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一言で「お酒」といっても、その種類はさまざまです。製造方法や原料の違いによっていろいろなお酒があり、お酒によって味わいや香り、そしてアルコールの濃さなども変わってきます。
自分の好きなお酒銘柄を探したい場合は、まずお酒の種類と特徴について知っておくことが大切です。お酒ごとの特徴やポイントを押さえておくことで、自分の得意なお酒や苦手なお酒がわかり、お酒選びで失敗しにくくなるでしょう。
今回は、ウイスキーやワイン・日本酒など、いまさら人に聞きづらいお酒の種類について解説していきます。お酒ごとの主な産地や賞味期限、アルコール度数についても触れているのでぜひ参考にしてみてください。
目次
お酒とは、大まかにいうとアルコールを含む飲料のことです。ここでのアルコールはエタノール(エチルアルコール)と呼ばれるもので、この成分が含まれていることで清涼飲料水にはない独特の味わいが生まれ、また「酔い」と呼ばれる現象が引き起こされます。
お酒にエタノールが含まれるのは、独特の発酵という過程が加えられるからです。ここで、どのようにしてエタノールが生み出されるか、また何を原料にするかによってお酒の味わいに違いが生まれます。
お酒の種類は、まず製法によって醸造酒・蒸留酒・混成酒の3つに分けられます。それぞれ以下のような特徴があります。
醸造酒の代表的な例としては、ワインや日本酒、ビールなどが挙げられます。醸造酒は原料をそのまま発酵してお酒にしているので、原料の特徴が感じやすく個性が豊かであることが特徴です。それに対し蒸留酒は“蒸留”という一手間が加えられている分、醸造酒に比べ成分が凝縮されアルコール度数が高くなっているのが特徴と言えます。ウイスキーやブランデー、スピリッツなどが蒸留酒に該当します。
なお混成酒にはリキュールや梅酒などがあります。原料由来の味だけでなく後から香料や糖が加えられているため、ジュースのように甘く飲みやすいものが多いのがポイントとなっています。
同じ製法を用いていても、原料が違うとお酒は全く別物になります。例えば醸造酒の中でも、ワインはブドウなどの果実をベースに作られているのに対し、日本酒はお米=穀物から作られているという違いがあります。同様に、蒸留酒や混成酒も原料の違いで細かな分類に分かれていきます。
また、同じ名称のお酒でも原料ごとに特徴が変わってくる場合もあります。例えば焼酎の中には、芋から作られる“芋焼酎”や米を原料とした“米焼酎”などがありますが、芋焼酎は独特の芋の香りがするのに対し米焼酎は米由来の甘味が強めといった違いがあります。
アルコール度数とは、お酒の中に含まれるアルコールの量のことです。酒税法によって「温度が15度のとき、原容量百分中に含まれるエチルアルコールの容量」と具体的に決められています。なおアルコール度数が高いお酒は、当然刺激も強くなり酔いやすくなります。お酒のラベルに書かれているので、気になる方はチェックしてみましょう。
基本的には、醸造酒よりも蒸留酒の方がアルコール度数は高くなります。蒸留酒の中には、スピリタス(アルコール度96%)のような強いお酒もあります。またアルコールの濃さは、お酒に加水がなされているかどうかによっても変化します。
異なる製法や原料から作られたお酒たちは、味わいや香りが異なります。自分のお気に入りのお酒を探すのであれば、やはり味や香りから選ぶのをおすすめします。
例えばビールとワインを比べた場合、ビールはアルコール度5%前後・ワインはアルコール度12%前後であるにも関わらず、ワインの方が飲みやすいと感じる方もいます。なぜならビールはホップによる独特の苦味があり苦手と感じる方も多いからです。このように、お酒の飲みやすさは単なるアルコールの強さだけでなく、製法や原料の違い、そして個人の好みによって大きく左右されます。
ここからは、どのようなお酒を選ぶべきかわからないという方に向け、お酒ごとの特徴や種類を解説していきます。
お酒の種類 | 蒸留酒 |
原料 | 大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀類 |
アルコール度数 | 40度前後 |
賞味期限 | 半永久的※開封後は6ヶ月程度 |
ウイスキーは、穀物をベースに作られる蒸留酒のことです。ハイボールのベースに使われることも多く、日本でも人気のお酒となっています。原料となる穀類は大麦をはじめライ麦、トウモロコシなどさまざまで、原料の違いによって異なる味わいを楽しめるのが大きな特徴です。口に含むと、穀物由来の香りや風味が強く表れます。
