モレ・サン・ドニの偉大なワイン生産者
ジャッキー・トルショーは、ブルゴーニュ地方モン・サン・ドレなどに畑を所有していたドメーヌです。
「ジャッキー・トルショー・マルタン」という名で活躍していた造り手で、ジャッキー・トルショー氏が当主を務めていました。
ジャッキー・トルショー氏は最初からドメーヌを経営していたわけではありません。かつてはアルジェルア戦争に参加していました。そして1961年、戦争から帰ってきたのち、従兄弟にあたるアンリ・モーフル氏の元で働くこととなります。
アンリ・モーフル氏からワイン造りにおける哲学や技術を学び、やがてモールフ氏の死後、彼のドメーヌを継ぐような形で1978年に「トルショー・マルタン」をスタートさせます。そこから2005年まで、信念を貫きながらワイン作りを行っていました。
所有していた畑は合計約7ヘクタールで、
「シャンボール・ミュジニー」や
「モレ・サン・ドニ」、そして
「ジュヴレ・シャンベルタン」などを手掛けていました。
生産は赤ワインが中心で、大半がモレ・サン・ドニのワインとなっています。
流通ルートが限られていて日本ではなかなか見つからない

ジャッキー・トルショーのワインは、簡単に手に入るワインではありません。なぜなら流通ルートを絞っていて、
長年の間フランス国内でしか販売されていなかったためです。日本で初リリースされたのは1996年と遅く、それまではほとんど名の知られていない存在でした。「知られざる偉大なドメーヌ」という言葉がまさにそれを表しています。
また輸出が開始となってからも、どのような造り手なのかという情報は非常に少なく謎に包まれていました。日本への輸入が始まってからも、流通経路が限られていたため一般的にはほとんど普及されていませんでした。
ジャッキー・トルショーの味の秘密

そんなジャッキー・トルショーのワインですが、いわゆる超有名ワインのような名声を常に集めていたわけではありません。
ワイン評論家からは「軽すぎるワイン」と言われてしまっていたこともありました。
一流と言われる多くの造り手は、ブドウの収量を減らし、味わいを凝縮させるという手法を採用しています。しかしジャッキー・トルショーのワインはブドウ収量が多いため、味わいが軽くナチュラルであり、瓶詰め前のバレル・テイスティングの段階では高い評価に繋がらなかったのです。
そんな
ジャッキー・トルショーのワインが本来の魅力を発揮するのは、何年も熟成させた後にあります。10年以上の熟成を経ることで、ジャッキー・トルショーのワインは華開くように変化していきます。ライトだと言われていたニュアンスは、輝かしいアロマに変わっていきます。華開いた後のジャッキー・トルショーのワインは、他のワインでは感じられない
女性的な魅力とエレガンスを持つようになるのです。
2005年に惜しまれつつも引退

1978年からドメーヌを設立し活躍してきたジャッキー・トルショーですが、
2005年を最後に残念ながら引退してしまっています。彼はもともと戦争の際に膝を痛めていたということもあり、60代に入りブドウ栽培から手を引いてしまったのです。彼には息子もいましたが、ドメーヌを引き継ぐことはありませんでした。そして畑もすでに売却され、今ではドメーヌとしての名はすでになくなってしまっています。
引退後は自宅裏の畑、プルミエ・クリュである
レ・ソルベをわずかに所有し、家庭消費用としてほんの少量のワインだけを作っていました。もちろん引退後のワインも簡単に手に入るものではなく、
幻のワインと化しています。
ジャッキー・トルショーのワインは華開くのが遅いワインということもあり、奇しくも
彼の引退後に爆発的に人気が高まりました。希少価値が高まってからコレクターによる争奪戦がスタートし、現在では何百万という価値がつけられているような状況です。もちろん流通量は少なく、お金を積んでも買うことができないワインだとも言われています。今もし手に持っている方がいるなら、それは非常に幸運なことだと言えるでしょう。
「神の雫」で話題となったクロ・ド・ラ・ロッシュ 2002
ジャッキー・トルショーといえば、
人気漫画「神の雫」に登場したことでも知られています。漫画の最終章で、
主人公のライバルである遠峰一青が“神の雫”として選んだのが、ジャッキー・トルショーの「クロ・ド・ラ・ロッシュ2002」だったのです。
漫画での登場は、日本国内の一般ワインユーザーにもジャッキー・トルショーの名を轟かせるきっかけになりました。当然ながら簡単に手に入るワインではありませんが、“名前を聞いたことがある”という方が増えたのはこの漫画によるおかげでもあるでしょう。
ジャッキー・トルショーのクロ・ド・ラ・ロッシュは、見た目の色素の薄さからは想像もできないようなアロマが広がります。ブドウ本来の豊かさと繊細さをありのままに表現した味わいで、豊かな果実味と複雑なエレガンスを感じ取ることができます。ジャッキー・トルショーが手掛けてきた複数のラインナップの中でも、非常に人気の高いワインの一つです。多くのワイン愛好家達の憧れ的存在となっています。
ジャッキー・トルショーが手掛けたワイン

ジャッキー・トルショーがかつて手掛けてきたワインには、様々な畑のものがあります。グラン・クリュをはじめ、プルミエ・クリュ、村名ワインも存在しています。
- シャルム・シャンベルタン・・・コート・ド・ニュイ地区、ジュヴレ・シャンベルタンにあるグラン・クリュ。非常にエレガントで、きめ細やかで透明感のあるタンニンが魅力である
- クロ・ド・ラ・ロッシュ・・・グラン・クリュの一つで、ジャッキー・トルショーの中でも高い人気となっている
- ジュヴレ・シャンベルタン・オー・コンボット・・・特級畑に囲まれた好立地のプルミエ・クリュで高いクオリティ。強めのタンニンとフルーティーな果実味
- シャンボール・ミュジニー・レ・サンティエ・・・プルミエ・クリュのワインで繊細かつ柔らかく、透明感のある味わい。時間を置くほど魅力が増すワインでもある
- ジュヴレ・シャンベルタン・・・村名クラスのワインで、かつては中価格だったが高騰している。赤い果実の魅力が詰まったワイン
- モレ・サン・ドニ・・・村名クラスのワインで、見た目の色からは想像がつかないほどの凝縮感とアフターが印象的
ジャッキー・トルショー買取査定は今がチャンス

ここまでお伝えしたように、ジャッキー・トルショーのワインは現在幻となっており、希少価値が非常に高まっています。製造から時が経って飲み頃を迎えつつあるということもあり、かつてからは考えられないほどの価値・価格がつけられているような状況です。
そんなジャッキー・トルショーのワインは、特級畑や一級畑のワインだけでなく村名クラスのワインでも高額取引の対象となります。状態が良ければ何万円、何十万円という査定も見込めるので、買取や査定を検討中の方はぜひ今のチャンスを狙ってみてください。
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