してからは、その息子である3代目ジャン・クロード氏およびノエル氏のラモネ兄弟に代替わりします。1920年のドメーヌ誕生から徐々に増えていった畑は、今もこのラモネ兄弟に引き継がれ、ワインが作られています。ラモネ兄弟のワインはジャン・クロード氏が主体となり、
「ジャン・クロード・ラモネ」の名で今でもリリースが続いています。
なお1900年代のブルゴーニュには、いわゆる“お家騒動”で畑が分かれ、うまく引き継がれなかった、代替わりからクオリティが下がってしまったような造り手も多くいます。そんな中で
ドメーヌ・ラモネはいち早く会社組織として設立し、相続によるトラブルを避けながらうまく引き継いでいるというところもポイントとなっています。
ブドウ生育へのこだわり
ラモネのワインはブドウの栽培にこだわって造られているのがポイントです。なおラモネでのブドウ栽培は、ラモネ兄弟の兄であるノエル氏が中心になって行います。
ラモネではブドウの樹そのものを大切にしているため、多くの畑で行われている夏の手摘房も行いません。霜・雹による影響を受けてしまうリスクはありますが、無理やり対策するのではなく、長期的な視野でブドウを育てていることになります。
こうして育てられたブドウは、リュショットおよそ50年、クロサンジャンおよそ70年、モンラッシェおよそ80年といったようにいずれも高齢の樹に育っています。また
モンラッシェのワインを中心に新樽比率も高めているのが特徴で、テロワールの良さがシンプルかつダイレクトに表現されているのを感じることができます。
ロバート・パーカー氏を唸らせた白ワイン
ラモネといえば、やはりまずは白ワインに注目したいところです。ラモネのワインはプロや評論家からの評価が非常に高く、パーカーポイントで知られるロバート・パーカー氏にも
「白ワインを極めるなら、ラモネ以外はない」とまで言わしめたほどです。赤ワインがロマネ・コンティなら、白ワインはラモネである。そんな声も聞こえてくるほどトップに君臨しています。
中でも外せないのは、モンラッシェにある特級畑のワインです。
「モンラッシェ」「シュヴァリエ・モンラッシェ」「バタール・モンラッシェ」「ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ」の4つがあり、いずれも数万円〜10万超えという超高額で取引されているような状況です。
- ・モンラッシェ・・・世界一高級な白ワインの特級畑である。ラモネはピュリニー側の区画を0.26ヘクタール所有。DRC社、コント・ラフォンと並んで、ラモネはモンラッシェの3大生産者と言われている。
- ・シュヴァリエ・モンラッシェ・・・モンラッシェの次ぐブルゴーニュの白の最高峰で、ラモネのものは有名レストランがこぞって奪い合うほどの人気を見せている。
- ・バタール・モンラッシェ・・・熟度が高く豊かな白ワインで、圧倒的なミネラルと奥行き。繊細で上品な印象も受ける最高級の味わい。
- ・ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ・・・バタール・モンラッシェよりも繊細で軽やか、それでいて深さも表現されたバランスのよい仕上がり。口に含むと濃厚さ、リッチなフィニッシュを堪能できる。
特級畑以上に圧倒的な人気を誇るのは、
一級畑(プルミエ・クリュ)の白ワインたちです。
15,000円前後〜数万円で手に入るボトルもあり、多くの白ワインファンやコレクターたちから高い支持を得ています。
- ・シャサーニュ・モンラッシェ・レ・リュショット・・・ドメーヌの最初に購入された、歴史の始まりの畑。ラモネのフラッグシップとも言えるワインであり、綺麗な酸味とバランスのよい味が魅力。
- ・シャサーニュ・モンラッシェ・レ・カイユレ・・・柑橘系を思わせるフレーバー、エネルギッシュで力強い白ワイン。酸味のピリッと感がアクセントに。
- ・シャサーニュ・モンラッシェ・モルジョ・・・シャサーニュ・モンラッシェのプルミエ・クリュで、赤も白も作られる。白ワインは果実味豊富。
- ・シャサーニュ・モンラッシェ・ヴェルジェ・・・サシャーニュのやや北、標高の高い位置にある畑で豊かなミネラルを持つ白ワインが生まれる。グラン・クリュに匹敵するクオリティ。
- ・ピュリニー・モンラッシェ・シャン・カネ・・・ムルソー一級のペリエールに隣接する畑で、酸味のバランスが非常によい。
- ・ピュリニー・モンラッシェ・レ・ザンセニエール・・・特級畑の真下に位置する畑で、力強いミネラルと芳醇なアロマを感じられる。
ちなみにラモネの白は特級・一級の種類が多いことで有名ですが、「シャサーニュ・モンラッシェ」や「ピュリニー・モンラッシェ」といった村名クラスのものもあります。またこのほか「ブルゴーニュ・ブラン」や「ブーズロン・アリゴテ」など比較的価格帯の安いワインも存在しています。
赤ワインは一級畑からお値打ち品まで
続いて紹介したいのは、ラモネの赤ワインです。ラモネは赤ワインも非常に優良で、わざわざ赤を探し求める方もいるほどです。
ラモネの赤には一級畑のものから、お手頃価格で買えるお値打ちワインまで揃っています。一級畑はシャサーニュ・モンラッシェの複数の区画があります。
- ・シャサーニュ・モンラッシェ・クロ・ド・ラ・ブードリオット・・・ラモネが誇る一級畑の赤ワインです。ピノ・ノワールから生まれるミディアムボディの味わいで、数が少なく希少です。
- ・シャサーニュ・モンラッシェ・クロ・サン・ジャン・・・粘土質の土壌由来の豊かな赤ワインで、ミネラルと酸味がうまく表現されている。
- ・シャサーニュ・モンラッシェ・モルジョ・・・芳醇でタンニンもしっかりとしているクラシカルな赤ワイン。
ラモネの赤ワインにはこのほか「シャサーニュ・モンラッシェ」の村名ワインなどもあります。赤なのか白なのか、そして畑の種類やヴィンテージによってもラモネの買取価格は変わってくるでしょう。
ラモネのワインはとにかくバリエーションが多く見分けるのが難しいので、買取や査定時にお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。