アルコール度は銘柄やシリーズにもよりますが、基本的に40度前後で比較的高めです。それでもストレートで飲む人もいるほど、飲みやすい味わいのものが多いのもウイスキーの魅力と言えるでしょう。
ウイスキーが高めのアルコールでも飲みやすいのは、蒸留後に樽熟成をおこなっているためです。樽の中で長期熟成されることにより、角が取れ奥深くまろやかな味わいになります。ウイスキーの中には、10年、20年と長期の間寝かされていたヴィンテージものも存在しています。そんなウイスキーは未開封であれば賞味期限もなく、長期保存にも適しています。現在流通しているものの中には、何十年という昔に作られたボトルもあります。
ウイスキーの定義は製造される国によって異なっています。各国によって原料・製法・熟成年数が細かく定められていて、国によって味にも違いが現れます。一般的に共通している定義としては、「穀類を原料とし、糖化・発酵の後に蒸留を行い、木製の樽で貯蔵熟成させること」が挙げられます。
例えばスコッチウイスキーの場合は、上記の条件のほか「アルコール分94.8%未満で蒸留、700L以下のオーク樽で最低3年以上熟成、最低瓶詰めアルコール40%以上」という条件が加わります。
ウイスキーの歴史を語る上で欠かせないのが「蒸留アルコール」の精製技術の誕生です。ウイスキーの技術の元となったアルコールの蒸留技術が生み出されたのは8〜9世紀の頃であり、元々は病気治療のために修道院などで薬目的でアルコールが作られていたのが始まりです。12世紀の記録では、蒸留し作られたアルコールが「命の水(アクアヴィテ)」と呼ばれていたことも判明しています。
そんなアルコール飲料が、歴史の中で“嗜好品”として変化していったのがウイスキーの起源だと言われています。ただし発祥についてはアイルランド説とスコットランド説の2つがあり、明確なことはわかっていません。
なお薬目的でのアルコールが作られていた頃は、無色透明のお酒でした。そんなウイスキーに現在のような琥珀色が付くようになったのは密造時代のことです。
1700年代に入るとスコットランドは戦争が活発になり、財政難からアルコールに大量の課税が行われるようになりました。その結果、水面下でこっそりウイスキーを作る密造がスタートしたのです。そしてこのとき密造されたお酒は、シェリー酒の空き樽に入れられ保存されていました。それがたまたま熟成になり、琥珀色のまろやかなお酒の誕生のきっかけとなったそうです。
アイルランドやスコットランドを中心に作られていたウイスキーは、やがて世界のあらゆる場所で作られるようになります。現在もウイスキー製造に力を注いでいる国は多く、特に有名なのが「世界5大ウイスキー」の産地です。世界5大ウイスキーの産地は以下の通りです。
ウイスキーは数あるお酒の中でも、特に価格高騰が進んでいるアルコールと言えます。そのため買取に出す場合は、ウイスキー買取に強く市場価格に詳しい業者を選ぶのがポイントです。
特にヴィンテージもの、国産ウイスキーは買取価格が高くなりやすいです。損をしないためには、“相見積もり”を依頼し複数社の買取価格を比較してみると良いでしょう。
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お酒の種類 | 蒸留酒 |
原料 | ブドウ、りんごなどの果実 |
アルコール度数 | 37〜50度程度 |
賞味期限 | 半永久的※開封後は6ヶ月程度 |
ブランデーは、ブドウやリンゴなどの果実を原料とした蒸留酒のことです。語源はオランダ語の「焼いたワイン」を意味する言葉であり、簡単に述べるとワインを蒸留したお酒です。穀物由来のウイスキーが味そのものを楽しむお酒であるのに対し、ブランデーは果実由来の豊かな香りを楽しむお酒といった違いがあります。
そんなブランデーのアルコール度数は37〜50度ほどです。高めのアルコールなので、グイグイ飲み進めるというよりもストレートで少量をゆっくり飲むのが推奨されています。またカクテルなどのベースに使われることもあります。
ブランデーの中でも特に有名なのが、「コニャック」と「アルマニャック」と呼ばれるものです。この2つのブランデーはAOCという原産地呼称制度によって定義が厳密に定められていて、条件を満たしたブランデーのみがこの名を名乗ることができます。
コニャックは単式蒸留器で2回蒸留されることで、雑味が少なくなりまろやかな味わいになるのが特徴です。世界的に有名銘柄が多く、「レミーマルタン」や「カミュ」などがあります。
アルマニャックはコニャックとは違い、1回のみしか蒸留が行われません。そのためコニャックに比べ荒々しさが残りやすく男性的な味わいをしています。アルマニャックの有名銘柄には「シャボー」などがあります。
ブランデーは、ワインやウイスキーに比べ比較的新しいお酒と言われています。最初に文献に登場するのは13世紀のことで、スペインの錬金術師かつ医師であったアルノー・ド・ビルヌーブ氏が、ワインを蒸溜し「気つけ薬」として使用していたことがわかっています。
そんなブランデーが産業へ発展するのは17世紀の頃です。このころ、宗教戦争や寒波の影響を受け、ワインの品質が落ちてしまうことがありました。オランダ人がメインの顧客となり輸入していたコニャック地方のワインも、輸送の刺激に耐えられず味が酸っぱくなってしまっていました。
そこで味の劣化しないワインをなんとか届けられないかと試行錯誤したところ、“蒸留”という工程が加えられるようになり、これが意外にも美味しいとブランデー誕生のきっかけとなりました。その後、少量で税を削減しながら輸送ができるブランデー製造がより一層盛んになり、産業として発展していったという背景があります。
ワインが元になったブランデーは、コニャックやアルマニャックを中心としたフランスがメインの産地です。フランスではこのほか、ノルマンディー地方で作られるりんごベースの「カルヴァドス」も有名です。
なお、コニャックやアルマニャックは産地呼称規制のため特定の地域でしか作られていませんが、ブランデーそのものは世界のあらゆる場所で作られています。例えば地中海周辺や南アフリカ、中南米、オーストラリアなどぶどうの名産地は、ブランデーづくりも盛んになっています。
高級ブランデーには、ボトルだけでなく付属の箱や冊子、オリジナルの替え栓がついていることがあります。買取の際には、付属品も全て揃えた状態で依頼するようにしましょう。
なお限定品の場合、シリアルナンバーが一致しているかどうかも重要になります。
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お酒の種類 | 醸造酒 |
原料 | ブドウなどの果汁 |
アルコール度数 | 12度前後 |
賞味期限 | 種類により異なる※開封後はできるだけ早く |
ワインはブドウなどの果汁を発酵し作られる醸造酒のことです。なおブドウを原料に作られるワインには「赤ワイン」と「白ワイン」、そして「ロゼワイン」があります。これらは使われるブドウの品種そのものが違い、見た目の色や味わいが異なります。
ワインは果実由来の甘みと酸味が特徴です。タンニンによる渋みやアルコール感も感じられます。ただしワインは素材そのものの味が色濃くでることから、一言で味わいを表現しにくいお酒でもあります。例えば同じ名前を持つワインであっても、ブドウの収穫された年によって大きく味わいが異なるのが特徴です。ワイン選びの際は、ヴィンテージにも注目してみると良いでしょう。
なおワインのアルコール度数は12%前後です。ただしこちらもモノによって変わり、赤ワインは11〜15%程度、白ワインは9〜14%程度と言われています。ワインの中には8%ほどの低アルコールのものもあります。
そんなワインですが、賞味期限の記載はなくどれくらい日持ちするのかはワインの質や種類によって異なります。市販の数千円ランクのワインは数年ほどで飲み切ることが想定されていますが、ブルゴーニュ地方などの熟成タイプのワインの中には、何十年と耐久するものもあります。
ワインの定義は国によってさまざまです。日本ではあまり細かなルールは定められておらず、「果物を原料にした醸造酒」がワインと呼ばれることが一般的です。
一方でワインの名産地とされるフランスでは、格付けが明確になされています。フランスの中でもブルゴーニュ地方のワインは「ドメーヌ」、ボルドー地方では「シャトー」と呼ばれる生産者がおり、畑や生産者がランク分けされているのが特徴です。
ワインは数あるお酒の中でも非常に古い歴史を持っています。ワインの歴史は葡萄の歴史でもあると言われていて、一説によると始まりは紀元前8000年頃だとも言われています。文献上で確認できる範囲でも、紀元前5000年頃にはメソポタミア文明の中にその存在がはっきりと判明しています。
メソポタミアやエジプト周辺で始まったワインの歴史は、紀元前1500年ごろにギリシャに伝わります。医学の父と呼ばれるヒポクラテスがワインの解熱作用や疲労回復効果に注目するなど、ただ楽しむためのアルコールではなく薬のような存在として扱われていたことがわかっています。
そんなワインが今の名産地であるヨーロッパに伝わったのは、紀元前600年頃のことです。ギリシャ人がフランス・マルセイユに移り住む際に、ワインの醸造技術も持ち込まれました。そして2〜3世紀頃には、ブルゴーニュやボルドーでのブドウ栽培がスタートするようになりました。
その後ワインは宗教や医学との絡みもあり、文化が発展してきます。時代が移りゆく中で技術も向上していき、17世紀には現在の状態に近いコルク栓のワインが誕生しています。
ワインといえば、フランスの「ブルゴーニュ」と「ボルドー」が有名です。しかしワインは世界的なお酒であり、イタリア、スペイン、アメリカ、チリ、中国などでも作られています。もちろん日本でも生産されていて、国産ワインとして人気を集めています。
ワインの種類や値段は、ピンからキリまでさまざまです。コンビニやスーパーで数千円で入手できるようなワインもあれば、一本に何百万という資産のような価値がつけられているものも存在します。
ワインはランクが違うと耐久できる年月も変わってくるので注意です。基本的には高級と言われるワインの方が、何十年という保存に耐えやすいです。
飲み頃を逃してしまったワインは買取価格が下がってしまうので、銘柄がわからない場合や迷っている場合は、まず早めに査定に出してみることをおすすめします。
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お酒の種類 | 醸造酒 |
原料 | ブドウ果汁 |
アルコール度数 | 11度前後 |
賞味期限 | 種類により異なる※開封後はできるだけ早く |
シャンパンは、スパークリングワインの一種です。ブドウ果汁を原料とする発泡性の果実酒で、正式な名称は「シャンパーニュ」といいます。
シャンパンには厳密なルールが定められているので、全てのスパークリングワインがシャンパンに当てはまるわけではありません。あくまでもフランスのシャンパーニュ地方で作られるもののうち、特定の条件を満たしたものだけがその名を名乗ることができます。特徴としては瓶内二次発酵によるきめ細やかな泡、そしてアッサンブラージュと呼ばれる原種のブレンド、そしてティラージュ・ドサージュと呼ばれるシロップの添加などが挙げられます。
高級酒としてクラブシーンやパーティーの乾杯などで親しまれるシャンパンは、果実由来の高い香りと繊細な泡によって生まれる独特の舌触りで人気を集めています。なお原料となるブドウの品種や栽培方法によって、辛口・甘口など味に違いがあります。
そんなシャンパンは未開封であれば、長期保存も可能です。なおシャンパンの飲み頃は熟成期間に比例すると言われています。シャンパンの熟成期間は、以下の3つのグレードに分けられています。
シャンパンは、AOC法と呼ばれるフランスのワインの法律で定義が明確に決められています。シャンパンの定義のうち、主な内容は以下の通りです。
なおこの他にも、収穫高や醸造期間、アルコール度数などに関する細かい規定もあります。条件を満たさないままシャンパーニュを名乗ると、法律で罰せられることになっています。
シャンパンが生まれたのは1600年代半ば頃のことです。紀元前からの長い歴史を持つワインに比べ、比較的歴史が浅いお酒だといえます。なぜ歴史が浅いかというと、発泡性であるシャンパンの製造と保存には密閉のための「ガラス瓶」と「コルク栓」が不可欠であり、この2つが誕生し出会うまでシャンパンは発売されてこなかったためです。
初めてのシャンパンが作られたのは1660年頃のことです。シャンパーニュ地方で作られた白ワインがイギリスロンドンへ輸送され、偶然“泡入り”のワインに生まれ変わったことが誕生のきっかけでした。シャンパーニュ地方はフランスの中でも寒い地域であり、冬になるとワインの発酵が止まってしまうのですが、そのワインがイギリスで春を迎えることにより再度発酵し始めるのがシャンパンの泡が発生する秘訣となったとのことです。
やがてシャンパンは技術が向上し、ワインとは違った魅力を持つお酒として愛されるようになりました。宮廷や王室でも愛飲者が増えるなど、ロイヤリティな飲み物として位置づけされるように進化していきました。
シャンパンが作られるのは、フランスのシャンパーニュ地方だけです。シャンパーニュ地方はパリから北東へおよそ140kmの位置にあり、フランスの中でも最北のワイン生産地です。
ただしその他の国やエリアでも、「シャンパン」という名は名乗れませんがスパークリングワインは製造されています。シャンパンに似たスパークリングワインと主な産地は以下の通りです。
シャンパンはウイスキーやブランデーに比べ、温度変化に弱い繊細なアルコールです。そのため買取価格は保存状態に大きく左右されます。買取に出す前の普段の保存の時から、ワインセラーなどを使用し適切な温度管理を心がけておきましょう。
個人所有のワインセラーや自宅での保管には限界があるので、不安な場合は早めに買取を依頼することをおすすめします。
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お酒の種類 | 醸造酒 |
原料 | 米、米麹など |
アルコール度数 | 16度前後 |
賞味期限 | 約1年※開封後はできるだけ早く |
日本酒はお米を原料に作られるお酒のことです。日本を代表する「国酒」でもあります。具体的には白米を蒸し、そこに麹と水を加えて発酵し熟成させることで出来上がります。
日本酒は「百薬の長」と呼ばれ、古来より日本各地で製造・愛飲されてきました。製造される地方や酒造によって、甘口から辛口までさまざまな味わいに分かれているのがポイントです。基本的にはお米をベースとしているため、柔らかな甘みや米由来の香りがするのが特徴です。
そんな日本酒はアルコール度が16度前後と、ビール(約5%)よりも強めのお酒となっています。ただし日本酒の中には、加水のなされていない原酒と呼ばれるアルコールのやや強いものや、反対に低アルコールと呼ばれる8%程度の銘柄も存在します。
なお醸造酒である日本酒は、発酵が進むと性質が変化するため美味しく飲める期間が決まっています。ボトル自体には賞味期限の記載がないものも多いですが、基本的に美味しく飲めるのは1年前後だと言われています。
日本酒は清酒と呼ばれるもののうち、原料である米・米麹に日本米を使用し、さらに日本国内で醸造されるものという定義があります。古くから日本酒の大まかな決まりはありましたが、「日本酒」という呼称そのものが地理的表示に指定されたのは2015年12月のことです。
なお日本酒の中でも、特定の要件を満たしたものは「特定名称酒」と呼ばれます。特定名称酒には大きく分けて本醸造酒・純米酒・吟醸酒があり、以下のように細かく分類が分かれています。
日本酒の歴史は古く、明確な起源はわかっていません。一説によると稲作が盛んになった弥生時代に日本酒作りが始まったと言われていますが、その一方で縄文時代にはすでにお米を使ったお酒が飲まれていたという説もあります。
古い文献には「口噛み酒」の記述が残っています。これは神に使える巫女がお米を口の中で噛み、唾液を含ませて発酵させ作られたお酒のことを指します。このように、古くから日本ではお酒と神事は非常に深い関係にあったことがわかっています。
お米から作られるお酒の技術は、時代と共に進化していきます。室町時代には現在の製法に近い「2段仕込み」が確立され、江戸時代になると職人による「大量生産」も可能になりました。この頃になると火入方法や貯蔵方法にもこだわりが見られ始め、味への追求も高まっていきました。
現代でも日本酒はありとあらゆる場面で飲まれていて、日常の食卓からお正月・結婚式といったお祝い事でも親しまれています。日本酒の酒造めぐりを観光産業に取り入れたり、日本酒バーなど新しい形態のお店ができたりと、現在も日本酒文化は発展を続けています。
お米を使った日本酒は、日本各地で製造されています。中でも特に有名なのが兵庫県、京都府、新潟県の3箇所で、生産量もトップ3となっています。
兵庫県は灘のお酒が有名です。灘のお酒は男酒と呼ばれ、力強く酸味が強めの辛口のお酒です。一方で京都府では伏見で作られる女酒がよく知られています。中硬水でゆっくりと発酵される伏見の酒は、きめ細かで淡麗な酒質をしています。
新潟は米どころというだけあり、酒蔵の数が多く酒質もさまざまです。淡麗辛口のお酒が多く、キリッとした表情を楽しめます。
零響アブソルートゼロは、精米歩合0を目指して作られた幻の日本酒です。精米にかかる時間はなんと221日で、0.85%という極限までお米を削り作り出された純米大吟醸酒です。限りなく澄んだような味わいで、他の日本酒とは一線を画した飲み物となっています。
日本酒は、古酒でもない限りは1年以内が賞味期限と言われています。そのため買取専門店によっては、製造年月日から期間の経つ日本酒を買い取り対象外にしている場合があります。したがって日本酒の買取を希望される場合は、できるだけすぐに依頼することが大切です。基本的には、ラベルに記載されている製造年月日から半年以内に買取に出すようにしましょう。
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お酒の種類 | 蒸留酒 |
原料 | 甲類:サトウキビなどの糖蜜 乙類:さつまいもや麦などの穀物 |
アルコール度数 | 25度前後 |
賞味期限 | 半永久的※開封後は6ヶ月程度 |
焼酎は、主に日本で製造される蒸留酒の一種です。
焼酎は種類によって「甲類」と「乙類」に分けられます。甲類焼酎は糖蜜などを原料としていて、基本的にすっきりとした味わいのものが多いです。“無味無臭の焼酎”と言われることもあり、チューハイやサワーも使われます。代表的な銘柄には「鏡月」や「JINRO」があります。
一方で乙類焼酎は、芋焼酎や麦焼酎、米焼酎などが当てはまります。素材の風味が全面に押し出されていて、焼酎ごとに異なる香りや風味を堪能できます。乙類焼酎のラベルには「本格焼酎」と書かれていることもあります。
そんな焼酎のアルコール度数は、およそ25度前後です。蒸留によりアルコールが凝縮されているため、同じ日本のお酒でも日本酒よりアルコール度数が高くなっています。耐久しやすく長期保存も可能で、昭和時代を中心に日本の食卓で親しまれてきた馴染みの深いお酒でもあります。
焼酎の定義は酒税法によって以下のように定められています。
焼酎の定義は比較的ざっくりとしていて、ブランデーなどのようにルールは細かくありません。そのため沖縄県産の「泡盛」なども焼酎の一種に数えられます。ただし焼酎の中には、「薩摩焼酎」「壱岐焼酎」「球磨焼酎」のように産地表示の保護指定を受けルールが細かく定められているものもあります。
日本の焼酎の始まりは、14世紀ごろにタイから蒸留技術が伝えられたのがきっかけだと言われています。ただしこの頃には今のような多種多様な焼酎はほとんど存在せず、主に米焼酎がメインとして作られていました。
そこから現在のようにさまざまな原料の焼酎が作られるようになったのは、江戸時代に入ってからです。江戸時代になると米が年貢の対象となり、非常に貴重なものとなりました。そのためお米で焼酎を作るのは勿体無いとされ、芋や麦などお米に代わる原料での焼酎づくりが進められていきました。
その後、明治時代になるとさらに技術が発展し、焼酎が乙類・甲類といった分類に分かれるようになりました。こうして誕生した焼酎は、今も日本の食卓のさまざまな場面で愛されるお酒となっています。
日本の焼酎は、主に九州地方をメインに作られています。鹿児島や長崎、熊本などの南の地方は暖かい気候で日本酒作りが難しいとされていたため、その代わりに焼酎づくりが発展していったという背景があります。現在では以下の4つの焼酎が「産地呼称」に認められ、名産品として扱われています。
なお焼酎は、隣国である韓国でも作られています。韓国産の焼酎は「韓国焼酎」と呼ばれ、ここ数年で爆発的な人気を博しています。日本の焼酎との大きな違いは、一つの原料ではなく米・麦・サツマイモ・タピオカなどさまざまな原料を混ぜて作られている点にあります。日本で有名な銘柄には「チャミスル」があります。
栗東(くりあずま)わすいせずは、「くりあづま」というこだわりの芋を原料に黒麹を加え作られる芋焼酎の銘柄です。現在は終売になっている焼酎の一つであり、希少価値が高まっています。
焼酎は日本酒やワインに比べると自宅保管がしやすく、劣化しにくいため買取価格も下落しにくいです。ただしよくある注意点として挙げられるのが、冷蔵庫に入れて保管するのはNGということです。
飲み物はついつい冷蔵庫に入れておきたくなりますが、焼酎の適切な保管温度は25度前後であり冷蔵庫だと冷え過ぎてしまいます。過度な冷却は成分が固まってしまう原因となるので、冷暗所の常温保存を心がけておきましょう。
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お酒の特徴や違いについて解説しましたが、いかがでしたか?
お酒の情報は、外箱やラベルにも記載されていることが多いです。どのようなお酒であるのか、アルコールがどれくらいであるのかといった情報はラベルを見ればある程度わかります。気になるお酒がある方は、まずは少しずつ試してみてお気に入りを探すと良いでしょう。
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